原作名:オリジナル
作者:夜兎__〆 夜之兎
最終更新日:2011年12月29日 2012年12月23日
評価:D
サイト:小説家になろう
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[あらすじ]
軍用に開発されたVRが、スペックダウンはあるだろうが民間でも使用できるようになった時代。ほのぼのまったりのVRばかりに飽き、血わき肉躍る戦闘VRを体験したい層向けに開発されたVRMMO『Blade Of Online』。『Of』を付けた意味が不明なのはご愛敬。
そのβ版も終了し、正規サービス開始と同時にログインした主人公達。
しかしそこは運営の手により、ログアウトできなくされていた。しかもご丁寧にも、ゲーム世界で死亡すれば、現実の肉体の方も殺されると言うデスゲーム。
武器としては最弱装備の太刀持ち主人公は、他のプレーヤーから相手にされず、一人狩りに出向き、ひょんな事から隠しエリアらしい強モンスターのいる森に迷い込んでしまう。
主人公のレベルは1。主人公のサバイバル生活が始まる。
[文章]
主人公の一人称。と言うか、セリフ付きで登場しているのは主人公以外には、運営の人と、β版の時の知人、そして妹の3人だけ。これでは三人称や他キャラ視点の一人称は難しい。誤字脱字がやや多め。英単語の綴りを正確に書けないのなら、辞書で調べてほしい。
[総評]
VRMMOのVR空間に閉じ込められたプレーヤーのサバイバル物。
「太刀は武器の中で一番中途半端で、使い物にならない設定。そんな武器を持っているプレーヤーと組むのは止めておけ」などと運営から指摘された太刀持ち主人公。お陰で、β時代の知人や妹にまで組むのを拒絶される。やむなく単独で外に出れば、事故で高レベルモンスターのいる森に迷い込み。生存のために修行をする。
流れだけなら、主人公の葛藤や、隠されているかもしれない特殊スキルの発見、ないしは自己流修行の話になりそうなもの。
しかしそんな描写は一切ない。
レベル1で高レベルのモンスターを偶然倒し、いきなりレベル26に到達。新しい技や称号をごっそり獲得、アイテムも良品。レアドロップの武器も入手。この流れで挫けた。
しかも出てくるのは、アイテムや技の名前とその説明ばかり。最新話まで読み進めても、主人公の人柄と言うのがどうにも見えてこない。思考と行動が一致していない印象。
RPGのように、数あるオートイベントをこなし、隠しアイテム・隠し技を身に着け、レベルアップしたキャラのステータスを読みたい層なら、この作品は面白いのだろう。
しかし主人公と言う『人物』の活動を読みたい人には、不向きな作品だと思う。
[2013年2月19日追記]
書籍化とのことです。おめでとうございます。