今年はパネットーネ研究がとってもできた年でした。
というのも、ジャンドゥーヤパネットーネを食べ終わった頃、イタリアのお友達が、
「ミラノ近郊の歴史あるお菓子屋さんのパネットーネを送りますね」
と言って送って下さったものが届いたのです。
(発送は年明け早々くらいで、到着はその10日後くらい)
(Aさん、ありがとうございました!)
届いたものは、こちら。
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大小ふたつあって、大きい方がパネットーネクラシコ、小さい方はパネットーネではないですが、やはり発酵生地のお菓子です。 今回は、この小さい方についてご紹介します。
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お店は、Pasticceria Besuschio (読み方は、パスティッチェリア・ベススキオでいいのかな?)。 1845年創業の由緒あるお菓子屋さん。 ミラノの西、車で1時間弱のところにあるAbbiategrassoという町にあるお店です。 今は5代目のお父さんと6代目の若いイケメンパティシエさんでやっているそうです。
日本でこの年代は、江戸時代の弘化2年頃で、12代将軍徳川家慶(いえよし)の時代です。 (8年後の1853年がペリー来航の年。で、国中てんやわんやのときにこの将軍は急死しちゃってます) 弘化年間創業の老舗、このサイトにあるだけでもいくつかあるようですが、創業時とは業種・業態など変わっている場合が多い模様。
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中には、補強用の木の輪っかで囲われたお菓子が。 Crakele(クラックル?)という名前のもののようです。
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木の輪っかは、お菓子とピッタリという訳でもなく、割とカパカパでした。 (日本ならプチプチを入れそうなところですね)
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さてさて、袋から取り出してみました。 表面は、ゴツゴツしたコーティングがしてあります。 固めのクッキー?メレンゲ?生地で、ヘーゼルナッツがごろごろ。
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断面! つややかな生地で、とっても大きな気泡です。 おいしそう~。 この大きな気泡から分かるように、しっかりした弾力があります。
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材料をみてみましょう。 タイプ0小麦粉、バター、マロングラッセ、卵黄、レモンピール(レモン、グルコースシロップ)、砂糖、牛乳、母酵母、destrosio(?)、粉乳、バニラ、ひまわり蜂蜜、バニラ、トンカ豆 GHIACCIA(表皮部分?) 砂糖、ヘーゼルナッツ、卵白、ジャガイモ澱粉、トウモロコシでんぷん、カカオ、ヘーゼルナッツパウダー(砂糖、ヘーゼルナッツ)
材料をふまえてよく味わってみると、なるほど、生地部分はしっとりしつつコシもあり(パン用粉のタイプ0だから?)、シュー生地の内側みたい。(今年買ったほかのパネットーネは薄力粉相当のタイプ00使用で、ほわほわのケーキ風のものが多かったです) 生地自体の甘さはしっかりあり、時折マロングラッセの甘くほっこりした食感にあたります。 風味としてはレモンピールのほろ苦さがじんわり余韻に残ります。 (トンカ豆の風味は、自分がこれまでトンカ豆を食べたことがないためよく分かりませんでした。)
表面はヘーゼルナッツののったゴツゴツしたメレンゲ風生地。 甘さは強めですが、ヘーゼルナッツが香ばしいです。
とっても複雑な構造で、例えばマロングラッセとレモンの組み合わせというのも自分ではまず考えつきませんが、美味しい~~~☆
小さ目のサイズなので、さっさと食べ終わらないようにセーブするのが大変でした。
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パネットーネという名前はついていませんが、こういう発酵生地のお菓子、この時期いろいろなお菓子屋さんで作られているのかもしれません。
冬のイタリア、美味しいものが沢山ありそうです。
パネトーネシリーズ、気に入って頂けてよかったです。
もうひとつ、パネトーネクラシコが最後のものになります。
急にあったかくなって花粉も飛んで、またパネトーネが食べたくて、来冬が待ち遠しいです。
(復活祭のコロンバ、買っちゃう??)