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彷徨者のネット小説レビュー

ネット小説サイト「Arcadia」や「ハーメルン」をメインに、あちこちで見かけたネット小説をレビューするブログです。

ようこそ

 このブログの管理人、彷徨人です。名前の通り、あちこちのサイトをさ迷っています。ネット小説に限れば『Arcadia』と『小説家になろう』がメインになります。
 初めての人は、まずこちらを一読下さい。→はじめに
 これまでレビューした作品のリストです。→五十音順リスト

凄腕ハンター千雨

2011-12-17 18:00:00 | 魔法先生ネギま!

原作名:魔法先生ネギま!
作者:川岸新兎
最終更新日:2011年12月17日 2011年12月22日
評価:C
サイト:Arcadia
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=30797&n

[あらすじ]
 霊峰ヤクモ地方。アマツマガツチ目撃情報の真贋の確認に訪れていたハンター・千雨は、空中にできた裂け目に、相棒と共に落ちてしまう。
 麻帆良市。三年に進級した初日、登校ラッシュの人波に押され、千雨は駅のホームから転落してしまう。
 そこへ接近する電車。
 死にたくない!
 その一念が招いた奇跡か、重なり融合する二人の千雨。ハンター・千雨の反射神経でからくも事故は回避。
 狩りに目覚めたネットアイドルちうの、ハンター生活が始まる。

[文章]
 三人称。各話の文章量は少ない。文章量に応じて全体的に描写は乏しく、Monster Hunterをプレイしていないと、登場する生物や武器のイメージができないのがネック。

[総評]
 千雨魔改造物。線路に転落した時の命の危険から、平行世界でハンターをしていた千雨と意識が融合。肉体的にも強化され、ハンター千雨が麻帆良に降臨。この辺りのノリは『ドラゴンマーク』か。
 強化された千雨の実力は、気による強化なしで楓の全力をお遊び感覚であしらい、タカミチをキック一発で気絶させる程に凶悪。その実力を買われ、魔法生徒の一人としてスカウト。
 ただしネギまの世界に降りてきたのは、千雨の意識だけではない。向こうの世界で相棒のオトモアイルーや愛用の武具、レオリウス希少種らモンスターも。両方の世界で一体何が起きているのかの謎は、どうやらこの物語の伏線の模様。
 物語は修学旅行三日目。関西呪術協会の総本山で千草ら一味と衝突中。敵味方両陣営の知らない場所で、あちら側から何やら現れている様子。一筋縄では収まらない波乱の予感がひしひしと。
 ノリと勢いで書いているのが伝わってくるだけに、失速する前に書き切ってほしい作品。


ダイの大冒険でよろず屋を営んでいます

2011-12-15 18:00:00 | その他

原作名:ドラゴンクエスト ダイの大冒険
作者:トッシー
最終更新日:2011年12月14日 2012年12月31日
評価:C
サイト:にじファン Arcadia ハーメルン
    http://ncode.syosetu.com/n2165z/">http://ncode.syosetu.com/n2165z/
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=33673&n
    http://syosetu.org/Novel/2756/

[あらすじ]
 旅の商人タケルは、今日も立ち寄った街で露店を開く。扱っている物は、どこにも売っていない珍品ばかり。
 そこで立ち止まる若い男。金髪巻き毛に仕立ての良い服。連れているのはバンダナを巻いた黒髪の少年。アバンとポップ。
 次の街で見かけた客は、羽振りの良い冒険者。勇者、戦士、魔法使い、僧侶の四人組。その割には顔つきがどこか貧相。
 別の街で出会ったのは、自称・北の勇者。ノヴァ。
 ここでようやく気がつく。
 「ダイの大冒険かよ……」
 トリッパーな商人の物語。

[文章]
 主人公の一人称。視点移動の一人称がないので、その一点だけでも好評価を付けられる。
 修正しているのか、誤字脱字は見当たらない。
 全体的に描写が薄いため、さくさくと読み進められる。じっくり読みたい派には不向き。

