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この先の原油価格と生産量はどうなるのでしょう

2020-04-22 | 石油
原油価格の下落が止まりません。一昨日のWTIはマイナス領域になりました。4/21はWTIが10ドル程度、Brentが18ドル付近でしょうか。
原油を買うとお金が付いてくる。お金を払ってでも原油を引き取ってほしいと思っている人が取引所で取引しているという事だそうです。お金を払ってでも引き取ってほしいのは、例えばごみ・廃棄物などです。これ以上家とか工場の中に置いておけないので、お金を払って引き取ってもらう。原油の状況はそういう事なんですね。もう原油を貯めておくタンクが無いんでしょう。

これを見たトランプ大統領は、今が原油の買い時だとして、国家備蓄のタンクに原油を買うそうです。買うという表現はおかしいか、お金をもらって引き取る。本当にアメリカ政府がお金をもらうんだろうか?

リグカウントも激減しており、2019年最大で1000以上あったものが4/17には529、このうち油井は438です。ここ1か月くらいで300程度は減っています。リグカウントは原油生産量の先行指標ですから、6か月後にはシェールオイル生産能力は激減している事になります。最も生産量が既に減ってます。

この状況に鑑みて5月から原油生産に合意しているサウジは、すぐにでも減産を開始するかもしれないとWSJは伝えています。でも遅すぎの感があります。

カナダ政府は石油業界に2450億円の援助を発表しましたが、アルバータ州知事はいいことだがまだ少ないと言っています。カナダの石油産業は危機に瀕していると。
オイルサンド生産業者は生産停止を公表しています。SAGDと呼ばれる蒸気で地中を温めて溶け出たビチューメンを回収する方法では、このような削減は永久的なダメージを油井に与えてしまうようです。

コノコフィリップスは10万BD、ハスキーは1.5万BD、セノバスは4.5万BDの削減を発表しました。カナダ全体での削減量は150万BDに上るとTDバンクを予想しているそうです。



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