原作名:機動戦士ガンダム
作者:koshi
終更新日:2011年10月23日
評価:B
サイト:Arcadia
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[あらすじ]
時は宇宙世紀。
地球連邦軍で『野獣』の異名を馳せた男の悪運も果て、とうとう命尽きたかと思いきや、突然現れた『神』。なかなか愉快な生涯だったので、転生させてやろう、と。
願ったのは、美少女な身体に金と権力。
そして新たな母の死後に現れたのは、顔に傷のある二メートル以上の大男。ドズル・ザビ。何と転生先の肉体はザビ家ゆかり。しかも時は遡り一年戦争前。
かくして、かつて連邦軍で悪名を轟かせた野獣は、ザビ家の一人として世に放たれたのだった。
[文章]
最初は主人公視点の一人称だったのが、途中から三人称で固定。戦記物とはいかないまでも、登場人物が多く舞台移動も多い場合は、やはり三人称が読み易い。
[総評]
神様転生、TS、逆行物。
主人公の選択で吹いた。ZZの時には酸素欠乏症の影響か、愉快な性格になっていたけれど、Z時点でのあの情け容赦のなさは、レイズナーのゴステロに次いで敵役の鑑だと思う。三位は大きく引き離されてマクロスの『味方殺し』。
そんな人物が主役。期待せざるを得ない。
そして期待を裏切らずに暴れてくれる。過労で倒れたガルマには上司の心得を叩き込み、シミュレーションではシャアをあしらって喝を入れ、暴動のどさくさでガンタンクもどきを強奪し、護衛のランバ・ラルを振り回す。
そのお陰で、歴史は予想外の方向へと。
親の七光と陰口を叩かれ、功を焦っていたガルマ坊やは、ここでは広い視野と戦略眼と余裕を備えた頼もしい指揮官。偽りの親友気取りだったシャアも、後ろから撃ち殺す仇としてではなく、正面から挑むべきとライバル意識がむくむく。
勿論、好き勝手に暴れまくっていた主人公の功績は、ジオン国民の注目の的。MSのパーソナルカラーは、見るも眩しい『ピンク』。
ザビ家に放たれた野獣は、気に入らなければ上司でも殺す危険人物。あれ、この一族とは相性良さそうじゃないか。
我を貫く野獣の次の行動に期待しつつ、更新を待つ作品。