原作名:マブラブオルタネイティブ
作者:緋城
最終更新日:2011年11月01日 2012年2月14日
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=muv-luv&all=3277&n
[あらすじ]
元の世界に逃げ帰った武だったが、そこに安息はなかった。まりもの死。純夏の事故。流出した因果は、どこへ逃げても追ってくる。
その因果を断ち切るべく、弱い己に鞭を打ち、対峙する決意を固めた武は、物理教師の夕呼の協力を得て、BETAの跳梁跋扈する世界へと戻るのだった。
そこで副司令の夕呼と対面。人類がBETAに蹂躙される因果は、全ての平行世界において強力だと知らされ、全ての平行世界を、人類がBETAに勝利する因果に変える決意へと変える。
しかしその道は、永遠に近い戦いを続ける選択でもあった。
[文章]
三人称。落ち着いた文体で、安心して読める。会話文メインの早い展開を望む人には不向き。ちらほらと誤字脱字。
じっくり腰を据えて読む事を薦める。
[総評]
まず、長い。現時点で144話、各話の文章量も比較的多いので、始めから読むならそれなりの覚悟が必要。ただし読ませる文章なので、読む苦痛は少ない。先に読者の集中力の方が切れる。
武のループ物。ループの回数が増えるにつれ、武の理想とするより良い結果に近づいていくのが分かる。
しかし前回のループの失敗を乗り越えても、新しい問題が立ち塞がる。途中で妥協せず、より上の結果を目指しているのだから当然。BETAの駆逐よりも、各国の思惑が強敵とは、何の皮肉か。正しく全て遠き理想郷な状態。
対BETA戦略の一環として、武の発案した兵器群がなかなか優れ物。マブラブ二次小説で見かける別作品ネタを引っ張ってくるのではなく、マブラブ設定で再現可能な兵器群と言うのが小憎い。ループ起点の10月22日からの2ヵ月に満たない時間で、そこまで開発できるのか、などという野暮は言いっこなし。
現在、物語は6回目のループ中。個人的には4回目のループが一番好き。5回目からは消化試合の感がある。そろそろどこかでケリを付けないと、作者の意欲の方が打ち切りになりそうで心配している。完結まで持っていってほしい。