ベトナム北部、首都ハノイから南に 100kmほど離れたところにあるニンビン省のチャットビン中学校の奨学生たちから届いた“年賀状”(FUJI教育基金会員の藤村さんが出した年賀状への返信)です。
ベトナムの学校制度は5・4・3年制を採っています。ただし、日本と違って、小学1年から高校3年まで一貫して、1年生、2年生、…、12年生と呼称されます。カッコ内に日本式呼称を併記しました。
13-PHAM THANH HUNG(ファム・タン・フン)男子 8年生(日本の中2に当たる)
2011年2月20日 チャットビンにて。
(中略)
いただいた年賀状で、ベトナムと日本のお正月の違いが分かりました。この違いは、国の風俗や習慣の違いからくるものですね。
私は、ベトナムの発展のため、病気を治す医者、もしくは高層ビルディングの設計士になる夢を持っています。皆さんからの奨学金は、私たちが夢をめざす力となり、私たちの勉強の費用の一部を支援してくれました。
私たちの田舎は、環境はたいへん良いと思いますが、大部分の人々は農家で、経済面ではまだ厳しいところがたくさんあります。そのため一部の生徒は、勉強がよくできても、貧しいために学校をやめなければなりません。ですからFUJI奨学基金は、貧困世帯の生徒にとって、たいへん大きな助けなのです。彼らに夢を与えてくれるのです。
最後になりますが、チャットビンの貧困世帯の生徒が、よりよく勉強できるために、これからも支援を続けていただきたいです。またそのために基金がもっと発展してほしいです。
皆さんが、いつまでも貧困の中で頑張っている学生たちの友人でいてくださることを願っています。
14-NGUYEN VAN BIEN(グエン・ヴァン・ビエン) 男子 8年生(日本の中2に当たる)
2011年2月22日 チャットビンにて。
親愛なるFUJI教育基金の皆様。まずは、新年おめでとうございます。皆様とご家族のご健康とご多幸をお祈りいたします。
私たちはベトナムで大変楽しいお正月を迎えました。日本のお正月はいかがでしたか。ベトナムのお正月とは違うのでしょうね。
いただいた年賀状で、あの山の象のこと*)を初めて知りました。年賀状をいただき、とても嬉しいです。そして皆さんにお手紙を書けることは、もっとうれしいです。
皆さんとお会いしたのは、数ヶ月前の、一日一緒に旅行したときです。本当に短い時間でしたが、とても親しみを感じました。その日の昼食のときに、二人の方が話してくれたことをよく覚えています。
「日本の中学校は、午前は思考力を必要とする科目、午後は一般の科目を勉強し、学校には、実験室や体育館などがある」ということでした。 私も、できれば設備が整っている学校で勉強したいです。私の田舎はまだ貧しく、そのような学校の建設は、とても難しいと思います。
しかし学校と地元は、チャットビンの子供たちのため、がんばりました。現在の学校は、6年前と比べて大きく変わり、きれいになりました。
私の家族の生活は、まだ厳しいです。米の収穫時期は、家族の手伝いのために、学校を休まなければなりません。FUJI教育基金の奨学金のおかげで、私の勉学への家族の負担が少し減りました。また親は、子供の勉強の大切さを理解して、勉強に投資してくれています。
とくにFUJI教育基金は、私に自分の将来を目指すという自信を持たせてくれました。そして私は、いま、お医者さんになる夢を持っています。
皆さんからの奨学金に本当に感謝申し上げます。私たちの田舎のような貧しい地域の学生が頑張って勉強できるよう、FUJI教育基金がいっそう発展してほしいです。最後に皆さんが、いつもお元気でお幸せでありますように。
*) ベトナム中部高原・ヨックドン国立公園の近くにあるドン村で行われた「BUON DON(ブオンドン)地区の民族伝統文化祭」での象まつりと、野生象の保護活動をしている新村さんについて、藤村さんの年賀状に書いてありました。藤村さんは、2008年3月に象まつりを見学しました。http://blog.goo.ne.jp/fuji-qhb/c/f93e1356d9c9f5d303b223677a638366/2 、http://blog.goo.ne.jp/fuji-qhb/e/ceb1a892297aa97f123aba70a9356cb7 、http://blog.goo.ne.jp/fuji-qhb/s/%BF%B7%C2%BC をご覧ください。
(つづく)
ベトナム北部、チャットビン中学校・奨学生からの手紙(1)に戻る。