[総評]
 トリップ物。原因は不明。バカみたいな戦闘力のない代わりに、アイテムの採集と作成の能力がチート。かのロン・ベルクが土下座して『王者の剣』を求める程。
 この世界では流通していないアイテムを製造し、ぼったくりに近い価格で販売して歩く主人公。大魔王が復活し、モンスターが凶暴化したので、効果のある品の需要は高い。
 適正価格を称して高値で販売するのは別に良い。力ずくで値引きしようとする客を、力ずくで排除するのも良い。そもそも普通では存在しないアイテム、どんな価格を付けようが、本人の自由。
 ただ何と言うか、行動の端々に人格面での腐敗臭を漂わせているのが残念。冷やかしの金持ちには媚びて割安で販売し、商品を欲しがる客の足元を見ては値段を吊り上げ、それを商人として当然という顔をする。道義の基準がどこかずれた感じ。勿論、物語の序盤から清廉潔白な商人の鑑を求めている訳ではない。その面での成長に期待。
 物語は、ダイ・ポップ・マァムら三人と合流し、クロコダインとの初戦を凌いだところ。
 三人との関係から、腐敗気味の人格がどう変化していくのやら。ハドラーのように矯正されるのか、ザボエラばりに腐り切るのか。興味の湧く作品。


マブラヴ オルタネイティヴ MAD LOOP

2011-12-14 18:00:00 | マブラブ

原作名:マブラブオルタネイティブ
作者:緋城
最終更新日:2011年11月01日 2012年2月14日
評価:B
サイト:Arcadia
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=muv-luv&all=3277&n

[あらすじ]
 元の世界に逃げ帰った武だったが、そこに安息はなかった。まりもの死。純夏の事故。流出した因果は、どこへ逃げても追ってくる。
 その因果を断ち切るべく、弱い己に鞭を打ち、対峙する決意を固めた武は、物理教師の夕呼の協力を得て、BETAの跳梁跋扈する世界へと戻るのだった。
 そこで副司令の夕呼と対面。人類がBETAに蹂躙される因果は、全ての平行世界において強力だと知らされ、全ての平行世界を、人類がBETAに勝利する因果に変える決意へと変える。
 しかしその道は、永遠に近い戦いを続ける選択でもあった。

[文章]
 三人称。落ち着いた文体で、安心して読める。会話文メインの早い展開を望む人には不向き。ちらほらと誤字脱字。
 じっくり腰を据えて読む事を薦める。

[総評]
 まず、長い。現時点で144話、各話の文章量も比較的多いので、始めから読むならそれなりの覚悟が必要。ただし読ませる文章なので、読む苦痛は少ない。先に読者の集中力の方が切れる。
 武のループ物。ループの回数が増えるにつれ、武の理想とするより良い結果に近づいていくのが分かる。
 しかし前回のループの失敗を乗り越えても、新しい問題が立ち塞がる。途中で妥協せず、より上の結果を目指しているのだから当然。BETAの駆逐よりも、各国の思惑が強敵とは、何の皮肉か。正しく全て遠き理想郷な状態。
 対BETA戦略の一環として、武の発案した兵器群がなかなか優れ物。マブラブ二次小説で見かける別作品ネタを引っ張ってくるのではなく、マブラブ設定で再現可能な兵器群と言うのが小憎い。ループ起点の10月22日からの2ヵ月に満たない時間で、そこまで開発できるのか、などという野暮は言いっこなし。
 現在、物語は6回目のループ中。個人的には4回目のループが一番好き。5回目からは消化試合の感がある。そろそろどこかでケリを付けないと、作者の意欲の方が打ち切りになりそうで心配している。完結まで持っていってほしい。


MUV-LUV ALTERNATIVE 救世主になれる男

2011-12-11 18:00:00 | マブラブ

原作名:マブラブオルタネイティブ
作者:フリスタ
最終更新日:完結済
評価:D
サイト:にじファン ハーメルン
    http://ncode.syosetu.com/n8910n/
    http://syosetu.org/?mode=ss&nid=1356

[あらすじ]
 トラックと電柱に挟まれて死亡。
 そこへ現れた女神。死亡したのは手違いで、そのまま天国に行かれても予定外なので受け入れる余裕がない。ついては、特典を与えるから異世界に行ってほしい。
 望んだ世界はマブラブオルタネイティブ。特典は、強化パーツ満載の各種改造MAXのサイバスター。無論、戦術機の操縦や設計の知識の他、肉体もその世界で最高となるように調整して。
 そして到着するマブラブ世界。2001年10月22日。
 異世界からの異邦人が、チートな知識と技術を用いてBETA戦争に勝利すべく奮闘する物語。

