石川県の小売業界の雄であり、
北陸を地盤に展開している大和百貨店が、
大規模な店舗閉鎖や子会社の売却などを含めた
経営再建計画を近く発表する見通しとの報道がありました。
今後の店舗網は、新潟の全店と石川県では小松店を閉店し、
金沢、高岡、富山の実質3店舗体制の大幅削減となる模様です。
先日発表になった大手百貨店の9月の売上動向の速報では、
前年同月対比で伊勢丹は10.9%減、三越は7.5%減、大丸が5%減、
松坂屋が14.2%減、高島屋は9.5%減といった数値です。
高額品の売上げ不振は依然として深刻で、
長い間主力として位置づけられている衣料品の低迷も主因とされます。
三越、松坂屋など、業界内でも衰えの見える百貨店ばかりでなく、
伊勢丹など過去数年比較的好調といわれ、
有効な手立てを打ちつづけてきた企業でも
同様の結果をみせているところからすれば、
地方百貨店の営業不振ぶりは察してあまりあるものでしょう。
単に不況だ、ということだけでなく、
ECOな発想が欠かせない時代ではあっても、
やはり「消費は文化」であり、
楽しい買物は豊かな生活の一部であることに
これからも変わりはないはずと、私は思います。
百貨店というビジネスモデルが壊れてしまっているのは、
実態からすればすでに明白といえる、という論調は多い一方で、
質の高い文化催事や、付加価値の高い生活の提案など
高コスト体質を自らの存在価値の宿命として営業してきた百貨店が
これまでに担ってきた役割は、なくてもいいものなのか、
それとも今後は誰がどのような形で果たしていくべきものなのでしょうか。
(決していまのままでいいと言いたいのではありません)
同時にユニクロ絶好調のニュースも報道を賑わせており、、
それはファーストリテイリング社による本気の血と汗の結晶であることは
大いに賛辞に値するところであり、
手本とすべきスピリッツには、私も共感し尊敬さえしているのですが
ユニクロの服だけでは、日本人は生きていけない、というのも事実です。
かつては比較対照されたしまむらも今は業績を落としているようですし、
FE21やH&M、GAPにアバクロに…そんな世界大手しか選択肢がない、
という世の中になったとしたら、そら恐ろしくもあります。
B級SF映画みたいに、未来はみんな同じ服を着ているのでしょうか。
それはないな…、意外と楽観的に、根拠はありませんがそう思います。
だとすると、フクズミの役割は…
地域のお客さまの選択肢にかなうお店をどのようにして築くのか、
いろんな使命、いろんな役割をもつ、いろんな商品を供給する企業が
共存して文化をつくり、社会を支えること。
競争でなく、共存。そこに真の差別性や存在価値がある。
このあたりのことを理解し実践する企業が残る時代なのかもしれません。
また、守るべき大切なものはあるにしても、
これまでの自分に固執しすぎないで、
時流に適合して新しい自分を発見していく勇気と情熱が必要です。
まずは、何か具体的にやってみるしかないです。
久々に、語ってみました。