作品名:ゼロな提督
原作名:ゼロの使い魔
作者:
最終更新日:完結済
評価:B
サイト:あの作品のキャラがルイズに召喚されました
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3795.html
[あらすじ]
暗殺者のレーザーにより、致命傷を受けたヤン・ウェンリー。
ヤン本人も死んでいたと思っていたのに、なぜか目が覚めたので困惑気味。そこは帝国領の貴族向け療養施設のような豪奢な一室。入室したメイドもその印象を強める。
次に入ってきたのは、禿の中年男とピンクブロンドの少女。
「あなたは使い魔として召喚されました」
民主主義のために戦ってきたヤンに、専制君主制国家の奴隷以下の使い魔に堕ちるなど了承できるはずもない。
すったもんだの末にヤンが手に入れたのは、ルイズ付の執事見習いの立場。
ルイズお嬢様に振り回され振り回し、ついにはハルケギニア全土を巻き込んでいく魔術師が活躍する。
[文章]
三人称。誤字誤用は少な目。癖の少ない読みやすい文章。各話の文量も多く、満足のいく長さ。
[総評]
ガンダールヴとしてハルケギニアに召喚されたのは、『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリー。ガンダールヴのルーンはあっても、前に出て戦う人ではないので、宝の持ち腐れだと嘆くデルフリンガー。
ヤンは元々、専制君主制国家と戦争をしていた民主主義国家の軍人。それゆえ、ハルケギニアの社会に対する批判的思考がデフォルト。これをアンチと取るかどうかで、この作品への評価は変わってくると思う。
ヤン自身分別をわきまえた大人なので、ギーシュと決闘する原作イベントはない。と言うか、原作で発生するイベントのほとんどがスルーされてしまうので、キュルケやタバサの絡む機会がほとんど消えている。
また、原作が未完の時に書かれた二次創作なので、ハルケギニアの地中に埋まっている風石の鉱脈とか、「四の四」の謎とかも出てこない。ゼロ魔の二次創作ではタルブの村が魔境化しているけれど、この作品でもそれは装備。
かなりの独自設定と独自展開になっている。この部分も読む人によって好悪が分かれると思われるが、個人としてはかなり好み。
これらを全て飲み込める人なら、かなりの良作だろう。