TRAD HOUSE FUKIYAのTea Time

トラッドショップ店長の気ままなブログhttp://www.fukiya-aizu.com/

>災い転じて…米カンザスで竜巻から復興、エコ重視の町に

2009年05月12日 07時27分41秒 | 社会
素晴らしい取り組みです・・。

>以下抜粋

>災い転じて…米カンザスで竜巻から復興、エコ重視の町に

太陽光パネルなどを備えた芸術センターを紹介するボブ・ディクソン市長

 「米国で最も環境に優しい町をつくろう」――。2007年に発生した大型の竜巻で壊滅状態となった米カンザス州の町グリーンズバーグが、環境を最重視したまちづくりを進めている。

 がれきの中からの復興だが、オバマ大統領が「悲劇が素晴らしい機会を与えた」と演説で取り上げるほど、その取り組みが注目されている。

 「これが町のシンボルの芸術センターです」

 ボブ・ディクソン市長(55)が自ら案内してくれた。住民の芸術作品を展示したり、講習会を開いたりする施設は昨年5月、65万ドル(6400万円)をかけて完成した。8枚の太陽光パネルと3基の風力発電装置、3基の地熱発電装置があり、施設の需要を満たしてもなお電力が余れば市に供給する。

 近くでは、太陽光パネルのほか、屋上庭園、電動自動車対応のガレージなどを備えたモデルハウスが来月にも完成する予定だ。

 グリーンズバーグ市はもともと人口約1400人の小さな町で、住民は小麦栽培などで生計を立てていた。しかし、07年5月4日に発生した超大型の竜巻が平穏な生活を吹き飛ばした。約900軒あった家屋の95%と市庁舎、病院などが倒壊。11人が死亡した。

 復興計画を練る中、住民から「環境に優しい田舎町をつくれないか」との声が上がり、当時のキャスリーン・セベリウス州知事も「環境面で未来のモデル都市を目指そう」と呼び掛け、専門家も加わって、復興を担う非営利組織(NPO)が創設された。

 07年12月には、新築する公共の建物を米国の環境建築基準でいずれも最高レベルとし、エネルギー消費量をこれまでより40%以上減らすことを義務付ける決議を市議会が採択した。

 もともと保守的な土地柄だけに、反対意見も強かったが、NPOメンバーは「初期投資は10%ほど余計にかかるが、長い目で見れば経費の節約になる」と粘り強く説得した。

 公共施設の復興費用は、連邦政府が75%を支出し、州も一定額を融資するが、趣旨に賛同した俳優のレオナルド・ディカプリオさんが40万ドル(3900万円)を寄付するなど有名人や環境関連企業からの寄付が相次ぎ、計画を後押しした。

 オバマ大統領も2月の施政方針演説で、「クリーンなエネルギーがいかに地域社会を活性化できるかを示す例だ」と町の取り組みを称賛した。

 連邦の低利融資を受け、3月に自宅の再建を果たした溶接工スコット・エラーさん(54)は「環境なんて最初は興味がなかったけど、一人一人が地球を守る意義を教えてもらったよ」と話す。住宅はこれまでに300棟が完成し、人口は900人にまで戻った。うち100人は環境対策に共感した新住民だという。ディクソン市長は「ゼロから出発できるのは我々の強みでもある。この町の成功が世界に希望を与える」と語った。(グリーンズバーグで 飯田達人、写真も)

(2009年5月11日00時28分 読売新聞)