[文章]
 キャラ視点の入り乱れる一人称。プラス、顔文字使用。照れの「///」、ノックの「コンコン」、キーボードを叩く「カタカタ」など、文章による表現力に難あり。
 会話文が多く、情景描写は申し訳程度。主人公の凄さを地の文で表現せず、他キャラ視点から「凄い」「凄い」を連発させるので、新興宗教の教祖を称える信者のよう。
 上記に抵抗のある人には、回避を推奨する。

[総評]
 『スーパーロボット大戦』のサイバスターと精神コマンドを持ち、マブラブ世界に参戦する『男の娘』。チート技能は戦術機操縦と開発一般。主人公の設定年齢18歳の割に精神年齢はずっと幼稚。テンションは終始高めで、空回りの感が強く、階級や仕事に対する責任や真剣さにも欠ける。ギャグも笑えない。
 ……と、嫌いな人は敬遠する地雷要素たっぷり。正直、出だしで挫けそうになった。
 色々と問題を抱える作品ではあるけれど、衛士としての技量は最高峰、戦術機の開発もできて地位もある、つまり完璧超人な主人公を望む層に、受けは良いだろう。
 開発するのは『XM3』の他、ビームサーベルやビームライフルなどのロボット物の定番や、マイクロミサイルポッドの外付け武装。ビーム兵器の基礎理論や基幹技術が半月程度で作れるのかとか、そういうツッコミはなしの方向で。
 当方の嗜好とは食い違いが大きく、途中で耐えられずに切ってしまった作品なので、どのような結末となったのかは知らない。個人的な評価は残念になってしまったが、マブラブの数少ない完結作品。


マブラヴ~青空を愛した男~

2011-12-10 18:00:00 | マブラブ

原作名:マブラブオルタネイティブ
作者:ブシドー
終更新日:完結済
評価:C
サイト:Arcadia
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=muv-luv&all=20384&n

[あらすじ]
 アラスカ国連軍ユーコン基地。そこに所属するクラウス・バーラット少尉は、新型戦術機のテストパイロット。
 事の発端は業務絡み。自分の望む機動を戦術機に取らせるには、どうしてもCPUのスペックが足りない。
 駄目元で申請書を提出したら、山と届いた新型ハードディスクのサンプルの山。無事な物があれば、物理的に叩き壊された物、銃痕の付いている物まであり。荷届け元は横浜基地。香月博士はかなりいらついている模様。
 そんなスクラップの山から、あんなこんなで開発した新型OS、EXAM。
 気が付けば中尉に出世し、横浜行きの船の上。新型OSの教導のため。
 勝手にマブラブの世界で生きていくつもりだった主人公は、こうして原作に少しずつ巻き込まれていく。

[文章]
 基本は主人公視点の一人称なのだが、別キャラ視点の一人称や主人公不在の三人称もありと、人称や視点のぶれまくりで少々読みにくい。せめて一人称か三人称かで統一してもらえれば、もっと読み易くなっていたと思う。

[総評]
 シリアス少なめのコメディ風味。ギャグもある。さすがに佐渡島ハイヴやオリジナルハイヴ戦の時は、シリアス味が強い。
 主人公は転生者。神様や前世の死因と言った描写はなく、チート能力や異能の類は持たない。自分の生きている世界が、前世でプレイしたゲームの内容だと紹介している程度。
 そんな主人公は、気に入らない上司はぶん殴るは命令違反をするはで、少尉から少佐までを行ったり来たりの問題衛士。同時に朴念仁。相棒と言うべき美女少尉や他女性陣からのアプローチに、全く気が付かない。
 女性関係の朴念仁ぶりに反して、何度も死にかけながらも紙一重の差で生還する悪運の強さには、読んでいて魅せられるものがある。明星作戦しかり、某基地からの撤退戦しかり、桜花作戦しかり。身体がボロボロになり、戦術機にはもう乗れないと宣告させても戦い続ける執念は凄まじく。それでも死地から必ず生還。見事としか言いようがない。
 ゲームとしての知識はあっても、チート能力も地位も権力もない。一介の衛士がハッピーエンドを目指し奮闘する物語。