原作名:マブラブオルタネイティブ
作者:ブシドー
終更新日:完結済
評価:C
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=muv-luv&all=20384&n
[あらすじ]
アラスカ国連軍ユーコン基地。そこに所属するクラウス・バーラット少尉は、新型戦術機のテストパイロット。
事の発端は業務絡み。自分の望む機動を戦術機に取らせるには、どうしてもCPUのスペックが足りない。
駄目元で申請書を提出したら、山と届いた新型ハードディスクのサンプルの山。無事な物があれば、物理的に叩き壊された物、銃痕の付いている物まであり。荷届け元は横浜基地。香月博士はかなりいらついている模様。
そんなスクラップの山から、あんなこんなで開発した新型OS、EXAM。
気が付けば中尉に出世し、横浜行きの船の上。新型OSの教導のため。
勝手にマブラブの世界で生きていくつもりだった主人公は、こうして原作に少しずつ巻き込まれていく。
[文章]
基本は主人公視点の一人称なのだが、別キャラ視点の一人称や主人公不在の三人称もありと、人称や視点のぶれまくりで少々読みにくい。せめて一人称か三人称かで統一してもらえれば、もっと読み易くなっていたと思う。
[総評]
シリアス少なめのコメディ風味。ギャグもある。さすがに佐渡島ハイヴやオリジナルハイヴ戦の時は、シリアス味が強い。
主人公は転生者。神様や前世の死因と言った描写はなく、チート能力や異能の類は持たない。自分の生きている世界が、前世でプレイしたゲームの内容だと紹介している程度。
そんな主人公は、気に入らない上司はぶん殴るは命令違反をするはで、少尉から少佐までを行ったり来たりの問題衛士。同時に朴念仁。相棒と言うべき美女少尉や他女性陣からのアプローチに、全く気が付かない。
女性関係の朴念仁ぶりに反して、何度も死にかけながらも紙一重の差で生還する悪運の強さには、読んでいて魅せられるものがある。明星作戦しかり、某基地からの撤退戦しかり、桜花作戦しかり。身体がボロボロになり、戦術機にはもう乗れないと宣告させても戦い続ける執念は凄まじく。それでも死地から必ず生還。見事としか言いようがない。
ゲームとしての知識はあっても、チート能力も地位も権力もない。一介の衛士がハッピーエンドを目指し奮闘する物語。