原作名:オリジナル
作者:あああ
最終更新日:2011年12月24日 2012年1月4日
評価:D
サイト:小説家になろう
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[あらすじ]
街から離れた場所に住む優秀な鍛冶師。しかし中身は、この世界に酷似したMMOのプレーヤー。元の世界に戻る手立てが見つからないため、鍛冶師で食っている。
そんな彼に舞い込んだ大口の依頼。領主に献上した武器が気に入られ、兵士の装備を彼の作品で統一したいとか。
その材料と食料の調達に、いつもの街へ出向いた際に聞かされる嫌な話。魔王の復活。
あまつさえ、街で唯一の鍛冶師は過労で急死。兵士達の装備は手入れできずにボロボロ。
思わず手を差し伸べてしまったのが運の尽き。筆頭鍛冶師に任命され、従軍する羽目に。
主人公は生き延びる事ができるか!?
[文章]
主人公の一人称と三人称の入り乱れ。最初は主人公の一人称だが、魔王軍との戦争が本格的になった辺りから三人称に切り替わっている。人称を切り替えた辺りから、魔王軍との戦争から描写が駆け足になり、上滑りな感じに。
[総評]
憑依かトリップ物。『小説家になろう』ではMMO物、特にVR(ヴァーチャルリアリティ)のキャラに憑依する作品が人気のようだが、これもそんな一つ。
貴族・準貴族に対する主人公の慇懃無礼さが鼻につく。封建制の社会だから、平民の主人公が貴族にへつらうのは良い。ただし主人公の態度は卑屈にして無礼のレベル。読んでいて不快な気持ちになる。
「普段卸している製品は+1や+2だけど、その気になれば+10だって簡単に作れるんだぜ!」な自画自賛も読む気力をへし折ってくれる。
しかしそれさえ乗り越えられれば、後はそれなりに読めるだろう。
戦う能力もある主人公だが、専門は武具の生産。魔王軍の侵攻に抵抗するため、国の筆頭鍛冶師に任命され、あれやこれやで軍略に関わる製造にも手を出していく。しかも金属製品だけでなく、弓矢のような非金属製品、魔法的なアイテム、橋や砦などの設計と建造まで幅広く。しかも本職の軍人よりも軍略に優れる軍師ぶり。
人によっては楽しく読めるだろう。
が、残念ながら挫折。「こんなこともあろうかと」と、次から次へアイテムを出し続ける主人公に、嫌気が差してしまった。製造できる幅がもっと狭ければ楽しめたろうに、と思った作品。