原作名:鋼殻のレギオス
作者:武芸者
最終更新日:2011年10月23日 2013年11月8日
評価:C
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=etc&all=15685&n
[あらすじ]
レイフォン・アルセイフは己の不幸を嘆いていた。
新しい門出になるはずだった学園都市ツェルニの入学式で、暴れる二人の武芸科新入生を一瞬で鎮圧。隠したい実力を第17小隊隊長のニーナに目を付けられ。生徒会長のカリアンにはヴォルフシュテインの名で脅迫され、無理矢理に武芸科へ。鎮圧した生徒はそのまま退学となるも、片方が乱暴者で有名な先輩の弟だった事で、その先輩に目の敵として追い回され。そんな不幸が山盛りの中で出会った上級生、フェリにそれとない好意を抱けば、彼女の兄は陰険眼鏡ことカリアン。
グレンダンでの生活を全てリセットし、新しい人生をやり直そうとしつつも、過去はミミズのように石の下から這い出て来る。
そんなレイフォンがわずかな幸福を求め足掻き、フェリと仲良くなっていく物語。
[文章]
三人称。文章は上手い。ただ物語全般の雰囲気から、好き嫌いが分かれると思われる。個人的には好感触。
誤字脱字は修正してもし切れておらず、たまに見かける。読ませる文章を書くだけに、このうっかりはとても残念。
[総評]
ヒロイン枠フェリ一択の原作再構成物。
出だしはやや鬱気味。レイフォンの逃げ場のない閉塞感が、暗めのトーンとなって上手く書かれている。この調子は原作1巻終了間際(第4話の後半)まで続くので、嫌いな人は途中で投げてしまうかも。
その後の雰囲気は上向くけれど、二人の甘々でイチャイチャな世界が見え始めるのは、第13話以降と遅め。その後も甘々シーンは控えめのシリアス多めなので、学園ラブコメとするには難しい。
ギャグ要員はフェリ親衛隊と、意外な事にサヴァリス。ただ、親衛隊やマイアスのオリキャラは不要だったなと、個人の嗜好として感じた。
暴走武芸者と化したレイフォンと、唯一止められるフェリの時にシリアス、時にギャグ、時に陰鬱な賑やかな学園生活の物語。
原作名:鋼殻のレギオス
作者:武芸者
最終更新日:2011年9月30日 完結済
評価:B
サイト:Arcadia
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[あらすじ]
クラリーベル・ロンスマイア。『槍殻都市グレンダン』の将来有望な武芸者。愛称クララ。
彼女の初陣の相手は雄性体一期。後見人は天剣授受者のレイフォン・ヴォルフシュテイン・アルセイフ。
あと一息の所で剄脈疲労を起こし、助けられる無様を晒した事から、クララは急速にレイフォンに関心を寄せていく。関心が恋愛感情に移行したのは、賭け試合の件でガハルドに脅迫されるレイフォンを目撃して。
ガハルドを再起不能にしてから、クララはレイフォンに告白。ここからクララの押しの一手が始まる。
クララが主人公で、レイフォンを落とすまでのラブコメ……でいいのかな?
[文章]
三人称。会話文と説明文(情景描写や心理描写)の配分も良く、物語の流れのテンポが軽快で楽しい。会話自体も面白い。
所々で誤字脱字が目に付いてしまうのが残念。
[総評]
微ギャク。ラブコメ要素多め。シリアスはスパイス程度。
セカンドとあるからには、ファーストか無印があるかと思われるかもしれない。実は原作1巻で終了した作品の続編を、そのまま後ろに付けて再開したものなので、第7話までがファーストに該当するストーリーになる。
クララのツェルニ留学にあたり、レイフォンも護衛役として天剣持参でツェルニに留学。
初陣では汚染獣相手に後れを取ったとは言え、それでも雄性体一期を単独で相手した実力者のクララ。ツェルニ最強を謳われる第一小隊が束になっても勝てるはずもなく。レイフォンは天剣を剥奪されず、モラトリアムも起こしておらず、クララ護衛の目的意識から、武芸者としての立ち位置にブレはない。
小隊戦? 幼生体の大軍? 老生体?
