彷徨者のネット小説レビュー

ネット小説サイト「Arcadia」や「ハーメルン」をメインに、あちこちで見かけたネット小説をレビューするブログです。

ようこそ

 このブログの管理人、彷徨人です。名前の通り、あちこちのサイトをさ迷っています。ネット小説に限れば『Arcadia』と『小説家になろう』がメインになります。
 初めての人は、まずこちらを一読下さい。→はじめに
 これまでレビューした作品のリストです。→五十音順リスト

放課後RPG

2012-01-31 18:00:00 | オリジナル作品

原作名:オリジナル
作者:グゴム
最終更新日:2012年1月30日 完結済
評価:F
サイト:小説家になろう
    http://ncode.syosetu.com/n3593y/

[あらすじ]
 放課後。唐突に、何の前触れもなく、いきなり見知らぬ森にいた主人公とクラスメート達。ゲームなどで異世界物を知る主人公他数名は、慌てることなく即座に状況に適応。
 すぐに脳内ステータス画面を呼び出せる事を知り、能力を確認。全員レベル1なことに失望しつも、何やら特別なスキルや身体強化もあると判明し、テンションは高まるばかり。
 早速、能力の検証をしつつ、見えた人里目指して進軍(?)。
 40人近い集団で異世界に放り込まれた主人公達が、故郷への帰還を目的と謳いつつ、そんな事は忘れてこの世界に馴染んで無双する……かもしれない話。

[文章]
 主人公の一人称。丁寧語の会話に多々違和感のある表現あり。普通の会話文でも、作者氏は余り他人と会話をした事がないのか、どうも違和感が付きまとう。
 作戦や方針の検討などで、選択肢を並べる時に箇条書きで済ませる手抜きが多い。読み易さを念頭に置いたのかもしれないが、文章で説明する努力をしてほしかった。

[総評]
 異世界漂着物。1クラス40人近くで。
 脳内ステータス画面と、個人により異なるスキル、モンスター退治専門の冒険者ギルドと、迷宮管理の迷宮ギルドあり。ギルド加入と登録についての詳細説明はない。
 主人公としてはギャグか冗談のつもりの行動の中に、シャレでは済まない危険なものが多数。悪意や害意がないから万事OKが作者氏の考えなのかもしれないが、主人公がクズに見えて読むのが辛い時も。
 40人近い登場人物を主人公の一人称視点で語ろうとする無茶ぶりには、評価を与えるよりも失笑が先に来てしまった。実際、作者氏の力量を大きく超えているのが度々見て取れ、主人公を含めた登場人物らの人格や個性が、画一的で没個性なところに現れている。型にはめた人形劇を読まされている印象。
 その意味では、正しくRPG。ロール・プレーイングという本来の使い方ではなく、コンシューマーやMMOで使われているRPG的な意味で。ゲームじみたステータス画面を使わないと、キャラの成長どころか人格の説明すらできない作品だと主張するには、相応しいタイトルかもしれない。
 第一話のステータス画面が現れた時点でブラウザを一度閉じ、日を改めて第一章を頑張って飛ばし読みし、第八話まで進んだのだけれど、それ以上は無理だった。


全死大戦ネギま!

2012-01-29 18:00:00 | 魔法先生ネギま!

原作名:魔法先生ネギま!
作者:こやマンボウ
最終更新日:2012年1月29日
評価:盗作
サイト:にじファン
    http://ncode.syosetu.com/n9843ba/

[総評]
 盗作。それが全て。
 元長柾木氏の『全死大戦』の2巻をほぼ丸写しすると、作者氏が宣言している。主人公の名前も『荻浦嬢瑠璃』と変更はない。実際、『プロローグ』は同作品のプロローグ部を丸写し。第一章においても、駅名など一部の固有名詞を変えた程度で、クラスメートの名前すら変えていない徹底ぶり。
 盗作なので削除するか全文書き換えるよう、読者から指摘があったためか、検索除外設定にして現在も作品を丸写し……かな? 『全死大戦』は読んでいないので不明。
 駄作云々以前の問題なので、レビューとするのもおこがましいが、こういう盗作も多いと言う注意喚起の意味で挙げておく。



△△△ 参考 △△△
タイトルページ(魚拓)
http://megalodon.jp/2012-0129-1709-49/ncode.syosetu.com/n9843ba/
プロローグ(魚拓)
http://megalodon.jp/2012-0129-1710-44/ncode.syosetu.com/n9843ba/1/
第一章 敗北者の群れの中で Imitation 1(魚拓)
http://megalodon.jp/2012-0129-1711-13/ncode.syosetu.com/n9843ba/2/
元長柾木『全死大戦(2) 少女覚醒』(プロローグと冒頭部分が読めます)
http://www.kadokawa.co.jp/tachiyomi/bunko/index.php?pcd=200905000134
元長柾木『全死大戦(2) 少女覚醒』(Amazonのページ。あらすじで盗用された前書きが読めます)
http://p.tl/rcPs




【追記】
2012年1月30日 18:30、運営により当該作品の削除を確認。


優しい世界の救い方

2012-01-28 18:00:00 | オリジナル作品

原作名:オリジナル
作者:思い立ったが吉日
最終更新日:2012年1月27日
評価:F
サイト:小説家になろう
    http://ncode.syosetu.com/n4847ba/

