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【ラノベ】お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ

2012-11-21 | ライトノベル
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ (MF文庫J) お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ (MF文庫J)
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 四冊まとめて読了。

 んー、一言でいうと、良い意味でも悪い意味でも、ひっじょーに「MF文庫Jっぽいラノベ」でした。僕は楽しめているので、趣味嗜好が似ている方は良い意味のほうで受け取って頂いて構いません。
 ちなみに、ここで言う「MF文庫Jっぽい」というのは、『はがない』などに見られるような「キャラクター同士の日常会話中心で進む、あたかも漫画のようなラノベ」という傾向を指します。
 ここだけの話、僕は〝小説〟と〝漫画〟の中間に位置するものとして〝ライトノベル〟というものがあると思っていて、そうするとライトノベルの範囲ってすごく広くなるんですが、作品ごとに「どちら寄りか」という判断基準はアリだとも思ってるんですよね。
 んで、MF文庫Jは漫画寄りの作品が多いような印象を抱いていて、今作『おにあい』は間違いなくそっち側の作品です。アニメを見ていてキャラクターの性格などが頭に入っていたこともあって、一冊あたり30分ほどで読んでしまいました。まさに「漫画のような」読み方をしてしまったわけです。
 あ、こんなことを書くと誤解されそうですが、僕はべつに、だからダメだとか読み物としてチープだとか言いたいわけではなくて、上にも書いたように『おにあい』はすげー楽しいです。
 ただ、一冊30分で読めてしまうものは〝小説〟ではないよなあ……とか、四冊2400円が二時間で読み終わっちゃうのって色んな意味でかなりコスパ悪いよなあ……とか思ってしまう部分はあるってことで。ハイ(^q^)
 以下雑感。

・原作ラノベも面白いけど、原作ラノベを読むとアニメの出来の良さが際立っていることが理解できるのはスゴイ(アニメのスタッフさんが)。極力不必要な要素を削り、内容を再構成して視聴者の興味を1話からがっちり掴むのはウマイよなあ。ぶっちゃけ、原作の時系列どおりにアニメを作ったら、ファンはもっと減っていたと思います。ヒロインの集合のさせかたとか、ややシリアスな要素(姫小路兄妹の血縁関係他)を徹底的に排除したりとか、作品の長所を伸ばす手法としては見事ですね。あとは最後を綺麗にまとめてくれたら言うことなしです。

・つーわけでアニメの話はこのへんにして原作の話に戻りますが、会長だけアニメより原作のほうが可愛らしく感じました。逆にいうと、他のキャラは皆アニメのほうが可愛いんですけど(動画と音声の効果は絶大すぎる)、会長に関してはその補正が効きにくいのかな? あ、キタエリをdisってるわけじゃないですよ!←

・個人的に気になった点は二つ。一つ目は、原作は秋人の一人称で語られるので、より主人公の内心に迫る内容になっているんですけど、ぶっちゃけそれ(内心で考えていること)があまり面白くないということ。つーか、秋人はいわゆるツッコミ系で、そういう意味じゃアナや会長とのやり取りのほうで笑いを取らないといけないんだろうけど、秋子や銀とのやり取りのほうが面白いっつーのが、この作品の内情をよく表していると思います。

・二つ目は、ところどころ展開に首を傾げてしまう箇所があるということ。具体的には、4巻の秋人の看病回がわかりやすいですが、風邪でダウンする前のやり取りと風邪でダウンしたあとのやり取りが別の世界線の出来事みたいに感じました。あれはつまり、「秋人はすでに限界だと訴えかけていたにも関わらず、ヒロインたちは真剣に取り合わなかった。結果、秋人は体調を崩してしまうことになるが、ヒロインたちは秋人を心配する気持ちに加え、秋人の訴えに向き合わなかった負い目も感じていたので、よりいっそう強く責任を感じた」ということなんでしょうけど、あのヒロインたちなら秋人が最初に「管理人の仕事限界」って言ったときに取り合ってくれそうなんですよね。なのに、まったく取り合わず、「私たちも色々忙しいんだからあなたもそれくらいやりなさい」みたいに言うヒロインたちには違和感を覚えました。アレは展開のためにキャラの性格がねじ曲げられてるんじゃないかなあ。

・逆に言うと、結果的に倒れたことで秋人の訴えが正当だったということになってますが、秋人があんなふうに弱音を吐くようなキャラだというのも意外でした。つーか、学業などを怠けがちな人物として描かれてることもあって、弱音を吐くという行為との相性が悪いというか。1巻から散々描かれた人物像とは大きくかけ離れるものだと思うんだけどなー。4巻の秋人ダウンエピソードは、そのあとの管理人を迎える展開にも繋がるので重要なのはわかるんですが、それゆえに「キャラらしからぬ行動」を取らせてしまったようにも思えて少し残念でした。

 つーわけで、続きも買いつつ読んでいきたいと思いますということで一つ。