二人の敵ではありません。安心安全の都市生活をお送りします。
この物語は、積極的にアプローチをかけるクララに、へたれなレイフォンがなけなしの理性で耐え忍ぶ姿をニヤニヤして読むもの。
当然、ヒロイン枠はクララ一択。ニーナ含めた女性陣の影の薄さが気にならないのであれば、殺伐としたレギオス世界でのラブコメを求める人に推奨できる一作。
原作名:鋼殻のレギオス
作者:粒子案
最終更新日:2011年10月19日 2013年11月20日
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=etc&all=14064&n
[あらすじ]
グレンダンを着の身着のままで飛び出し、流れ着いた最初の街ヨルテム。
心許ない路銀に、傭兵でも始めようかと悩むレイフォンの耳に届く、助けを求める婦女子の声。そちらを伺えば、黒髪の少女が武芸者3人に絡まれている構図。
天剣がなくとも負けるはずがなく、あっさりと3人をねじ伏せた後、なぜか彼女の友人の武芸者に絡まれる不運よ。加えて心の傷を開いて塩を塗り込む毒舌に現実逃避。
いつの間にやら、助けた少女の実家トリンデン家に居候が決まり、3人娘とその家族に弄くり倒されまくるレイフォンの新生活が始まる。
[文章]
三人称。ギャグとシリアスを使い分けており、シリアスな戦闘パートをギャグでぶち壊したりしないし、その逆も然り。緩急の付け方が上手く読者を飽きさせない。
惜しいのは、誤字が少し目立つ点。話の腰を折られてしまう。
[総評]
殺人ウイルスが全世界に拡散され、南極を除いて人類が死滅。死滅に到るまでのパニックと、南極からの人類再出発を描いた物語……ではない。それは『復活の日』。
ガハルドを再起不能にした咎でグレンダン追放を言い渡され、衝動的にグレンダンを飛び出したレイフォンが、ヨルテムでメイシェン達かしまし3人娘と知り合い、なし崩し的に居候を始める所からの、レイフォン再構成物。
3人娘のオリキャラ家族、特に母親勢を鬱陶しく感じたため、ヨルテムが舞台となる第一話を読むのは苦行だったが、ツェルニに移ってからの第二話からはずっと良くなった。
ヨルテムでの社会経験から、カリアンの半強制な武芸科転科にも流されるのでなく、自分なりの思考を混ぜられた点、グレンダンの時のような一人で戦う姿勢を良しとせず、作戦やバックアップを配置する戦い方には好印象を持てる。そのための頭脳として配置された武芸者としては落第生なオリキャラ、ウォリアスが地味に渋い。ニーナは原作準拠のウザさ。
さり気ない程度に腹黒くなったレイフォンと、何気にレイフォンに強化されたナルキが光る作品。
原作名:鋼殻のレギオス
作者:粒子案
最終更新日:2011年5月18日 2013年6月26日
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=all&all=18444&n
[あらすじ]
レイフォン・サイハーデンは自他共に認める優秀な武芸者。今日も今日とて孤児院の兄弟達のため、生活費のために汚染獣戦に精を出します。
そして戦場で出会った少女、リーリン・ヴォルフシュテイン・ユートノール。天剣授受者。
ありきたりなボーイ・ミーツ・ガール。
リーリンにレイフォンは興味を持たれます。
「必死で避ける姿がとても可愛いから」
そんな理由で、老生体より怖い天剣授受者に命を狙われる羽目になったレイフォン。
さらにサヴァリスやクラリーベル、他の天剣授受者に果てはデルクまで加わり、レイフォンの日常はヘルモードに突入。その様子を王宮から覗き見するアルシェイラは大笑い。
平穏な日常を求めるレイフォンの奮闘記。
[文章]
三人称。
ギャグストーリーなので、勢いで読ませる必要があり、その点は十分にクリアしている。ただ、所々誤字を見かけるのが少し残念。話の腰を折っている。
[総評]
リーリンが孤児院に行かず、ユートノール家で天剣授受者に育ち、性格はサヴァリスと双璧を成す危険人物。レイフォンは棘を打ち込まれなかったので、優秀な武芸者止まりのサイハーデン継承者。
そんな二人が汚染獣戦で出会い、リーリンに興味を持たれたレイフォンは逃げ惑うドタバタ劇。クラリーベルの参戦で、二人の恋のさや当て(?)にもニヤニヤできる。惜しむらくは、二人とも常識欠乏が酷く、その気はあるのに色っぽい話には辿り着けない事。
アルシェイラはアルシェイラで変な趣味に目覚め、「大丈夫か、王宮?」と心配になるカオスぶり。でも一部を除けばグレンダンはいつも通りの通常運転。問題なし。
同梱の『B B R』は微ギャグの別物語。こちらも捨て難い良作。
他にも色々と本編とは関係ない短編が入っているので、元ネタが分かる人なら腹筋を鍛えるのに丁度良いだろう。それ位に笑える。
原作名:ゼロの使い魔
作者:
最終更新日:2011年3月20日 2013年9月24日
評価:B
サイト:あの作品のキャラがルイズに召喚されました
http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/3341.html
[あらすじ]
ある無人の管理世界で前文明の遺跡が発見された。たまたま教導でその世界にいた高町なのはは、ロストロギアの怖れもある遺跡の調査に向かい、そこで行方不明となる。
なのはが意識を取り戻した先は、地球の中世を思わせる文化レベルの魔法世界、ハルケギニア。そこで使い魔として召喚され、ピンクブロンドの少女、ルイズが召喚主。
地球の中世と同程度の文明と思えば、20世紀相当の技術も散見され、そのちぐはぐさに疑問を抱きつつ、自力での帰還は不可能と判断。救援の到着を気長に待つ事にしたなのは。
主人ルイズの魔法はなぜか百発百中で爆発し、教導隊で培ってきた経験が早々に活かされる事に。
なのはのハルケギニア召喚に、ガリアとエルフが興味を示し、暗躍を始めていた。
[文章]
三人称。文章もこなれていて、二つの作品をクロスさせた違和感を覚えさせない。
それぞれのキャラの喜怒哀楽や葛藤も丁寧に書かれていて、その表現の深さからも、原作への敬意も感じられる。惜しいのは、ギーシュの心情表現がおざなり気味なところか。
文章の構成力と、読ませる力量は確か。
[総評]
ライトなシリアス物。
StS編終了後の高町なのはが『ゼロの使い魔』に参戦。年齢の割に社会経験が長いだけあり、使い魔への精神操作に悪感情を持っても、それを表に出して突っかかるのでなく、飲み込む度量には好感が持てる。その度量と年上の同性という事で、ルイズも早いうちに丸くなり。
加えて、なのはが教導の経験を活かし、ルイズの魔法が使えない原因究明と専用の訓練プログラムを組んだり、タバサやギーシュ、キュルケまでもが訓練に参加したりと、生徒からの反応も悪くない。ここでの訓練が、後の原作に影響していくのは見どころの一つ。
なのはがハルケギニアで奮戦している間にも、管理局では調査が行われ、その秘密も少しずつ解き明かされていくのを読むのも楽しい。
時空管理局も関わる世界となっているので、ゼロ魔の原作の世界設定とは異なる世界になっている。独自設定・解釈も加えられている。
それでも良いと言う人なら、この作品は一読の価値がある。