彷徨者のネット小説レビュー

ネット小説サイト「Arcadia」や「ハーメルン」をメインに、あちこちで見かけたネット小説をレビューするブログです。

ようこそ

 このブログの管理人、彷徨人です。名前の通り、あちこちのサイトをさ迷っています。ネット小説に限れば『Arcadia』と『小説家になろう』がメインになります。
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性根の腐ったろくでなし

2012-11-26 18:00:00 | 魔法少女リリカルなのは

原作名:魔法少女リリカルなのは
作者:TS-P
最終更新日:2012年11月25日 完結済
評価:B
サイト:Arcadia
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=35472&n

[あらすじ]
 野生の動物に襲われたのだろうか、足元に横たわるのは一匹のフェレットの死骸。その横には紅い宝石。
 理解したくない状況を理解し、現場から回れ右をしようとした主人公。しかし思わず呟いた固有名詞を聞きとがめられていた。
「ちょっとお待ちなさい」
 呼び止めたのは紅い宝石――レイジングハート。
 襲いかかるはジュエルシードの暴走体。
 これが主人公の魔法との出会いだった。
 リクルートスーツ型のバリアジャケットを身にまとい、リリカルにならないやさぐれ魔法少年(八歳)がまかり通る。

[文章]
 主人公の一人称。他キャラの視点の時は三人称。目立つ誤字脱字の類は、デバイスの話す英語の時以外は、気にならないレベル。

[総評]
 主人公はヤクザの転生者。ヤクザと言ってもインテリ系ではなく、腕っ節と度胸と何かでのし上がってきた系。なので強いし怖い。転生して廃業しているのが幸いか。原作知識が僅かにあるのは、前世の義妹が好きな番組で、一緒に観ていたから。真面目に見ていたわけではなく、内容の記憶はかなり曖昧。
 ユーノはセリフもなく死亡、なのはに魔力はない。この時点で原作は遠く次元の彼方。
 主人公にやる気は乏しく、面倒だからフェイトが来たら丸投げしようかとの考えもちらちら。前世の経験から、管理局みたいな治安組織も苦手だし。
 原作に関わる気になったのは、フェイトを見て。あぁ、この目はまずい。かつての自分と同じ、そして間違いなく同じ場所に落ちてしまう。そんな不幸は……許せんわなぁ。浪花節と言うのか、これ? そんな感じで関わっていく。
 本人曰く「ろくでなし」、レイジングハート曰く「性根が腐っている」。それなりに相性は良いようで。
 アリサ、すずか、なのはの三人娘との関わり方も独特。この方面からのアプローチとは予想外。
 どこか無法無頼だけれど、筋は通している元筋もの主人公が我が道を往く物語。


しゅらばらばらばら

2012-11-20 18:00:00 | 魔法先生ネギま!

原作名:魔法先生ネギま!
作者:トロ
最終更新日:2012年11月20日 完結済
評価:A
サイト:Arcadia
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=all&all=35534&n

[あらすじ]
 京都神鳴流は青山鶴子と素子を姉に持つ宗家の長男。20年前に生まれていれば、詠春と共に英雄と讃えられただろう不遇の天才。鶴子の右腕を切り落とし、素子の刀を切っても止まらぬ天才は、西へ東へ斬るものを求めて彷徨し、遂には人の限界が辿り着ける終わりに達してしまう。
 可能性の終わり。成長の限界。残ったのは『青山』と言う修羅の悪名と、神鳴流を外れた邪道・外道の剣。そして『斬る』こと。
 そんな彼の更生に一縷の望みを賭け、鶴子は彼を麻帆良へと送る。
 そこで彼が出会うは未来の英雄、ネギ・スプリングフィールド。
 青い果実の秘める可能性に、彼は一目惚れ。
 この少年こそ自分と同じ終わりに辿り着ける天才、互いにめくるめく殺し合いを楽しめる相手だと、ネギが熟すまで密かに成長を見守る事に。
 正も邪も関係なく斬って捨てる天災の切れを刮目せよ。

[文章]
 基本は主人公視点の一人称。他者視点の時は三人称なので、変な言葉遣いの地の文を読まされることはない。誤字少々。

[総評]
 主人公は転生者の設定。と言っても、前世で自分が何者だったかなど覚えていないし、原作知識もない。青山の肉体が持つポテンシャルが、前世よりも遥かに優れていると歓喜し、魅せられ、暴走するための鍵だったとの理由で嫌味はない。
 斬る。まず斬ってみる。それから斬ってみる。とりあえず斬ってみる。やっぱり斬ってみる。うん、斬っておこう。
 ……な感じで、何でもかんでも斬りたい最強系。氷漬けにされようが心臓が止まろうが斬る。斬りたいものだけを斬るし、魔法も斬る、石化の雲だろうとマグマの熱だろうとも斬る、その人の『本質』も斬る。『斬る』『斬りたい』思いだけは止まらない。だから身体は動くし、斬れる。周囲は戦々恐々、被害は甚大。滅茶苦茶である。しかしその滅茶苦茶も斬ってしまうのが、この主人公。誰にも止められない。
「一度、どうしても斬ってみたいものがあるんだ。何か、だって? 決まっているさ。『世界』だよ」
 と言って『魔法世界』を真っ二つにしかねない主人公には期待大。