Fis-dur日記帳

博士課程院生Fis-durの日常

病み上がり

2005年01月28日 | Weblog
月曜の夜が発熱のピークでした。
熱はその後だんだん引いたものの腹痛は続き、
木曜日くらいまで満足に御飯も食べられませんでした。
でもまあ我輩のダイエットには少し貢献したかもしれません。
果物とか小サイズのうどんや蕎麦とか冷奴なんかを食べてました。
金曜日になって、ようやく普通の物が食べられるようになりました。


研修医生活が始まってからず~~っと、考える度に苛立つことがありました。
これだけの学歴を持ち、重責に耐え、労働時間も長い僕たちが
どうしてこんなに薄給で、休暇もほとんど取れない状態なのかと。

社会が医師を冷遇しているんだったら、我々だってそれに見合った働きをすればいい、
自分の患者は大切にするけれど、どこかの無医村なんかどうでもよいし、
救急だって所詮見知らぬ他人、夜中は断ってやったらいい、とまずそう思いました。
他人のことなんか気にせず、自分のことだけ考えて生きたらいいと思ったわけ。

その次に思ったのは、とにかく今は自分の能力を伸ばすことだけ考えようと。
優秀な医師になって、なかなか代わりを探せないようなレベルに達したら、
そこで高給と十分な休暇を要求して、いやなら病院やめてやる・・・と脅そうかと。

しかしそもそも日本の社会全体が、外国人留学生から"まるで社会主義国"と評されるほど
悪しき平等主義に満ちておるわけです。
医師でも弁護士でも社長さんでも、有能な奴はせっせと汗して働き税金を納めてるのに、
その一方で地方公務員はのうのうと彼らには十分すぎる給料をもらい、
もっと言うなら不当に生活保護を受けて生活しておる輩もいるわけです。
「ベンツに乗った生活保護」とか本当にいるそうですから。。。

日本の政府が医療費をケチる以上、いくら病院に待遇改善を求めても、
そうそう変わらないであろうことにも気付きました。
日本と欧米諸国を比べた場合、以下のような変わったところがあります。
・日本は患者数に対する医師・看護師の割合が非常に低い→長時間労働を強いられる。
・日本の薬価は異常に高い→売り上げの多くが製薬会社に流れ、病院の利益にはならない。
・日本の医療材料は異常に高い→おなじく手術などの売り上げも多くが業者のもとへ。
・薬事法により自由な輸入はできない→製薬会社などは手厚く保護されています。
・国の予算で医療費の割合が低い→たくさん働いても売り上げは伸びません。
・自由価格を設定するのが事実上不可能→頑張ろうにも商品価格の壁があるわけ。

日本の社会や、政府の政策がこれから大きく変わるだろうとは思いません。
だから勤務医としていくら頑張っても、長時間労働&ハイリスク&薄給は避けられないでしょう。
開業医はうんと流行ればまだ儲かるけど、厚労省の意向一つで診療報酬なんて下げられます。
かと言って政治家にでもなって社会を変えられるかというと、それまた無理でしょう。
政治家1人で世の中を動かせる時期なんて、歴史上でもあまりなかったことだし、
それに有権者の大半は、たいして能力も知力もない大衆です。
有能者が評価されて良い待遇を受けられる社会なんて、愚昧な大衆は望まないでしょう。
無能者が有能者に対して抱く反発心なんて、これまでの人生で数限りなく見てきました。

誰かに給料もらって生活しようとする限り、満足な待遇なんて得られない。
今の日本の社会で動いている保険診療のシステムに乗っかって医療を続ける限り、
馬車馬のように働いてようやくマシな売り上げになる薄利多売方式を強いられる。
そう思いました。
まだ今は全然ビジョンを描けませんが、今のうちから経済も法律もお金のことも勉強して、
なにか医者とは別の生き方を目指したっていいんじゃないかと考えました。
自分が思うように生きて、その生き方を続けてたくさん収入を得たいなら、
結局は自分の才覚と努力で、どこか世の中に居場所を見つけていくしかないでしょう。
お金が目当というよりは、色んな制度と搾取に縛られた状態から解脱したいだけ。
努力してそれが報われる環境を切り開いていこうというだけ。
医学部を卒業すると、普通は勤務医・開業医・研究者・省庁の医官くらいしか職業がありません。
たまに弁護士の資格をとって法曹の道に進む人もいますが。
でも、それ以外の進路を考えてもいいんじゃないかと思いました。
比べる相手がでかすぎて口はぱったいかも知れませんが、
魯迅だって孫文だって大村益次郎だって、一時は医学を学んだ人なのです。
自分の待遇と社会にずっと不満を抱えながら生きるより、
自分がより良く生きるために闘うほうがずっといいです。

