原作名:オリジナル
作者:田中23号
最終更新日:2011年12月19日
評価:F
サイト:小説家になろう
http://ncode.syosetu.com/n0861z/
[あらすじ]
森へ薬草を摘みに行ったら、大型の猫に睨まれた。良く見れば酷い怪我をしている。
取り敢えず応急処置をし、家に連れ帰ったその夜、枕元に現れた天使。
その猫は神獣の末裔の子供で、魔物に浚われたのだとか。怪我はその時に負った物。
ついては、その子猫を親元まで連れてきてもらえないだろうか。期限は主人公の寿命の尽きる前までに。
天使から祝福の加護をもらい、神獣の子猫の故郷を目指し、旅をする話。
[文章]
主人公の一人称。
会話文と主人公の内面描写がメイン。情景描写は乏しい。何せタイトルにある猫すら、15歳の主人公が抱き抱えられる精一杯の大きさ、とあるだけで、長毛なのか短毛なのか、体毛の色はどうなのか、その描写すらされていない。
[総評]
薬師見習いの少年が、助けた神獣の子供の故郷を目指し、旅をする成長物?
兎にも角にも何よりも、情景描写が徹底的に不足。前述しているが猫の特徴はほぼ何一つ描写されておらず、主人公の容姿についてもほとんど説明がされていない。戦闘にしても、猫が口を開いた、何か凄いものが飛び出して、敵諸共木や岩を吹き飛ばしてしまった、で済ませてしまうレベル。
それでいて、これからの旅のルート、最初に訪れた街の構造、天使からの祝福の確認、ギルドのルール、等の説明は比較的細かい。ただしこの物語のギルドは、いわゆるモンスター討伐も含めたよろず業の取りまとめと、身元保証の組織。史実の徒弟制度による職能組合で考えると失敗する。
設定集を読みたいのなら、それなりに楽しめる出来だろう。
しかし小説として読むのであれば、情景の希薄さは致命的。戦闘のあった第五話で切りたかったのだが気合で読み進め、第八話のギルドの説明で挫けた。