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採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ショクダイオオコンニャク

2012-06-04 | +その他
ショクダイオオコンニャク

ラディッキオ(紫チコリ)?


でももっと、巨大なシロモノです。
ニュースでご存知の方もいるかもしれませんが・・・・


ショクダイオオコンニャク

「ショクダイオオコンニャク」という植物を見に行ってきました。
母と一緒に那須に向かう途中に、「国立科学博物館筑波実験植物園」があるので、 
折角なので見に行ってみることに。 

ショクダイオオコンニャク

ショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻)は、スマトラオオコンニャクともいいます。
数年(十数年)に一度、燭台に立つロウソクのような形の花を咲かせます。
サトイモ目サトイモ科コンニャク属の植物です、花序としては世界最大ですが、一方で世界最小の顕花植物のミジンコウキクサ(数ミリサイズ)も、同じサトイモ目。

ミジンコウキクサってこの看板で初めて知りましたが割と有名な、ネット販売までされている水草のようです。
メダカや金魚を飼っているひとがエサ用に買ったりするようです。
この看板によると、タイやミャンマーでは(人間が)食用にしているとか。
(料理法とか、もっと突っ込んで書いて欲しい!) 

 

ショクダイオオコンニャク

温室の外側に植え付けたコンニャク芋の重量見本が置いてありました。
直径51cm、厚さ30cm重さなんと、34kgだそうです。

1992 東京大学小石川植物園で播種
2006 国立科学博物館筑波実験植物園に苗を移して栽培開始。生育・休眠を繰り返す。
2012.3.16 同園にて34kgのコンニャク芋を定植

という流れ。種まきから開花まで、なんと20年!

ショクダイオオコンニャク

我々が行ったのは5/25の朝9:30頃。
植物園の特設ブログで毎日実況中継されていましたが、あとちょっとで咲きそうという時期でした。

ショクダイオオコンニャク

人気がほとんどない温室の片隅に・・・・

どひゃー。

白菜からエイリアンが突きだしているような・・・。 

ショクダイオオコンニャク

裏に回ってみると、こんな感じ。

この白菜部分は、仏炎苞といい、一枚仕立て。
真ん中から突きだして見えているのは花序付属体で、そのつけ根に雄花群(上)と雌花群(下)があります。
開花すると仏炎苞がハイビスカスのように(中心を窪ませた状態で)開きます。
 大変な悪臭を発するようです。

ショクダイオオコンニャクショクダイオオコンニャク

(参考借り物画像)ショクダイとハイビスカス
いま初めて気づきましたが、燭台って中心に棒が立っているのですね。
なるほどだから燭台大蒟蒻だったのか・・・
 

ショクダイオオコンニャク

花はこのような構造。
(プレスリリースより) 
(我々が行ったあとに、これと同じものの看板が立てられたよう) 

ショクダイオオコンニャク

仏炎苞は意外と綺麗・・・。
世界で一番醜い植物に選ばれたそうですが、それほど醜くはないのでは? 

ショクダイオオコンニャク

んー。
でも花序付属体はカサブタの表面みたいでちょっと気持ち悪いかも。

ショクダイオオコンニャク

ほらほら、フリルのところは綺麗よね?

ショクダイオオコンニャク

ショクダイオオコンニャク、ほぼひとりじめで鑑賞できて、とってもお得でした。

ショクダイオオコンニャク

ちなみに葉っぱはこんな感じ。
(写真は筑波実験植物園の植物図鑑こちらからの借り物です)
こんな木みたいに見えますが、たった一枚の葉っぱなのだそうです。複数の葉っぱに見えるのは、切れ込みが深くなっているため。 

ショクダイオオコンニャク

帰りがけにもパチリ。

咲いたのは、5/25の昼だったそうです。
あと数時間で咲いたのだったわ~。
でも、開花直後は大混雑だったようです。
我々が行った朝は全然人がおらず、むしろこの時に行ってよかったです。 

