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ブログよりも遠い場所

サブカルとサッカーの話題っぽい

【漫画】Aチャンネル 4

2013-03-24 | 漫画
Aチャンネル (4) (まんがタイムKRコミックス) Aチャンネル (4) (まんがタイムKRコミックス)
価格:¥ 860(税込)
発売日:2013-02-27

 すげー面白かったです。この作品、たぶん、今が一番脂がのってる時期なんだと思います。

 誤解を恐れずに言うと、この『Aチャンネル』って最初からずっと面白いことは面白かったんですが、ところどころ〝やりすぎ〟に思える描写があるせいで、イマイチしっくりこないエピソードも多かったんですよね
 わかりやすい例としては、トオルがるんちゃんに悪い虫がつかないよう、バットを振り回して男連中を追い回すとか、ああいうのはギャグの一形態だと理解したうえでなお「引く」要素のひとつでした
 それは作者の黒田bbさんも理解しているのか、巻を重ねるごとにトオルのいきすぎた振る舞いは徐々に影を潜めていたんですが、4巻ではついにそうした描写が一切なくなるという、ある意味では革命が起きたような状況になっております。



 左のエピソードに顕著に表れていますけど、トオルのるんちゃんへの好意を「引く」描写から「微笑ましい」描写へと変質させているので、ぶっちゃけ4巻のトオルはえれぇ可愛らしいキャラになっているなーと感じました
 これまでは一度もトオルを良いと感じなかった僕がこんなふうに思うくらいですから、元々トオルを好きだった読者にとっても好ましい変化なのではないでしょうか。
 他にも右のエピソードみたいに、これまでにない形でのキャラクターの掘り下げが行われた結果、トオルがすごく魅力的になっていると思いました。
 まあ、ぶっちゃけコレって、「高校生になってるんちゃん以外の親しい友人ができたトオルが成長している」ということでしかないのかもしれないんですけど(トオルが成長しているというのは以前から示唆されているので)、僕としては、そういった作品の都合を超えたところにあるキャラクター描写の妙を感じた、ということです。
 ここまでくるとさすがに邪推の域ですが、今回から編集さんが変わったのが良い方向に影響しているんじゃないかなあと思ったりも。少なくとも僕は、3巻までに比べるとひとつひとつのネタから感じる〝トゲ〟が少なくなったと感じたので、それがもし新しい編集さんのバランス感覚によるものであるなら大歓迎したいですけどね。

 ちなみに、上では主にトオルの変化に触れましたが、同様の良い意味での変化は他のキャラにも起こっているというのを、4巻の感想のまとめにしたいと思います。

・るんちゃん
「どこか狂気すら感じさせる天然ぶりを発揮していた」→「微笑ましい天然キャラに」

・ナギ
「作中における唯一のバランサー」→「ここはあまり変化してない」

・ユー子
「生真面目すぎてトオルとは別の意味で浮くキャラ」→「こちらも表現が軟らかくなり好感触」

・トオルの友達
「行きすぎたトオル依存でお互いを蔑ろにしすぎ」→「キチンとお互いのことも尊重している」

・ケイ
「シスコンが極まりすぎてイマイチ」→「シスコンなのは変わらないがやはり微笑ましさを感じる」


 うーん、全体的に表現が柔らかくなったのは間違いないと思うんだけどなー。
 できれば5巻以降もこの路線を突き詰めていって頂きたいですねということで一つ。


【漫画】ひょういドン! 1

2013-03-22 | 漫画
ひょうい☆ドン! 1 (チャンピオンREDコミックス) ひょうい☆ドン! 1 (チャンピオンREDコミックス)
価格:¥ 580(税込)
発売日:2013-03-19

 アレな漫画家として二次裏で大人気のたかやKiさんによる新作コミックを購入。
 多分に漏れず、僕もたかやKiさんの作品は好きだったので、Amazonのお薦めに従って読んでみたわけですがー。
 大外れとまではいかないまでもかなりイマイチな出来でションボリ(´・ω・`)

