化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

インドネシアがOPEC脱退

2008-05-31 | 石油
インドネシアがOPECから脱退するそうです。
石油の輸入国になった国がOPECに加盟しているのはおかしいから、という至極もっともな理由です。確かにそうですが、世の中変わったと感じます。

インドネシアはOPECの中では2億人という多くの人口を抱えています。中国と同じように、人口の多い国が経済発展していくと、資源を浪費することになりますから石油需要の増大が著しいのでしょう。
さらには、スハルト政権崩壊後の政情不安のため、外資系の石油資本が原油開発投資を抑えた結果、原油生産量が近年急速に落ち込んできたという事情もあるようです。

インドネシアといえばSLC(スマトラ軽質原油)に代表されるように、中東系原油に比べて、軽質で低硫黄の良質な原油です。
かつて日本軍の南方作戦といえば、このSLCを確保するための戦争でした。
2006年の統計では日本の原油輸入量の5%程度はインドネシアからです。80年当時はこれが15%もありました。特にオイルショック後、中東原油への依存度を下げるためインドネシア原油の輸入に、石油会社は力を入れたと思います。こぞって、プルタミナ詣でをしたんじゃないでしょうか。

いろいろ議論はありますが、依然としてエネルギー供給の主役は石油です。しかしその原油調達も今後は容易でないことが想像できます。

それにしてもこれだけの原油高になったのだから、石油需要はこれから相当に落ちていくことになると思うのは、単純すぎでしょうか。かつてのオイルショックと同様に石油代替燃料(エネルギー)の重要性が増すのではないでしょうか。

自衛隊が中国へ

2008-05-28 | 社会
驚いた。自衛隊が中国地震被害者の援助のため活動するという。自衛隊の輸送機が中国本土に向けて飛び立つという。
自衛隊とはいっても立派な軍隊ですよ。ほんの3年前までは日本軍の過去の行動にあんなに怒っていた人民が本当に受け入れるのでしょうか?
それだけ切迫しているということですか。
中国人民軍は自衛隊とどのように共同行動を取るのでしょうか。

不思議なのはなぜに日本なのでしょうか?
ロシアやアメリカのほうがいろんな機材を持っていそうなのに。
考えられるのは、お人よしで他人の足元を見ない、異な足元を見るというような知恵が回らないから日本を選んだものと想像できます。

でも良いんですよ。困った人を見たらすなおに、手を差し伸べるのが日本人だ、ということが分かってもらえれば。
行くからには何か、軍事的な情報を得ようとか、恩を得ようなどと考えずにひたすら人道援助に力を尽くしてもらいたいもんです。

原油価格

2008-05-24 | 石油
原油価格の高騰が続いている。週末には135ドルで一旦はdipしているが、依然として高いレベルで、引き続きの上昇の気配を見せている。

週末のDipは連休を控えての様子見によるもの。ここ2週間というもの一本調子で上昇してきましたから、一旦は調整になるのは当然でしょう。
5月の最終月曜日はMemorial Day、戦没者追悼記念日ですから、アメリカは3連休というわけです。

余談ですが、アメリカの祝日は10日しかありません。これに比べると日本の17日というのは多い気がしますが、どんなもんでしょうか。
また、日本の祝日には戦没者に関するものはありません。靖国問題に深入りするつもりは毛頭ありませんが、やはり戦没者に追悼の意を表することは必要です。
もっとも、日本では戦没者といえば第二次世界大戦のときのみを思い浮かべますが、アメリカは毎年戦没者が増えて言っているのですから、こういう日があるのは当然かもしれません。

さて、100ドルを超えて原油が上昇していることについて、その要因については様々に言われています。

石油会社側の言い分では、原油高騰の要因は供給不足によるものではなく、市場の予想による。それは心理学的なもので、石油会社には心理学の責任はない、となります。

逆に政府側は、タイトな供給と世界的な需要の増大が原油高の背景にあり、マーケットの期待感によるのではない、としています。したがって、石油会社はもっと供給を増やす、具体的には原油の生産を引き上げるような行動をとるべき。そのためには、環境には配慮しつつも国内の探鉱を推し進めるべき、ということになります。

どちらが正しいかはよく分かりません。一つだけいえるのは、市場の参加者がこれからも原油は上がる、上がる理由があると思えば上昇を続けるということです。そして、石油市場参加者が今後も増えるのか、あるいはこの先は減っていくのかは他の市場、主には株式や債券、不動産などの市場と石油市場のどちらが魅力的に見えるか、によります。

しかしながら原油高の影響が実体経済にも大きく影響しているのですから、のんびりとはしていられません。
フォードはピックアップやSUVの売れ行きがまた一段と落ち込んでいる、といっています。もっともフォードの車が売れないのは、燃費の良い車を作ることが出来ない彼らの技術力に一番の問題があるはすですが。

それにしてもHighwayの交通量も2004年以降、最低のレベルにあるということですからやはり原油だか、ガソリンの高騰は確実に実体経済に影響を与えているといえそうです。