化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

原子力発電

2007-07-31 | エネルギー
先の日曜日、サンプロに東京電力の方(顧問だったか)が出演していました。質問への受け答えを聞いていて、良くぞ出演したと座布団上げたい気持ちになりました。

これまでの大企業では自ら進んでこの手の番組に出て、批判は批判として受けながら、自分たちの主張と責任いついて発言することはなかったと思います。

変圧器の火災に対して適切な対応が出来なかったことの事情を正直に説明していました。さらに原子炉を守るというか、原子炉の安全設計にはきちんとした根拠があり、それが今回はからずも実証された、ということが良くわかりました。

放射能漏れに関しても、放射能が漏れるということはどういうことか、その危険の程度は如何ほどか、素人にも良くわかる説明でした。

この人はこういう場に慣れていることもあるでしょうが、自分の会社の事情や原子力発電というものをよく理解しているので、あのような説明が出来るのだろうと感じました。

東京電力にはあまりいい印象はないけれども、この人の説明はほんと良かった。

その一方で、同じ日曜日の文化人といわれる人がコメンテーターの番組で、「原子力発電は必要悪」という論調で最近のマスコミは報道している。しかし、この必要悪ということを今一度検証する必要がある。今後の再生可能エネルギーなどの利用を想定すれば、原発廃止を前提にしても良いのでは、とコメントした作家がいました。司会者も原発廃棄を打ち出している国もありますからね、と相槌を打っていました。

馬鹿も休み休み言ってほしい。足元の電源構成比を見たことがあるのでしょうか。原発を見直すのならば、当然火力発電も見直さなければなりません。CO2問題は原発以上に喫緊の問題です。そうなれば水力発電だけで今のエネルギーをまかなうというのでしょうか。

原発は核兵器につながるという主張もあります。確かにそうです。しからば、原爆で人を殺すことは許されないが、銃やロケット砲で人を殺すことは許されるのでしょうか。そんなことはないでしょう。人を殺す兵器はどれも同じように許されないでしょう。ならば火薬の製造を禁止することになるでしょうか。要は使いようでしょう。


それにしても田原総一郎という人はすごい人です。あのお年で(失礼)一線で活躍しています。すごいものです。いつも感心しています。逆に言えば、もっと若手というか田原さんに続く人が出てきてほしいものです。

辞めない人

2007-07-30 | 社会
参議院選挙の結果は予想の通り民主党の勝利でしたが、その勝ち方は圧倒的でした。

選挙戦術的には、早くから地方の1人区が勝負と見ててこ入れをしていた軍師・小沢の戦術がまんまとはまったと言うことでしょう。更にこれまで自民党の応援団だった建設業界や農業団体が、公共事業削減と自由化に怒っていることを、当の自民党が甘く見ていたということも大きく寄与しています。

更に格差社会という問題に関しても、上げ潮路線やダム論をよりどころに、格差は開いても全員が今よりも良くなる方向であると主張しました。
残念ながら現実経済や市民生活の感覚では、良くなる人はもっと良くなり、よくならない人はそのままの状態が続いています。このあたりの選挙民の感覚を総理は理解していなかったでしょうし、今でも理解していないようです。

今回の柏崎原発の事故に関連して電力会社のいう安全が必ずしも住民の安心につながっていないことが指摘されています。電力会社が安全を確保するために技術的にも制度面でも一定の努力をしていたことは理解されています。しかし、それゆえに安心と住民が納得していなかったことは残念なことです。

総理も美しい国や戦後レジームからの脱却ということが、国民の満足や幸福感につながっていないということを理解しなければならないでしょう。

自らが掲げた目標を達成する責任がある、という言い方は確かにその通りですが、総理が掲げた目標に対して国民がノーといっています。ですから「目標を達成する責任」はもはやどこにも存在しないはずです。

事務所費問題で「法に従って処理している」の一点張りで、全く説明責任を果たすことなく、国民を愚弄し、自民党にも迷惑をかけた大臣がいます。この大臣を最後までかばっていた総理ですから、辞めない人であることは間違いないようです。

全然関係ないけど、この3年間一度も選挙に行ったことが無い人が立候補・当選するのは何か変です。さつき議員は誰にも過ちはあります。過去の過ちを許してください、といっていましたが。10年前の話しをしているわけではありません。ついこの前までの話ですよ。んー、納得できませんね。