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ベトナムで、洪水被害:北部ハノイ、ホアビン市からの現地報告

2008-11-06 | ハノイ


ホアビン市ルンソン町からの現地報告です。

[35年ぶりの自然災害]
 今回の集中豪雨による洪水は35年ぶりの大きな自然災害で、ベトナム全土すべてが集中豪雨に襲われました。
 とくに北部の集中豪雨はすさまじく、隣の人の話声が聞きとりにくくなるようなものすごい降りで、しかも10月30日から11月4日まで断続的に降り続きました。 ハノイ市では最高雨量420mlを記録しました。
 ここホアビン市ルンソン町にある友人宅でも、そばを流れる川の氾濫による床上浸水に備え、家財道具一切を高所に積み上げ、そのときに備えました。
 全国では現在のところ79人の犠牲者が出ており、そのうち22人が、ハノイ市の生徒たちなど、子供たちが犠牲となりました。
 その多くは、排水を早めるために人為的に開けたマンホールや排水溝に落ちて命を落としたケースとのことで、天災でなく、人災だとの批判の声が聞かれます。「二人っ子政策」が実施されつつあるベトナムで子供をなくした家族への同情が広まっています。


[食糧不足におちいったハノイ]
 今回の集中豪雨による洪水で、農村部からの野菜や食肉などの生鮮食料の「物流」が途絶え、2日ほどハノイでは食糧不足におちいり、物価が一挙に10倍にもあがりました。
 たとえば、ベトナムでもっとも安い野菜、空心菜が普段は一束3000ドンから4000ドンで買えるものがなんと4万ドンにも上がりました。
 急遽、友人と一緒に車に野菜や豆腐を積み込み、ハノイに住む友人の親戚に「救助」に向かいました。
 途中のハドン市(最近ハノイ市に組み込まれた)では行き場のなくなった泥水が50~60cmも溜まり、バイクが通行できなくなり、これを運ぶトラックが何台も出て荒稼ぎ(4万500ドン=バイク2万5千ドン、人が2万ドン)をしていたり、また養殖池から逃げ出した魚を捕って国道6号線沿いで売る農民など、洪水禍に乗じてたくましく生きるベトナムの人々の姿も見られました。


[ハノイの惨状]
 ハノイの洪水禍は、目も当てられないような状況でした。友人の親戚に向かう道のほとんどが水浸しで、迂回、迂回を繰り返し、ようやくたどり着きました。家という家はすべてが水浸し。無残に濡れた寝具類が、道路の真ん中の安全地帯の鉄柵に放り投げるようにかけてありました。
 新聞によると、新しく建設された国会も、腰くらいまである泥水の中に浮かんでいるように見えました。
 とにかくハノイは、街中にあったたくさんの湖沼を埋め立てして作られた都市で、排水施設の不備が従来から指摘されておりましたが、これほどまでにその問題点を露呈したことはなかったのではないかと思います。
 ベトナムの党と政府は、尊い多くの人命を犠牲にした今回の洪水禍をどう受け止め、どう解決していくのか、大いに注目しなければならないと思いました。

 まとまりませんが、ベトナムの洪水禍についてご報告させていただきました。

                    ホアビン市ルンソン町にて


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