 んー、絵と話の筋はそこまで悪くないと思うんですけど、ぶっちゃけ「かつて退魔師だった主人公の祖父の霊が、主人公の身体に憑依して妖怪退治をする」という作品の根幹に関わる要素の選択を間違えた感があります
 なんつーか、出来の悪い『ToLOVEる』を読んでいる感じなんですよね。
 周知のごとく、『ToLOVEる』は作者の矢吹先生、長谷川先生の両名が「ラッキースケベの恩恵を受けるのは主人公だけでなくてはならない」という鉄則を完遂している作品です。たまに校長がエロいことしようとしてますけど、基本的に主人公のリトだけがパンツやその中身を見たり、胸や尻に触ったりしているわけです。
 ところが、『ひょういドン!』では、そうではないんですよね。主人公の千尋自身もラッキースケベなトラブルを起こすんですけど、それ以上に主人公に憑依した状態の祖父がヒロインたちにガチで犯罪じみたセクハラをしまくります。これがもう不愉快で不愉快でしょうがない
 や、妖怪に襲われて昏倒したヒロインにイタズラしようとするとか、幼なじみの胸を揉みまくるとか、処女独占厨どうこう以前に普通にイヤじゃないですかコレ。しかも序盤は、そうした祖父の行動のせいで主人公が犯罪者扱いされたりもしますし、身も蓋もない話「エロさえあればいいだろ」みたいな投げやりな感じがして良い気分はしません。
 ヒロインがエロい目に遭うっていうのは、大きな売りになる反面、非常にデリケートなさじ加減が必要になる要素です。
 上記した『ToLOVEる』なんかは、ただ単にエロいからウケているわけではなく、そうしたさじ加減をしっかりと調整しているからこそ支持を受けているんですが、この作品を読む限り「エロさえあれば」と考えている作家さん、編集さんはまだまだ少なくないみたいですねということで一つ。

 まー、最初はガッツリセクハラしていた祖父が、1巻の終盤になると覗き程度に留めるようになったあたり、わりと読者からの不満の声は挙がっていたかもしれないなと。それでもセクハラは止めようとしないので、やっぱ作品の構造に欠陥があるんでしょうけどね\(^o^)/
 こういう筋にするなら、いっそのこと祖父ではなくて祖母(ロリババア)にするとか、憑依されてもラッキースケベ体質が強化されるだけで身体自体は主人公が動かすようにするとか、色々と印象を柔らかくする術はあったと思うんだけどなあ。
 うーん、残念。


【漫画】まおゆう 魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」 第六巻

2013-03-19 | 漫画
まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る! 」 (6) (カドカワコミックス・エース) まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る! 」 (6) (カドカワコミックス・エース)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2013-02-23

 アニメ放映中は、あまり間隔を開けずに! ……の第6巻。
 アニメの販促効果を考えれば、こういう発売の仕方をするのが理想的だよなあ(遅筆のラノベ作家さんを思い浮かべながら)。

 それはさておき、クライマックスに向けて動き始めた『まおゆう』の最新巻は、息つく暇もない、緊迫感のある展開の連続で面白かったです。
 魔法使いにより人間界と魔界の関係が明らかにされたり、地上ではついに戦争が始まってしまったり、まおー様は歴代魔王様に取り込まれてしまったり、メイド長の腕がもげてしまったり。なんだかワリと四面楚歌な感じですけど、それでもどうにかなると思えるのは、単なるご都合主義ではなくて、これまで積み重ねてきたキャラクターたちへの信頼がそう感じさせるんだろうなと。
 や、魔王と勇者を中心にして集った人々が、これまで学んだ知識や、こつこつと積んだ鍛錬の成果を一気に吐き出す展開は、マジでカタルシスまみれといった感じですね。僕は俺TUEE要素と対になるものとして、成長キャラがすごく好きという話を何度もしたことがありますけど、一番最初に魔王のもとで学んだ子弟たちが、それぞれの分野で大活躍しているのを見ているとワクワクしてしまってタマりません。
 コレに関しては、石田あきらさんの作画がまた絶妙というか、「ビジュアル化することによって逆にスケールダウンしてしまう戦闘」というものが珍しくないというのに、見事に戦争シーンを描かれていたのは感心しました。
 ああいうのってショボいのは問題外としても、ヘンに長尺になってしまってもダレるだけなので、密度の濃い数ページにまとめたのは英断だったと思います。構成力高いよなあ。
 そして、こんなふうに脇役たちの役割をしっかりと描写しつつ、最後はキッチリ勇者と魔王のやり取りで締めるあたりもニクイです。
 まあ、女騎士には申し訳ないけど、やっぱ『まおゆう』は魔王と勇者の物語なので、トリはこの二人しかいないよなーという感じで。歴代の魔王に乗っ取られている状態で、勇者と魔王の一番最初のやり取りをオーバーラップさせるという演出も、お約束であるがゆえに強く印象付けられました。