ショクダイオオコンニャク

開花の様子は、Wikipediaからの借り物写真でご紹介します。

地下には2個芋があり、左が葉、右が花。 
1900-1940年頃の写真だそうです。

こんな植物を初めて見た西洋人は、それはそれは興奮したでしょうね・・。 


さてさて、この花はこの後どうなるかというと・・。


開花
↓ 
別のショクダイオオコンニャクの花粉をつけた甲虫(シデムシなど羽根をもたないものなど)が仏炎苞の窪みの中に落ちてじたばたすることで、体につけてあった花粉を用いて受粉させる。この時点で受粉機能は停止(雌性先熟)。
替わって雄花群の葯から花粉があふれ出して先の甲虫の体にまたふりかかる。
(自家受粉を防ぐ仕組み)
(今回の筑波実験植物園の場合は、他の植物園から花粉をもらいうけ、冷蔵保存しておいて受粉させたそうです)
運の良い甲虫は花粉を体につけたまま逃げ出し、別のショクダイオオコンニャクの匂いに釣られてまた落ちる。

受粉後の花は、仏炎苞がしぼみ、花序付属体が中折れすることで、巾着袋みたいな感じになる。
この巾着の中で、受粉した雌花の子房が膨らみ始める。

全体を支えている花茎はその後も成長し、どんどん太くなり、この袋を高く押し上げていく。

やがて仏炎苞の巾着は腐って落ち、数千個の果実がむきだしになる。
それぞれが直径3cmほどの果実が赤く熟すと、鳥が食べに来る。

種のその後は①へ
芋のその後は②へ


①種のその後
鳥のフンとして種がどこかの地面に落ち、根・芽が出る。

一度に1枚の葉を出し、根元の芋を成長させる。
(寒さか何かの刺激で?)葉を枯らして、芋の状態で休眠する。
(日本で栽培している蒟蒻芋の場合、1年サイクルで成長・休眠するが、
原産地で生育するショクダイオオコンニャクのサイクルの長さは不明)

(芋から葉を出して成長→休眠、を20年ほど繰り返す)

休眠していた芋から花芽が出てくる。 
↓ 
開花(先頭に戻る)


②芋のその後
花茎や果実はいずれ腐って倒れる。

芋から今度は葉が出てくる

しばらく葉が成長し、芋を肥大させる。
その後葉が枯れて休眠する。
(日本の芋のように1年サイクルで冬に休眠するのかどうかは不明。多分違う)

(5,6年間、葉の成長・休眠サイクルを繰り返す)
(芋はどんどん肥大し、最大級では75kgになったという記録もあるそうです)

休眠後の芋から花芽が出てくる

開花
(先頭に戻る)


なお、種で増えるだけでなく、ジャガイモのように栄養生殖もするようです。
親芋のどこかから短い走出枝(ストロン)が出て、その先に小塊茎が出来、それを植えることで増えたりもするとか。



 
■参考情報
(1)国立科学博物館 ショクダイオオコンニャク開花に関するプレスリリース

(2)筑波実験植物園 特設ブログ「コンニャク日記」 
咲いて3日程度で枯れて倒れるという予想でしたが、5/31(開花後6日)時点でまだ立っているとか。
ツボミの時と見た目は近いです。
花序付属体表面は、干したミカンの皮みたいな色に変わってきています。

(3)筑波実験植物園 植物図鑑 ショクダイオオコンニャク 
葉っぱや茎の写真があります。 

(4)Wikipedia ショクダイオオコンニャク
寒めの場所(植物園)での歴代の開花場所リストがあります。
熱帯エリアの植物園ではもっとしょっちゅう咲いていると思われます。
ダンナサマは2011年にインドネシアのボゴール植物園で見たそうです。

(5)ショクダイオオコンニャクの生活史詳説(ブログ)
筑波実験植物園もこれくらい解説してほしかったなあ・・。 

コメント (6)
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