[あらすじ]
 とある昼下がり。ふらりと現れた白いコートの青年。頭には小型の白い竜。
 奇妙なペアは、目に付いた食堂に入り注文。メニューの右から左への全部、各二人前。
 全メニューを制覇し、デザートのフルーツの盛り合わせをぱくつきながら、思い返すはここまでの旅路。
 なぜか魂だけで異世界に召喚された主人公。肉体を得るために神獣と契約し、元の世界から取り寄せたのが今の状態。白い竜はその神獣の変化した姿。
 目的があって召喚されたはずなのに、相手に気付かれずに異世界に放り出された主人公が、その世界で何やかや活躍する話。

[文章]
 三人称。場面によって、第三者の一人称に変化。
 擬音を『』で囲む文章。会話文と主人公のモノローグだけで、文章の6割から7割な印象。同じネタの使い回し。話数が進むにつれ、ただでさえ多い会話文が、文章量を稼ぐためか不要な分まで積み重ねている印象が強くなる。

[総評]
 異世界召喚物。ただし召喚側のミスにより魂だけの召喚。まずは肉体を確保する事から。
 日雇い労働者派遣組織『冒険者ギルド』あり。巨大な組織らしく『○○支部』の表記。年齢によるランク制度。身分証明のギルドカード発行。最低限の身元確認すらなし。
 物事に対する真剣さの薄い主人公。年齢的な未熟さではなく、対人能力に欠陥のある印象。そしてそれをおかしいと思わない周囲。「なー」「ねー」と語尾の長いお供の神獣。そんな主人公のモノローグと二人の会話がメインのため、第一話から読むのが辛い。
 それでも読み続ければ、作者氏が狙ったのだろうギャグはお寒いばかりで笑えない。
 第三話半ばで挫け、第十二話までスキップしてギルドのシステムを確認。
 ギルド登録の説明で、読み飽きた凡百の一作に堕した感じに。さらには、街に入る前にモンスターと接近遭遇、掃討して死骸をギルドで買い取ってもらおうとしたら、実は意外にも高レベルの敵だった。そのため最初からギルドマスターに一目置かれる存在に。もう何度も読み慣れて飽きた。
 とどめとなったのは、再度スキップした第十五話の後半。主人公の活躍を目撃したヒロイン(?)の一人称モノローグで。読んでいて気持ち悪くなった。
 面白い人には面白いのだろうが、読み続けたい魅力を感じない作品だった。


この頃の悩み

2012-01-27 18:00:00 | ひとりごと

 いつも拙ブログを訪問いただきありがとうございます。

 最近の『小説家になろう』『にじファン』の日間・週間ランキング作品の出来が酷過ぎると感じるのは、気のせいなのかな? 読む物読む物が気力を根こそぎ挫いてくれる作品ばかりで、F評価が多くて困っています。
 これじゃあレビューになりやしない。駄作・地雷作を紹介しての批判ばかりでは、このブログを覗いてくれている人も面白くないだろうし。
 かと言って、今の更新ペースをなるべく維持しようとすれば、一日で読める作品数に限りがある以上、駄作でも紹介するしかありません。
 ペースを落としてでもC評価以上の作品の紹介を目指すべきか。F評価でも読んだ作品を紹介すべきか。

 悩みどころです。


現代的なもので、ファンタジーを旅する。

2012-01-25 18:00:00 | オリジナル作品

原作名:オリジナル
作者:とある作者
終更新日:2012年1月22日 2012年9月30日
評価:F
サイト:小説家になろう
    http://ncode.syosetu.com/n9945x/

[あらすじ]
 暇だから秋葉原に行こうと電車に乗り、降りた先が異世界。誰の差し金かは不明だが、1日に3回召喚する能力と、パニックを起こさない精神の強化を装備。
 早速、能力確認と護身用に拳銃を、野宿のためにキャンプセットを召喚。ついでに初戦闘。
 その夜に現れた重傷の青髪の少女。なぜか記憶喪失。
 元の世界に帰る方法と、記憶を取り戻すために、二人の旅が始まる。

[文章]
 三人称。誤字脱字少々。読点の振り方に違和感。文頭の一文字下げが統一されておらず、鉤括弧「」は二字下げ三字下げが頻繁に見受けられる。なぜか擬音を鉤括弧で括り、行稼ぎに無言を示す『「…」』を多用、三点リーダー『…』と中黒点3つ連ね『・・・』を使うなど、書き方は奇天烈。
 総じて、文章の書き方は下手。読んでいてイライラしてくる。

[総評]
 異世界漂着物。見知らぬ森の中ではなく、見知らぬ平原の真ん中スタート。
 『冒険者ギルド』と奴隷制度完備。ギルドはモンスター討伐専門の模様。身分保証とランク制度、入出国手続きの免除や関税の減額など、外交官特権並の特典付き。そのくせ希望者であれば誰でも登録でき、専用の水晶球に血を一滴垂らすだけのお手軽さ。ランクは、上はSSSから下はG。
 能力確認のためのダラダラしたモノローグと、最初の召喚の直後に現れたステータス画面、上述の文章の書き方で、第二話で気力が挫けかけた。
 それでも第六話の途中まで読み進めたのだが、鉤括弧つきで「…」が段落ごとに登場するようになり、ディスプレイを蹴り飛ばしたくなるほど苛ついてきた。我慢できずにランダムに第九話にスキップ。そこでギルド設立の歴史と登録手続き、貨幣の設定説明。
 第十話の夜明けのシーンが、『「ちゅんちゅん」(鉤括弧つき)』、『「…」』の多用で完全に読む気力を奪われた。
 なぜか異世界に漂着した主人公と記憶喪失のヒロイン(?)が、元の世界に帰るため、記憶を取り戻すために旅をする。
 テーマとしては王道的で楽しそうなのだけれど、いかんせん手段が冒険者で実力アップ、文章がぼろぼろなので、読むに耐えられなかった。