 なんだかベタ褒めですけど、それだけ面白かったということです。
 僕は原作未読ですが、この調子だと次の7巻が最終巻ということになるんでしょうか?
 もうここまできたら心配はいらないと思いますので、続きを楽しみに待ちたいと思いますということで一つ。


【漫画】君は淫らな僕の女王

2013-03-15 | 漫画
君は淫らな僕の女王 (ヤングジャンプコミックス) 君は淫らな僕の女王 (ヤングジャンプコミックス)
価格:¥ 590(税込)
発売日:2013-02-19

 ようやく買えた\(^o^)/

 実はこの漫画、ちょうど一月ほど前の発売直後に本屋で見かけたとき表紙が目に留まったんですが、「ぼくはもう表紙買いで痛い目にあう坊やではないのさ!」と華麗にスルーしていました。
 ところが、あれよあれよという間に話題になり、元々物発行部数も少なかったのかAmazonですら在庫切れ。まさかこのご時世に、読みたい漫画を手に入れるまで一月もかかるとは思いませんでした。……まあ、楽天の通販などで買えたみたいなんですけど、どうせすぐに再版されるだろうと思っていたらこのザマだよ!

 と、非常に読むまでのハードルが高かった作品ですが、期待に違わぬ面白さ(?)に大満足です。
 内容を軽く説明しますと、


>名門私立高校に通う、家柄も容姿も成績も完璧お嬢様・昴。
>彼女を追いかけて何とか同じ学校に入った幼馴染の主人公。
>いつしか遠くなった2人の距離は、ある「おまじない」で急接近して…? 
>奇才・岡本倫と新鋭・横槍メンゴの異色タッグが贈る、自制心崩壊系純愛エロコメ開幕。

(以上、集英社の検索サイトから引用)



 こんな感じでして、これだけ見ると毒にも薬にもならない物語のようですが、実際は頭のネジが何本か外れているようなとち狂った作品になっております(注:褒め言葉)
 いやー、とにもかくにも、ヒロインの昴が変態すぎるんですよ。っつーか頻繁に自慰にふけりすぎ
 正直なところ、ここまで赤裸々に私生(性)活を語られるヒロインというものがそもそも前代未聞ではありますが、下手なエロ漫画やエロゲのヒロインが裸足で逃げ出すオナニー頻度には驚かされます。
 そのへんは本編のほうでも描写されていますけど、巻末の「昴視点のエピソード」を読むとよりいっそう深く理解することができる作りになっていて、

・たとえ学校であっても三時間に一度はオナニーをしないと欲求不満で死にそうになる
・主人公のパンツやハブラシを持ち歩いて口に咥えるのは日常茶飯事
・主人公のゴミ箱から使用済み(婉曲表現)のティッシュを漁ってオカズに
・オナニー時の効果音が「ガッシュ! ガッシュ!」


