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カナダのコールベッドメタン

2006-08-04 | ガス
カナダでは現在3000本以上のコールベッドメタン(CBM)生産井が稼動しています。日本ではあまり馴染みの無いこのガス資源についてOGJの記事を引用します。アルバータ州にあるWest Canada Sedimentary Basinでは500mcfdのCBMが生産されていますが、これはアルバータでの全ガス産出量の3.6%にあたります。そして2010年には1.6bcfd、2015年には2.5bcfdに拡大していくと予想されています。その推定可採埋蔵量は167tcfですから、単純計算で180年分となります。日本に身近なサハリン2の天然ガス埋蔵量は14tcfですから、その10倍はあるということで、アルバータ州の埋蔵量の大きさが理解できます。

アルバータでのCBMはオイルショック後の1970年代に着目されるようになりました。1990年代にアルバータ州政府は、既存のガス関連規制を補完する形でCBM開発に対応する規制を整備してきました。

アルバータ州は昔からその地下資源の開発に関して、生産量に応じたロイヤリティーを州政府が得るような仕組みを構築しています。余談ですが、地下資源が豊富なアルバータ州はこのロイヤリティー収入があるので州政府の財布が暖かいという住民にとってはありがたい状況になっています。

そのため、他の州では5%くらいかかる州税がありません。(但しタバコと燃料には5%の州税がかかります。)ちなみに国の消費税(GST)7%はすべてのものにかかります。同じものを買ってもアルバータでの消費税は7%ですが、隣のブリティッスコロンビアでは12%になります。

商業的規模で始めて生産が開始されたのは2002年で、場所はエドモントンとカルガリーに至るHorseshoe Canyon formationというところです。ここは石炭とCBMが一緒に算出されるという世界でも珍しい資源構造のようです。

アルバータのCBMの特徴はドライコールから算出されることです。そのためガス中に水分を含んでおらず、脱水操作や排水処理の心配をする必要がないという利点があります。

次回に続く

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