バスケ青春の詩

平成25年12月22日をもって33年9か月ほど勤務した仕事を定年退職をしました。これを機会にまた想いを綴ります。

自分が勝ちたい?…2014

2014-01-26 07:51:23 | やっぱりミニバス!
平成26年1月26日 日曜日
 
「自分が勝ちたい?…2014」


今日は、指導者が陥りやすい思いと、そうであってはならないということ…について書きたいと思います。

これも日本体育協会が発行した...『公認スポーツ指導者 養成テキスト』 から抜粋し、私自身の思いを加えて編集したものです。


『日本の競技者育成は、学校教育の一環として行われて来ました。

現在は地域社会密着のクラブによる活動も浸透してきているようですが、

“スポーツによる人間育成”という視点に立った、共通した理念は確立されていません。


さて学校教育による部活動で、そこの指導者が陥りやすい思いは、

教育という視点ではなく、学校の名前をいかに世の中に知らしめるか…

担当する競技によって、それを強くし、全国に名をはせることで、

学校の名前と、指導者としての権威を高めることを目的としている…

そのような思いにある人が生徒や学生を指導という名の元で強引に方向づけていること


例えば、全国から有望といわれる子供達を集め、また子供達自身もそこに入ることを望み、強豪チームでありつづけている学校が多くあります。

そこの指導者が、「今年の新入部員はスゴイのが入ってきたので、全国大会の優勝が狙えるぞ!」と言っています。

確かに、能力の高い素質のある競技者が入部してくれるのは、指導者やOBや学校関係者には嬉しいことでしょう。

ただその指導者の言葉には、その新入部員を育てようという気持ちがみえないのです。

その新入部員が培ってきた素質という能力に期待しているのです。

その新入部員を育てたのは、入部前の環境です。

ですから、この指導者は「自分が勝ちたいから、能力の高い競技者が欲しい」と言っているのです。

これだと競技者を育成することよりも、指導者本人の勝利至上主義が優先されて、競技者はその目的を達成するための“駒”でしかないのです。

言い過ぎかもしれませんが、それも事実としてあると思うのです。

入部前の個人の能力という“財産”でプレーさせる…

指導者が考える戦術だけをやればいい、

競技者自身の創造性など関係ない、と言っているのです。

だから競技者の能力を、さらに育てる…次を見据えて育成するという一貫指導の理念がないのです。』


指導者は競技者と対面し、それぞれの競技者が…

・どのような可能性を秘めているのか?
・今は何を指導するべきか?
・いつごろがピークか?
・世界レベルか、日本レベルなど、どのレベルで活躍できるか?

これらのことを、競技者ごとに正しく把握しながら、修正しながら育成指導することが指導者の重要な務めになると思います。

入部前の環境から、それを引き継いで競技者を育成し、

次代に受け渡すという、一貫指導の理念を、指導者は共有しなければならないと思うのです。

そうすれば、競技者自身がバーンアウトすることなく、

競技者自身の夢を叶えることが出来る、指導というサポートが可能になるのでしょう。