彷徨者のネット小説レビュー

ネット小説サイト「Arcadia」や「ハーメルン」をメインに、あちこちで見かけたネット小説をレビューするブログです。

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 このブログの管理人、彷徨人です。名前の通り、あちこちのサイトをさ迷っています。ネット小説に限れば『Arcadia』と『小説家になろう』がメインになります。
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魔法少女リリカルなのはReds

2011-12-01 18:00:00 | 魔法少女リリカルなのは

原作名:魔法少女リリカルなのは
作者:やみなべ
最終更新日:2011年8月25日 2012年1月2日
評価:B
サイト:Arcadia
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=toraha&all=4610&n

[あらすじ]
 聖杯戦争から10年。
 いつか見た赤い剣の丘で、衛宮士郎は瀕死の体だった。その背中には、いつも一緒にいてくれた遠坂凛。そして二人は息を引き取り……。
 ……日本の衛宮邸で復活する。側には桜。
 今の肉体は、二人が死んだ時に魂を移すため、あらかじめ用意していた人形との事。
 しかし一度は死んだ身。いつまでもうろうろしていれば、また追われる羽目になるのは明白。そこで選んだ方法は、平行世界への逃亡。
 かなりの無茶と幸運頼りの逃避行は、何とか成功。代償は、小学生低学年程度までに縮んだ肉体。
 新天地が海鳴市という名前すら知らないまま、二人は生活拠点を築くために活動を開始する。

[文章]
 各キャラの視点移動による一人称。三人称でも十分キャラを描き分けられるだろう力量があり、三人称の方が安定した文章にもなるはずなのに、一人称の視点移動に拘っているのが残念。

[総評]
 UBWルート後の凛と士郎が、海鳴市に転移。
 話数が多く、各話の文字数も多いので読み応えがある。ただ、話が進むにつれ各話の文章量が増え、独自設定の長い説明が挟まってくる。人によっては退屈してしまうかも。
 Fate系のキャラが異世界に行くと、魔術の秘匿意識が急激に薄れる二次小説を山と見かけ、その度にとても残念な気持ちになる。しかしこの作品では、徹底して秘匿を貫いている。その姿勢には好感度アップ。
 概ね『リリカルなのは』原作準拠でストーリーが進み、管理局アンチは弱め。魔術の秘匿を優先しているため、管理局とはなるべく距離を置いておこうと言うスタンス。
 ジュエルシードの「願いを叶える」を『聖杯』と掛け合わせた考察や、管理局側の士郎の投影した宝具の考察など、非戦闘でのエピソードは良く練ってあり、読んでいて面白い。反面、戦闘シーンが冗長気味な印象があり、こちらの魅力は乏しい。
 作品では、A’s編と事後処理が終わり、StS編までの長い10年の始まり。作者氏曰く、実生活の多忙と構想の練り直しと言う事で、更新は停止中。復帰を待ち侘びている。