 などと、列挙すると本気でキチ○イそのものすぎて引きそうになる行為を明かしていました。

 とまあ、ここまで書いておいてアレですが、『君は淫らな僕の女王』は変態性だけがウリの作品ではありません。個人的には物語の筋もワリとよくできていたと思います。
 んー、ぶっちゃけ、こういう「少し気弱な主人公とツンデレ女王気味なヒロイン」という組み合わせだと、不快感ナシで物語を展開させるのが結構難易度高かったりするんですよね。ツンデレ全盛の時期にはよく見られた、最悪の組み合わせだったりしますので。
 ところが、今作ではそのへんの関係性におけるさじ加減が非常に優れているため、自分でも意外なことに読んでいて不愉快に感じる部分がひとつもなかったです
 この作品の場合、ヒロインの理不尽な行為というのがそもそも照れ隠しの延長線でしかないですし、おまじないのせいで自制心がなくなるというのをさっ引いても、すぐに「冷たい優等生の仮面」が剥がれてしまうので可愛らしいんですよね。主人公も最後に男を見せましたし、素直に応援できる良カップルだと思います。
 や、なんていうか、主人公がヘタれそうになるとヒロインが引っ張り、ヒロインが挫けそうになると主人公が手を差しのべる、という理想的な関係がしっかり描かれているのですよ。このへんの書き方がマズイと、どちらか片方が一方的に依存している関係に見えそうですが、全編通して端から見ていても好ましく感じるやり取りが描かれるので、読んでいて思わずニヤニヤしてしまいました。
 そもそも、ヒロインの変態行為に関しても、すべて一途な想いゆえに、というふうに描かれるので、馬鹿馬鹿しいけど微笑ましいという、あたかも元気な子犬に抱くような感想を抱いてしまいます。行為だけ見るとガチで狂ってるんですけどね!
 また、最大の関門として登場するヒロインの父親も、まったく話が通じない堅物というわけではなくて(というか、娘にあんなふうに言われたら受け容れざるを得ないのかもしれないけど)、最後にはキチンと主人公との関係を認めてくれるあたりはニクい演出でした。この父親を悪人にしてしまうのは簡単だけど、読者に悪意を持たれない程度の障害にするのはなかなか難しいんじゃないかなと。

 と、そんな感じで、内容アリ、インパクトアリと、非常によくできた作品でした。
 今さら僕が勧めるまでもないかもしれませんが、機会があったら是非とも手に取ってみてください。


【漫画】ロッテのおもちゃ! 8

2013-03-11 | 漫画
ロッテのおもちゃ! 8 (電撃コミックス) ロッテのおもちゃ! 8 (電撃コミックス)
価格:¥ 599(税込)
発売日:2013-02-27

 クライマックスに向けて大きく物語が動いた一冊!

 ……だったんですが、正直かなりテンションは低めでした/(^o^)\

 や、作品の色そのものは変わっていないと思うんです。
 が、1.そもそも僕はこの手の「作品終盤に向けてのシリアス展開」があまり好きではない2.ここ数冊で掘り下げられている登場人物たちの親子観、性風俗観というものが正直キモチワルイ、という二点がわりとキツイですね。
 1に関しては、物語をまとめるためにはしょうがないという側面があるとはいえ、緩いノリが好きだった作品がシリアス方向に舵取りすると、やはりどうしても興味は薄れてしまいます。
 もっとも、この作品のこれまでの展開を見るに、それほどエグイ展開にはならないだろうな、という予想はつくんですけど、そうであるがゆえ、余計にシリアスが「茶番」じみてしまうのは否めないかなと。だからといってエグイ展開を望んでいるというわけではないというのが、読者のワガママに過ぎないという自覚はあるんですけどねー。どうしようもねーや。
 2に関しては、例えば女王のサキュバスという種族ならではの奔放さというのはこれまでも描かれてきましたし、そうした種族の特性があったからこそナオヤとロッテの関係が生まれたというのもしっかりと描写できているんですが、それでもちょっと受け付けないものがあります。
 これはべつにビッチだからダメとか言ってるわけではなく、どちらかというと気持ち悪いのはアスハの存在なんですよね。うまく言葉で表せないんですが、52話「ずっといっしょ」は読んでいて鳥肌が立つような話だと思いました。
 生理的嫌悪というほど大袈裟なものではないんですけど、単純にあまりにも白々しすぎて目を背けたくなるんだよなあ。その後のロッテがアスハの出自を知ってしまうエピソードなんかも、話の表面をなぞると、いわゆる〝いい話〟にしたいんだろうなというのはわかるんですが、どーもしっくりこないのですよ。
 振り返ってみると8巻は全体的に白々しかったですね。予定調和で収まるべきところに収まるという結論はわかりきっているのに、わざと物事を深刻ぶって見せているように感じてしまうというのは、多分に僕の感性が捻くれているせいだと思うんですが、それにしたって今回は色々と鼻につくところが多かったです(というか巻を重ねるごとに酷くなってる気がする)。

 つーわけで、良い感じに熱も冷めているんですが、ちょうど作品も結末を迎えそうなので良いタイミングだなということで一つ。