ブログよりも遠い場所

サブカルとサッカーの話題っぽい

【ラノベ】ハンドレッド-ヴァリアント覚醒-

2012-11-23 | ライトノベル
ハンドレッド-ヴァリアント覚醒- (GA文庫) ハンドレッド-ヴァリアント覚醒- (GA文庫)
価格:¥ 651(税込)
発売日:2012-11-15

 読了。

 巷で「『IS』分校」なんて揶揄されていることに興味をひかれた作品です。同様に似たタイプの話と言われていたMF文庫Jの『学戦都市アスタリスク』が気に入ったので、ひょっとしたらコレも面白いんじゃないかと思い買ってみました。
 ――が、結論から言うと大ハズレ面白いどころか、読んでいて非常に退屈で、言葉を選ばずに言うと「パクリは所詮パクリだな」という感じでした
 つーか僕、それなりにGA文庫のラノベは読んでいるんですけど、面白いと思った作品がひとつもないんですよね。これってたまたまつまらないラノベに当たっているわけではないと思うというか、レーベルカラーとか編集さんの傾向みたいなものがとことん合わないんだろうなと感じます。
 以下雑感。

・何を置いてもまず言うべきは、キャラクターの魅力が皆無ということ。1巻を通して読んでも主人公のハヤトはどういう性格なのかピンとこないのが終わってるし、ヒロインのエミリアはワガママで思慮が浅い部分ばかりが強調されてちっとも可愛いと思えない。メインキャラがこの始末ということからわかるように脇を固めるキャラも大概で、生徒会長とそのお付きはストーリーを展開させる装置にしかなっていないし、チャラ男とその幼馴染みのツンデレ女に至っては「こういうやつも存在しますよ」ということを示す程度の出番しか与えられず。おそらく2巻以降のための布石を打っているんだと思いますが、上手い作家さんなら出番が少なくてもキャラを立たせて読者に多少なり印象を植え付けますよねえ。

・つーか、全体的にキャラクター像がボヤけているんだよなー。主人公のハヤトが良い例なんですけど、「何に対して憤りを感じるか」みたいな分かりやすい感情の振れ幅が作中で示されていないんですよね。そのせいでいまいちキャラクターが掴めず、同時に作品世界における一般的なモノの考え方もわかりにくくなっているため、物語が〝なんとなく〟展開するのを眺めるだけになってしまいます。そういう意味で、エミリアだけは唯一「権力にモノを言わせるやつが許せない」という価値基準は示されているんですが、それがキャラの魅力に繋がっておらず、単なるワガママお嬢に見えてしまうというのが困りもの。つまり、大部分のキャラクターを掘り下げられていないということと、数少ない掘り下げられたキャラクターを魅力的に書くことに失敗しているということの二点においてキャラクター描写の拙さが目につく内容で、これはラノベとしては致命的な欠陥だと言うことができます。

・で、こうしたキャラクター描写のマズさがそのままプロットのマズさにも表れてしまっているのが切ないというか、むべなるかなというか。まー、エミリアの女バレの書き方の適当さを見ただけでも、この作品がまったく頭を使わずに作られているというのはよくわかると思うので、これ以上は言及しなくてもいいですよね(ノ∀`)最後のアンノウンとの戦闘といい、そのあとのラブコメ展開といい、あまりにチープすぎて目を覆いたくなりました。なんか、固有名詞を考えることばかりに躍起になって、肝心の中身がスッカスカな印象です。

・誤解を恐れずに言うと、『ハンドレッド』って導入100ページくらいまではワリとマシな内容だったんですよね。ところどころ文章がおかしいところがあったり、擬音をそのまま地の文に書いてしまってたりと、ショボいところは多々あるんですが、物語自体は「この先どうなるんだろう」という期待感を持たせる作りになっていました。ところが、そこから先はページが後のほうになればなるほど文章は荒くなるし、物語の展開も雑になるしで、まー酷いもんです。途中で作者さんのエナジー(笑)が切れちゃったのかなあと思ってしまうような右肩下がりでした。

 つーわけで、マジでつまらなかったですということで一つ。
 もちろん続きはスルーしますとも。ええ。