化学系エンジニアの独り言

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引き続き中国の天然ガス

2019-02-04 | ガス
2017年の数値と2018年の見込みの数値が混在しているので、必ずしも正確ではないがざっくりと概要を掴むとこんな感じか。

日本:天然ガス消費量 1,170億m3=LNG換算8,190万トン m3とトンの換算は1,000億m3=7,000万トンとした。
このうち国内生産は僅かに28億m3、2.4%しかない。生産は殆ど新潟県で以外にも千葉県にもガス田がある。
残りは輸入だがこれは全量LNG、海外からのパイプラインは無いですから。

さて中国:2,800億m3でおよそ2.0億トン。日本の天ガスは電力と暖房用だが、中国は産業用が一番多い。従って冬場の不足時は産業用を抑制、すなわち工場が強制的に稼働停止させられる。
日本と違って中国内で天ガスは1,500億m3も生産されている。大部分は四川省や新疆。このガスを消費地の北部(北京、天津、河北など)に運ぶ必要がある。
輸入はLNG8,400万トン(2018年には日本を抜いて世界一のLNG輸入国)
   パイプラインでLNG換算1,500万トンだそうな。(3,000万トンという数値もwebで見つけたがこれだと帳尻が合わない)

中国はPM2.5抑制(青空作戦)とCO2抑制の観点から、石炭から天然ガスへのシフトを政策で強要。但し、2017年冬に暖房用の天ガスが不足して問題になったことから、2018年冬は供給量見合いで石炭の抑制策を実施せよと地方政府に通達しているとか。

米国からもLNGは輸入されているので、昨年来の米中関税報復合戦によりLNGにも10%の関税がかかるが、輸入量への影響は少ないとみられる。

LNGの製造プロセスは単純に言えばマイナス162℃に冷やして液化するのだが、前処理が意外に大変。
コンデンセート(油分)分離、H2S・CO2など酸性ガス除去、水銀除去、脱水、ベンゼン等重質分除去してから混合冷媒プロセスにて製造する。


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