本日より南アルプスへのバスが運行されるため我ら軟弱FFMにとっては実質の野呂川解禁日です。
芦安駐車場で仮眠に入ったまではその筈でしたが思わぬ展開が待ち受けておりました。
この日をプレゼンしたTanaさんと1時半に合流、ネットで調べたバスの始発時間は7時40分、2時に寝れば十分な仮眠時間を確保できると思ってシュラフに潜り込んだのですが‥。
車外の騒々しさに目を覚ますと4時だと言うのに釣師がウジャウジャ、しかもワゴンタイプの乗合タクシーも勢ぞろい。
何でだろうとTanaさんがタクシーの運チャンに聞いてみると、バスは定刻だがタクシーは5時10分が始発とのこと、当に寝耳に水、「そんなの聞いてねーよ!」状態。
とりあえず眠気眼で支度し、始発タクシーに乗り込んだ次第です。
幾つものトンネルを抜け、広河原に6時前に到着も、ココから先のバスはやはり定刻の9時が始発です。
そんな中、20数名のご同輩一行は先を争うが如く、林道をゾロゾロと歩いていくではありませんか。
Tanaさんの一言、「歩きますか」に何の躊躇も無く二つ返事。
群集心理とは恐ろしいものです。
定刻のバス移動を想定して春先のレイヤード、気温は11℃で調度イイかなと思いきや、歩き始めて5分も経たないうちにウェーダー内が暑くなってきました。
フーフー言いながら歩きますがバスではじっくり見れない景色も見放題、強引にプラス思考に頭を切り替えながら一歩々、確実に歩を進めます。
それにしても眼下の本流のブッ太さには不安を抱かずにはいられません。これで目的の流れも白かったら‥、マイナス思考は極力考えないことにしましょう。
気がつくとご同輩の姿は無く、前には誰も居なくなっちゃって、‥プラス思考に強引に切り替えることに。
1時間チョットで目安になるN出合へ到着。
思い込んでいたココまでの距離は5km、しかし案内板を見たら6.4km、道理で巻いた尾根の数が多かった筈です。でも目的の流れまでには、更に2km弱のしかも登りが待ち構えているのです。(泣)
7時半、やっと目的の流れに到着、心配した水量も全く問題ありません。
噴出す汗、ウェーダーに篭った熱気を追い出し暫し放心状態。さすがにすぐさまロッドを手にする気力は持ち合わせてはいませんでした。
8時、コンビニおにぎりで気力も回復したところでキャスト開始です。
気温11℃の水温5.8℃、普通ならドライの温度ではないのですが寒冷地仕様のイワナは違います。
一投目からこのサイズが出ちゃうんですから不思議と足取りも軽くなっちいました。
太古の自然がココの魚たちを育んでいるんでしょうね。
最初の堰堤でTana さんが手で拱いているので右岸の斜面を登ってみると、大小のイワナがプールの其処彼処に浮いているではありませんか。
左岸に回りこむと同じ状態にもう、心臓バクバク。一番デカイ魚にCDCカディスを投じると何の疑いも無くパクリ。
Tanaさんに目をやるとこれまた、ロッドが満月状態。
メジャーで27cmを確認し、Tanaさんとこへ行ってみると、二回りもデカイイワナがネットから尾っぽを投げ出し?横たわっているではありませんか!。
すかさずメジャーを当てると、30.5cm。しかも、完璧にヤマトです。
話によると、デカイのをロックオンしたら更にデカイのがソイツを追いやって定位したんだとか、Tanaさんの今日に賭けた執念が巡り逢わせたんでしょう、きっとそうです。
その後、数は出るものの27cmの壁は厚く、今日はTanaさんデーかと諦めた最後の最後にFlyaokiにもドラマが待っていました。
今日の最終地点である最終堰堤のプールでライズを釣っていた時、イエローサリーが目に留まったのでカディスからミドリカワゲラモドキにフライを交換。
更にティペットも6Xから7Xに替えたファーストキャストに飛び出したのは、ナ・ナ・ナント、ジャスト30cmのヤマトです。
あと数分で最終バスに乗り込むため、撤収しなければならない時間の出来事でしたから感激も一入でした。
今日のTanaさんのプレゼンが無かったらこの体験は出来ませんでした。
案の定、雪渓に山桜が咲くこのタイミングで果たしてドライで勝負になるのか、不安で一杯でしたがチャレンジすることの大切さを再認識、新たな経験則を得ることが出来ました。Tanaさん、ありがとうございました。
今度は、2泊3日の夏遠征ですが、15kgのザックを背負っての歩行を考えると正直、ゾッとします‥。