化学系エンジニアの独り言

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クジラとマグロ

2010-03-22 | 社会
ワシントン条約会議でクロマグロの禁輸が反対多数で否決されたという。そういえば、もうマグロが食べられない、というような雑誌の見出しを見た記憶がありますが、これのことだったのですね。あんまり詳しいことは把握していませんが、欧州が仕掛けたこの条約は当初可決されるとの見通しだったが、経済的に不利益になると見込んだアフリカやアジア諸国がこぞって反対に回った人のことで、否決されたという。ISOやCO2取引などをリードしてきた欧州勢としては、今回も当然その先頭に立つはずであったようですが、宛が外れたというところでしょうか?

まずは、日本人の食材としてのクロマグロが禁輸にならなくてよかったわけですが、正直クロマグロ(いわゆるトロ)は高いので自分で買っては食べませんから、個人的にはどっちでも良かったという感想です。
お刺身と聞いてマグロを一番に思い浮かべるひとが多いと思います。もちろん小生もそうですが、北海道出身のうちのカミさんはイカとタコ、あとサーモンも、といいます。たしかに北海道であれば、わざわざ高いマグロを買わなくても他に美味しいものいっぱいありますからね。

ところでクジラの方はシーシェバードとかの捕鯨反対団体が、派手に暴れているようです。たしかに他人の船にいきなり体当したり、乗り込んでくるなんてのは許されることでは貼りませんね。最終的には武力で解決するという理屈なんでしょうか。

クジラは子供のころ給食にも出てましたしよく食べましたが、牛肉を比較的自由に食べるようになってからか、全くまべなくなりました。子供の頃は牛肉は高いものとしてめったに食べなかった記憶があります。捕鯨禁止になったのだから当たり前かもしれませんが、クジラの無い食卓にもう慣れてしまったので、いまさら調査捕鯨などといって半分嘘つきながら取る必要が本当にあるのでしょうか?

確かに他人の食べるものに関して、かわいそうだからという理由で禁止を押し付けるのはどうかと思います。(これはイルカの話でしたっけ)
仏教の教えによればひとは他の生命を食べてしか生きていけない罪深いものであるそうです。ですから何を食べてもかわいそうなのです。

クジラもかわいそうですが、野に咲くたんぽぽを天ぷらで食べるのも同じようにかわいそうのはずです。食べるのならばまだしも、お皿の飾りにしかならないときは哀れというわけです。くじらがかわいそう、という理屈は破綻しているはずなのですが、多勢に無勢ではどうしようもありません。だからといって、捕鯨全面禁止をすんなり受け入れるのはシャクですが、オーストラリアと対立してまで日本固有の食文化を主張する意味があるのでしょうか。伝統芸能のように残すのならば、年間1頭も取れば十分じゃないのでしょうか?

というわけで今夜はマグロの刺身にしようかと思いましたが高いので鶏肉料理にします。