まだ方向性は固まりませんが、将来自分に役立つものを得るために、
これからの時期をいかそうと思います。
患者のために身を粉にして働くことだって、得るものがないわけじゃありません。
自分の知力と体力をフルに使って、他人のために必死で働くことは、
たぶん後から振り返れば大切な経験になるでしょう。
臨床医として人の身体について知識を得、患者を通して世の中の色んな階級の人を見ることも
きっと勉強になると思います。
大学院に行って研究しても、きっとそこから得る物があるでしょう。
なにかするには資本が必要なので、たいした額じゃないけどお金も貯めなきゃいけません。
できるだけ色んなことを吸収して力を蓄え、自分の生きる方向性も見定めたいと思います。

今までずっと学問と芸術に興味を持ってきたし、今後もきっとそうでしょうが、
これからは自分が世の中で生きていくためにも、色んなことを勉強しようと思いました。
学問だって芸術だって、ほんとに向上しようと思ったら、
自分の全人格と全能力を賭けて対峙しなきゃいけません。
あるいは注射一つ、挿管一つにしても、習得できるまで同様の努力が必要です。
「数学の問題1つであっても、自分の全てをかけて何時間でも考えろ」と言ってた先生がいます。
もちろん考えぬく価値のある良問を選ぶ必要はありますが、僕も実際そうしてきました。
今までずっとそうしてきたんだから、何をいまさら恐れることがあるものですか。
自分の人生1回きりなんだから、思うようにやってやるつもりです。

発熱

2005年01月24日 | Weblog
昼前からお腹の具合がおかしいな~と思ってたら、午後には吐気まで出てきました。
聞いてみたら周りの研修医も同じ症状があるそうです。
心窩部不快感、発熱、全身倦怠感、筋痛が主な症状です。

自分で思うに、ウイルス性の急性胃腸炎ではないかと思います。
つーことで抗生剤は無駄ですね・・・ってか細菌性でも胃腸炎に抗生剤はあまり出さないし。
吐気は胃の中の昼御飯がなくなったらほとんど収まったので、制吐薬も不要。
市販の解熱剤だけ飲んで、家でひたすら寝ることにしました。

しかし明日は当直なんですねぇ。。。
39度前後の熱があるのに、麻酔をかけて当直ですか。。。
今日は晩御飯ぬき。まともに食べる気にもなれません。
イチゴとミカンだけ食べて、ポカリやお茶だけ飲みました。

ダイエット

2005年01月23日 | Weblog
某西洋系美術館の友の会に入会しました。
年会費5000円で、4つの西洋or近代美術館の常設展が無料になり、
そこで開かれる特別展も各展覧会ごと1度までは無料です。
家から一番近い美術館の特別展は毎回1300円かかり、
今日行ってきたのも含めて、絶対に見たい特別展が夏までに3つも予定されてます。
夏以降にもきっと面白いのがあるだろうし、特別展だけでも4回以上は行くだろうから
1300×4=5200円なので、友の会の年会費を払うほうが安いわけです。
それに年会費5000円なんて、独身者にとっては安いもの。
気の進まない飲み会を1回断ってその分のお金を回せば、1年間美術館に行けるわけ。
沢山お金を持ってたらいいんだけど、貯金も大して貯まらない程度の給料なので、
常に投資効率を考えとかないといけません。

とある手術の前に医者同士で世間話をしていたら、
3人ともダイエット中であることが判明しました。
泌尿器科医の先生は昼食抜きにしているそうです。
でも反動で夕食をガバガバ食べてしまうので、体重は変わらないとか。
麻酔科医の先生は、昼食前にお茶をたくさん飲んで、
お腹に物が入らないようにしてから昼食を食べるそうです。
少しの量で満腹感が得られるとか。
それでも体重は減らないそうなので、どこかで沢山食べてるんでしょう。

僕の課題は、間食を制限することです。
15時と夜にどうしても間食しちゃうしなあ。。。
最近は間食用に、キシリトールガムとイカ下足を家に置きました。
どうせ食べるなら、ほとんど脂肪にならずカロリーの低いものをと。
キシリトールガムは数十個で300kcal、下足は数十本で250kcalで、
僕はせいぜいガムを2~3個と、ゲソは10本くらいしか食べないので。
ゲソはタンパク質が中心で、脂質として蓄積されうる糖質や脂質も少ないです。

