平成26年 1月22日 水曜日
「“気づき”と“積極的傾聴”...2014」
以下は、日本体育協会が発行した...『公認スポーツ指導者 養成テキスト』 から抜粋し、私自身の思いを加えて編集したものです。
『人は頭の中で、言語スピードの何倍ものスピードで考えを巡らせていると言われている。
そのため、思考内容自体を認識できていないことや、考えがまとまりにくいことが多々ある。
ところが、質問されたり、自ら多くを語る機会を与えられることで考えが整理されたり、“気づき”が起こることがよくある。
いわゆる、会話の途中での“ヒラメキ”というやつである。
それは、質問に対して思いつくままに話しをすることによって、頭の中の自分の考えが言語スピードに落とされ、自分の言葉を自ら聴く...“オートクライン”が起きることによる。
“オートクライン”...とは、
「自己分泌」といい、自分の言葉を自分で聴いている状態を称する。
会話の中で、自分の考えをまとめ、話すことにより、自発的行動が促される。
それを自分で聴くことで自分自身の考えを認識する。
そのことを細胞の動きになぞらえた表現。
“オートクライン”により、自分の考えを意図的に整理し、“気づき”が起こると、人は自発的に行動し始める。
自発的な行動が、潜在能力を発揮させ、目標の達成を可能にする。
これがコーチングの基本的な理論である。』
さて、この理論を実践する上で大切なことは、コーチとして『積極的傾聴』があります。
これは...相手の気持ちに共感し、否定せずに受け入れようと努力することです。
指導者が言いたいことを相手に伝えるためには、
まず先にプレーヤーが何を考えているかを把握し、
そのために指導者が、プレーヤーの理解できる言葉で問い掛ける、
そして指導者とプレーヤーが会話をし、
プレーヤー自身が“気づき”を認識することで、
プレーヤーの指導者に対する安心感が生まれ、
お互いの信頼関係が構築されるということを自覚し、
指導者がプレーヤーの話しを聴くときには、
そのプレーヤーに対する態度、姿勢をスキルとして身につけておくことが、大切になってきます。
指導者は、自分の想いを実現するためにスポーツを指導するのではなく…プレーヤー自身が求めるところに向かい、
それを達成するための支援をする者だと思います。