Fis-dur日記帳

博士課程院生Fis-durの日常

学会

2011年10月30日 | Weblog
久しぶりに学会に参加しました。
会場近くのホテルで良いめのランチを食べ
講演を聴いて帰りました。
旨い物を食べ、普段の勤務中と違って時間的余裕を満喫し
学問的にも満足できれば楽しい学会です。

       * * *
 
大学院で研究をしているので、
お医者さん主体の学会(例:内科学会など)と、
研究者の学会(免疫学会など)に所属していますが
少し雰囲気が違うように思います。

お医者さんも人によって様々ですが、
「学会という機会でしか病院を休めない」
という状態の勤務医も多々います。
病院が忙しすぎて、あまり長く休むと同僚から恨まれ、
他府県の学会へ行けばお土産は必須です。
(担当患者や外来を代わりに診てもらうので)。
そういう医師にとっては、学会は貴重な旅行機会です。
美味しいものも食べ、人によっては家族旅行を兼ねます。

そうでなくとも、駆け出しの頃から学会で発表させられて、
開催中の一日は同じ部署の医師で集まり、美味しいお店で
上級医の奢りで食事するというパターンに慣れています。
(少し前までは製*会社の奢りパターンもありましたが・・)。

お医者さん主体の学会ですと、
開催日近くになって学会ホームページから宿泊予約しても
高い部屋は全て埋まっています。中くらいの部屋も満室です。
自分で探すかビジネスホテルくらいしか空いていません。

一方、研究者主体の学会だと高級ホテルが空いていました。
高級といっても、都内の超高級ホテルではなく
地方都市で一番良いクラスのホテルです。
大先生たちは良いところに泊まるのでしょうが
医師以外の研究者はあまりお金をかけないようです。


今度、けっこう時間のかかる場所で研究者主体の学会があり
私はグリーン車で行って、良いところに泊まりたいのですが・・。
近場であればビジネスホテルで構わないのですが、
わざわざ遠くまで行き、かつ学会前後もそれなりに忙しいので
なるべく疲れたくないというのが本音です。
研究ではまだ雑魚なのに、偉い先生たちと宿泊先で遭遇したら
ちょっとビミョーかなあ・・と思って悩みます。

サドマゾ

2011年10月25日 | Weblog
日本でお医者さんになるような人は
基本的にかなり真面目です。
勉強もできてスポーツもして・・という人も多々います。
ついには、修行している自分が好き♪という状態に陥り、
過酷な労働環境に身をおいたり
上級医からなじられたりするのが快感になったり
そういう人まで発生します。
本人にとっては修行なので苦にならないようです。

私も昔、鮨屋で修行する若い者が出てきて
バカヤロー!と親方から殴られるドラマが好きでしたが
どっちかというとバカヤローと言う側になってしまいました。

知り合いのある医師は、与えられた資料をなくしてしまい
指導教官に死ねと言われましたと笑って話していました。
(もちろん本気で死ねと言われたわけではなく、
ベースに愛情がある死ねだったのでしょう)。
マゾっ気がある男なので、むしろ楽しそうでした。

上級医「お前これじゃあダメだろうが」
下級医「すみませんっ!」
という関係は教授になってさえ続くという話です。
(退官した御大に怒られたりするようです)。
いまだに上下関係の残っている世界です。

専門医

2011年10月23日 | Weblog
後輩が専門医資格試験を受けたそうです。
二つも受けたそうで、頑張っているなあと思います。

卒後もしっかり勉強し、専門医資格も最短で取ってやろうという
そういう気合が大事です。そういう人は早めに合格したらその後、
専門医としての技量や学識を維持しようとまた努力するでしょうから。

専門医資格取得によって給料が増えるケースは少ないですが、
周りの医師や若手からの評価は変わります。
いい年して内科認定医(専門医受験以前に必要な第1段階)さえ未取得では
きちんとした内科医だと同僚から思われることは絶対にありません。
自分の分野の専門医を取らないと、研修医からも軽く見られます。