体重は水分でだいぶ変わるし、毎日計って一喜一憂しても仕方ないので、
1週間~10日に一度計ることにします。明日にでも体重計買ってこなきゃね。
1日に僕の年齢・身長・生活強度に相当する必要カロリーから-700kcalくらいだと
和食を中心とした普通の食生活ができるし、間食も少し可能です。
脂肪は9kcal/gなので、1日に減少する体脂肪はせいぜい数十グラムでしょう。
10日で数百グラムの減少にしかなりません。
1ヶ月単位でようやく体重減少が分かる程度ですから、気長にやることにします。

ニーチェ

2005年01月22日 | Weblog
このところニーチェの著作を読んでいます。
ニーチェ自身が勧めたとおり、『道徳の系譜』→『善悪の彼岸』→
『ツァラトゥストラかく語りき』の順番で読んできてます。
難解なんだろうと思って避けてきてたけど、とても面白いです。

道徳や宗教や民主主義をバッサバッサと斬り捨てていくので、読んでて痛快です。
それに僕自身も今までずっと納得いかなかったようなことを、
ニーチェも嫌っていたということが分かり、仲間を得たような気持ちでした。
彼の描く理想の人間像は、僕自身とだいぶ似たところがあるので、
自己肯定的な気分にもさせられました。

まぁ常識的な思想ではなく、あくまで偉大な人間にならんとする思想であり、
大衆のためでなく、高貴な魂を持った人間のためにある思想ですが、
矮小な人間の多い現代の日本には、ニーチェの思想が必要だろうと思います。


今朝は低カロリーの電子レンジ食、昼は蕎麦でしたが、晩御飯はお刺身を食べました。
デパ地下で鯛の切身をブロックで買い、家で刺身に引きました。
あと赤貝のお刺身も食べました。貝類大好き♪

動脈硬化

2005年01月18日 | Weblog
ほうぼうの科で動脈硬化性疾患の患者を診ていると、
自分も気をつけないと・・・という気にさせられます。
どっかに動脈硬化がある人って、たいてい全身の動脈が硬化していて、
心臓を栄養する動脈も、脳に行く動脈も、下肢に血を送る動脈も細くなります。
自分の足が痛くなったり、心臓のバイパス手術なんて受けるのもイヤですが、
中でも最低だと思うのは、脳に小さな血栓が多数飛んで段々とボケること。
血管性痴呆ってやつですが、将来痴呆老人になるのはヤなので、
それだったら食習慣や生活習慣に気をつけたほうがマシだと思いました。

で、またまたゆる~いダイエットを始めました。
朝:「20代女性の1日所要栄養量の1/7」とかいうレンジでチンするシリーズ。
  280kcalくらいでパスタとかリゾットとかあります。あとはお茶を飲んで終わり。
昼:魚などヘルシーなものと野菜の小鉢を組み合わせ、1汁3菜の和食スタイル。
夜:揚げ物定食などドカ食いになるものを避ける。
間食:おやつに飴玉くらいは可。夜はキシリトールガム2つ+あたりめ数本くらい。
・・・という感じでやってます。
昼食までを合計1000cal以下に抑えるのはたやすいので、
晩御飯にカロリー高いものを食べないことと、間食のコントロールがキーになりそう。

ちなみに昨日の摂取栄養量は1660kcalでした。
僕の必要熱量からマイナス700kcalなので、脂肪も数十グラムは減るでしょう。
野菜の方はたくさん採るので心配なし。
脂肪は必須脂肪酸とか最低限必要なコレステロールがあるので、少しは取るつもり。
アミノ酸も神経伝達物質の原料として大切だし、食事からしか採れないものもあるので、
タンパク質は減らしすぎないように気をつけるつもりです。
幸せを感じるためにも、人として立派であるためにも神経伝達物質は大切です♪

やる気なし子

2005年01月18日 | Weblog
某病棟の22歳の看護婦さんたちから、新年会をしようとオファーがありました。
「若い子と合コンくゎっ!ええのぉ」などと思われるでしょうが、
我々研修医のノリはいまひとつ。
・・・どっちかというと「また??」という感じです。

