原作名:魔法先生ネギま!
作者:スィートマト
最終更新日:完結済
評価:B
サイト:サラダデイズの名残り
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[あらすじ]
ネギに告白し、恋仲になった千雨。しかしネギは魔物となり不老不死の身体。自分が老齢で死んだ後、眠りから覚めた明日菜の一人勝ちになるのは明白。
そんなのは認められるかと、エヴァの協力を得て吸血鬼『デライトウォーカー』になったのにも関わらず、ネギは73歳で死亡。
二重の意味でこんな結末を認められるか、と世界樹に祈れば、身長だけ中学生、吸血鬼の身体や記憶その他は未来のまま、2002年に逆行していた。
愛する旦那は後にも先にも死んだネギだけ。この時代のネギ、姿形は似ているけど別人。でも、自分達と同じ轍を踏ませまい。
これは純愛か、はたまた偏愛か狂愛か。
『デライトウォーカー』チサメ・スプリングフィールドが過去改変に挑む物語。
[文章]
三人称。……のはずなのに、全体を俯瞰している第三者のメタ発言があるので、苦手な人は注意。脱字は数える程度。ただし『私』を『わたくし』と読ませるために『私くし』、『デイライトウォーカー(Daylight Walker)』を『デライトウォーカー(Delight Walker)』と書く意図的な誤用あり。他の文章が良いため、この単語を用いている箇所は違和感が強い。
[総評]
エヴァンジェリンの眷属となった長谷川千雨の魔改造逆行物。種族的な理由から、魔法使いアンチ傾向。元の時間軸は原作と異なり、超が逆行してこなかった世界。どのような世界になっていたのかは、作中に挿話で説明されている他、終盤でも明かされている。そして原作通り、本編では超が健在。
一言で言えば、千雨の愛が重い、重すぎる。これだけの愛情を向けられたら、「ごめん、無理」と断って逃げ出すレベル。逃げ切れるかどうかはさて置き。それを受け入れていたネギ(故人)は、間違いなく英雄。
かと言って、作中のネギに対してヤンデレ化している訳ではない。愛するネギは故人で、目の前にいるネギとは別人と本人は割り切っている。その上で好かれたいと思ってアプローチをかけているし、元の時間では壊してしまった3-Aとの関係を取り返したいとの願いも。その願いが報われるかどうかは、読んでのお楽しみ。
7月頭にブログを閉鎖するとのことなので、それまでに一読を勧めておきたい作品。