化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

ガソリン税の暫定税率

2008-01-28 | 社会
ガソリン税の暫定税率法案をめぐって、国会議員がやかましい。しかし、その論調を聞いているとなんだか空々しくなる。また、したり顔でこのニュースを論じるコメンテーターにも違和感を覚える。

暫定といいながら10年も続くのはおかしくないかい。減税措置が10年間も続けられることがあるのだろうか。暫定はせいぜい長くて衆議院の任期の4年、望ましくは自民党総裁の任期2ねん位ではないか!

さらに暫定の繋ぎで3ヶ月有効の法案を提出するという。むしろこの3ヶ月有効の法案が暫定といえるのではないでしょうか?言葉の定義で遊ぶつもりはないが、庶民感覚からすればこんなもんでしょう。

道路が必要だから暫定税率は必要、いや必要な道路を作っても暫定税率はいらない。これだと国民はいったいどちらを支持していいのか分かりません。

新年会は豪華に会費1万円でやるのがいいか、料理の内容は落とすが会費を5千円にする、どちらがいいかという設問でないと選択はできない。豪華な料理でもやりようで5千円でできる、いやできない、というぎろんでは食べて見なければ結論が出ない、ということになってします。会費1万円はきついので悪くてもいいから5千円に賛成、という選択ができるような提案がほしいものです。

また、野党は与党の提案、採決について強硬だとか、数の論理などとたわけたことを言う。数の論理が悪いのならば、得票数が多いものが当選するという選挙の仕組み自体もおかしい、ということにならないか。

与党の提案には賛成できないものもあるが、小泉改革に賛成した人が多くて今の衆議院での勢力があるのだから、致し方ないと思っている。小泉改革が後戻りするようであれば当然次の選挙で与党の議席数は減るだろう。
野党はヒステリックに叫ぶのではなく、新しい提案、よりよい提案をもっとすべきでしょう。

そもそも暫定税率以上に重要な事項が今は山積みしているはずです。

色素型太陽電池

2008-01-27 | 再生可能E
色素型太陽電池が注目されています。これは、現在主流の半導体タイプと異なり、印刷技術を利用して製造できるため、コスト低減が大きいからです。また、曲げることもできるので、設置場所の制限が少なくなり、利用範囲が広がること、透明なので窓ガラスなど、住宅だけでなく自動車にも利用できます。ただし、いまだ開発段階で発電効率が低い。研究の進展が期待されます。

再生可能エネルギーの中でも太陽光発電は筋のいい技術です。特に風力発電と比較してみるとよく分かります。小型でも大型でも基本的に発電効率は変わりません。コストも大きくは変わりません。小型でも私用できることは、設置できる場所が増えますし、景観に特別に配慮することも要りません。問題はコストだけです。

現在の太陽光発電の実力はどれくらいなのでしょうか?住宅用には3kWタイプが標準のようです。計算を簡単にするために1kWきぼでかんがえます。設置面積は6-10m2程度。戸建て住宅を考えれば邪魔にならない大きさです。

年間の発電量は1,000kwh強、一般家庭の一月の電力消費量が300kwh程度ですから、3-4か月分に相当します。価格は年々下がってはいますが、2005年末で65万円/kWです。電池の寿命を20年、金利4%で計算すると発電単価は45円/kWhです。

電力会社から購入する電気の価格は27円/kWhですから、まだまだ高いといわざるを得ません。現在主流は結晶系シリコンタイプですが、アモルファス(薄膜)タイプでは、製造コストが下がります。ただし、アモルファス系は発電効率も下がってしまうので、発電単価が下がるというところ浜で言っていないようです。ますますの技術開発が必要です。

ところで、アモルファス系のエネルギーペイバック期間は1年、結晶系は2年です。電池の寿命は20年ですから、エネルギーセイブ、つまりCO2抑制の観点からは大きく貢献するといえます。日本は太陽電池製造では世界一ですから、ますますこの分野を強化していくことはよいことです。

ガソリン暫定税率の周辺

2008-01-19 | 社会
ガソリン暫定税率廃止の議論が盛んです。確かに53.8円/Lは高いですね。3年くらい前ガソリンが80円くらいのときがありました。ガソリン本体価格は26.2円ですから、税率なんと67%です。3分の2は税金を払っていたことになります。現在のガソリン価格はざっと150円ですから、税率36%で3分の1が税金、ということです。

逆に考えればガソリンの本体価格は26.2円から96.2円の3.6倍になっています。確かに原油の価格が3倍くらいになったのですから、仕方ないです。でも、原油の価格が上昇すると日本の石油会社の利益が大きくなる、というのはちょっと逆のように思いますが、主題から外れますのでここでは議論しません。

ガソリン税は二重課税になっていて、53.8円の税金にさらに消費税の2.7円がかかります。これもちょっとおかしい、と石油連盟はいつも主張していますが、税金は取れるところから取る、というのが政府の原則のようで一向に改まることはありません。

受益者負担という側面から言えば、自動車が走る道路を作るのにガソリン税が必要というのは理解できます。しかし、道路はインフラの筆頭ですから受益者負担の原則だけではなく、一般財源でも道路を作ることも考えるべきです。ガソリン税の一般財源化は、これと全く逆の議論です。

さてこの暫定割り増し分26.9円は3月で法律切れです。民主党は暫定割り増し分を廃止するのが目標、政府は当然今までどおり暫定割り増しを続けるということです。暫定割り増しを続ける必要があるのは、もっと作らなければならない道路がある、ということです。

2007年石油連盟の資料ではガソリン税収は3.1兆円にも上ります。確かにまだつかなければいけない道路やメンテナンスのための予算は必要ですが、この15年と同じペースで作らなくても良いでしょう。もうだいぶ道路は整備できているように感じます。
更に言えばこれからはガソリン税を自動車が排出するCO2抑制のためにも振り向ける必要があります。

もう一つ全く議論はされてませんが、軽油にも同じような暫定割り増し分があります。現在軽油引取税は32.1円、税収は1兆円を超えています。こちらは地方税ですから、国会の議論にはならないのでしょうが、同じ道路建設のための目的税で、消費者から見れば、ガソリン税も軽油税も同じ自動車にかかわる税金です。

軽油税には用途に応じた免税措置があり、地方によって免税措置が異なるとの理由で結局国税ではなく地方税になったようです。
例えばトラクターに使う軽油には税金はかかりません。確かにトラクターは農場を走るもので、道路を走るためには使いません。同様に道路を走らないもの、船舶、機関車、あるいは製紙のために使用する軽油には税金はかかりません。

さて、軽油引取税は本則では15円ですが、暫定割り増し分の方が高くて17.1円が上乗せされています。同じ道路整備の目的税ですから、ガソリン税と同様に議論されても良いのでは!