いちおう男性医師&若い看護婦の合コンではあまりに露骨だと思ったか、
研修医の男女とも誘われているのですが、男のほうのノリがいまひとつ。
乗り気なのは30代の男性研修医2人だけで、20代の男性研修医は3人ともやる気なし。
昨年の秋ごろに同様の飲み会をしたのですが、
まーはっきり言うと、こちらは大して面白くもなかったということでしょう。

僕の好みとしては、頭が良くて優雅さのある女性のほうがいいですしねぇ。
若くて可愛い看護婦さんが集まるならまだしも、某病棟のコたちはあまり・・(以下略
それだったら、年上の女医と一緒に御飯でも食べる方がずっと楽しいと思います。

自分より何歳か若いと、ある程度許せちゃうところはあって、
僕も病棟で若い看護婦さんにはまず怒らないし、自分の患者に処置をする時、
21歳の新人が重たいカートを押してたので、一緒に引いて行ったりとか、
実習中の看護学生の質問には親切丁寧に答えたりとか、それくらいはしますけどねぇ。。。

初詣

2005年01月16日 | Weblog
厳島神社に行ってきました。
ふだん長時間働いている姿を天が見そなわしたか、いいお天気でした。
ちなみに今年の初おみくじは「吉」。いいことありますように。

旬の牡蠣も食べました。焼き牡蠣とか美味しかったです。
広島にも寄りましたが、外人がかなり来てました。
原爆落とした毛唐の方々には、ちゃんと原爆の悲惨さを記憶しといてもらわないとね。

新年会

2005年01月12日 | Weblog
夜の19時までに仕事を終わらせ、某科の新年会に行きました。
料理屋さんでフグ料理のコースでした。
皮の湯引き、てっさ、唐揚げ、ヒレ酒、白子、フグしゃぶ&てっちりなど。
てっさと唐揚げが美味しかったです。幸せ~~(〃 ̄ー ̄〃)

しかし、医者だけの飲み会のほうが断然楽しいです。
色んな面白い話が聞けるし、面白い話をして相手に通じるから。
あと、自腹を切らずに結構よいところで飲食できるのも有難いかも。

当直

2005年01月10日 | Weblog
久しぶりに"濃い"当直でした。
心筋梗塞で運ばれてきて心肺停止した人が2人もいました。
1人は昔に心筋梗塞をしてた上に、今回別の場所でも新たな梗塞が起こったため、
心機能はほとんどありません。数時間後に亡くなられました。

もう1人は梗塞によって脆くなった心筋に穴が開き、心破裂の状態になりました。
救急外来で開胸手術となり、その穴を塞ぎました。
心臓に穴なんか開いてるもんだから、血が出るわ出るわ。。。輸血も大量です。
人工心肺装置などもつけられましたが、なにせ心筋梗塞で心臓の動きは悪いし
心破裂による出血と梗塞による心不全で、腎臓に血液がいかず腎不全も併発してきて、
さらに脳に行く血液も相当少なくなってたようで、どうも脳がヤバそうな所見も。。。
明日まで生きているだろうか・・・。

他に来たのは、脱水で入院になったお爺ちゃんや喘息発作の90才女性、
新地に勤める20代前半のホステスなど。。。
ホステスの子は胸の谷間を強調した服を着てきました。化粧もバッチリ。
さすがホステス・・・とドキドキしつつ診察してました。
医局に帰ると「ずっと休みがなくて疲れた~~~」と嘆く28才の女医が、
今日に限って、不自然なまでに胸の大きく開いた服を着てました。
ほぼ平坦で谷間なぞないところが悲しいですが。。。

心筋梗塞が2件、喘息1件、大きく開いた胸2件で、胸部に縁のある1日でした。

読書

2005年01月08日 | Weblog
最近、読書量が増えております。

エンデの『鏡の中の鏡』を読みました。
それぞれ独特な世界を描いた30の短い物語が、1つ1つつながっていきます。
なかなか面白かったです。

ニーチェの『道徳の系譜』を読んでる途中。
彼は人類を貴族的人間と奴隷的人間に分けて論じてます。
まだ読み始めたばかりですが、意外と自分の周りにもあてはまるし面白い。

メル友さんからヘッセの本を紹介され、大変感動したので書いて送りました。
哲学的なことや芸術に関すること、文学の話などもできる相手なので、
もうとても良い感じです。
小説の中にあった恋愛の部分についても書いてみました。
いかなるレスポンスを返してくれるか、楽しみ楽しみ。