必要な資格はきちんと取っておくほうが結局は楽です。
私も取得があと1年遅かったら、少し肩身が狭かったかも知れません。
最短もしくはプラス1年くらいで専門医資格を取得しておけば
「やるべきことをきちんと行ってきている医者」という評価になるので
わりと自分の裁量を認めてもらえるというメリットもあります。

まとめること

2011年10月23日 | Weblog
定期的に、実験の経過をまとめて発表しないといけません。
準備が正直面倒なのですが、これをすることで
考えがまとまったり、新しい事を思い付いたりもします。

そうは言うものの、
「世界中誰も知らないこと」を研究しているわけですから
一本綺麗にスジの通った格好良い発表などはなかなかできず、
煮え切らないコメントしか出来ない場合も多々あります。
Aかも知れない、Bかも知れない、
それはまだ今後さらに実験しないと分かりません、という具合に。
研究が完成する直前まで、あやふやなことが続くのでしょう。

           * * *

医師不足とよく言われるようになりましたが、
医学研究の方面も人手不足です。
まず医学部で研究を指導できる優秀な教官が足りません。
病気によっては、研究者すらほとんどいません。

1. 医学部卒
2. 臨床経験あり
3. コミュニケーションがまとも
4. 教育に対する情熱があり、実際に学生を伸ばしている
5. 実験の技術的指導もできる
6. 自身もレベルの高い研究業績がある
7. 社会常識がある
以上を備えた指導教官は医学部にほとんどいません。
(医学部や製薬企業でなければ1,2は全く必要ないと思います)。

内科などの場合、1~2はクリア、3はなんとかクリアしますが
4~7が難しいです。特に4と6が非常に困難です。

実験がうまく行きました

2011年10月14日 | Weblog
今日は珍しく、考えたとおりの実験結果が得られました。
これこれをしたらきっとこうなるだろうと予想して
今まで誰もしたことがない新しい実験をしたとき、
予想どおりに行くことはまずありません。

これまで劇的な実験結果をいくつか得ていますが、
それらは当初考えてもいなかった結果ばかりで、
まさに瓢箪から駒という感じでした。
今回は、狙ったとおりのものが観察できて、
ある遺伝子の有無によってクリアな個体差が出ました。

研究者として、我ながらなかなかセンスが良さそうです。
こういうことを自分で言うのはおこがましいのですが、
学力・スピード・創造性・観察力が備わっている気がします。

そうは言っても、一つ一つのことにはさらに上級者がいますし
信じられないくらい大量の論文を書ける人も実際に見たので
少しのことで慢心せずコツコツ頑張らないといけませんが。

もう少し深いところまで追求したら論文が書けそうです。

医師は基礎研究に向くか?

2011年10月07日 | Weblog
大学院の4年生(非医師)が、
今年研究室に来た大学院生(医師)を指導しています。
医者ってみんなプライドが高くて教えにくいものですか?と私に聞きます。

これまで実験したことがほとんどなく、
器用さ・几帳面さはあまりなさそうな人ですが
プライドが高くて、注意すると嫌そうな感じだとか。
卒後5年目のお医者さんなので、臨床はある程度色々できますが
少なくとも研究は素人です。

ラーメン作るより簡単な、DNA抽出キットでさえ
なぜかその人が使うとDNAが取れないそうです。
大学院の1年生ですから、ごく基本的なところから
一つ一つきちんと習得したほうが、結局早いだろうと思います。
その人が研究したいある種の細胞も、作り方は確立されてますが
その人に作らせると世話が不十分で作れなかったようです。

私と同じ大学の医学部出身者ですが、謙虚に勉強しないと
医師としても、研究能力の面でも伸びないと思います・・。

実験

2011年10月07日 | Weblog
見たいタンパクを蛍光で光らせるために
プラスミドに遺伝子を組み込んでいます。

まず目的のタンパクの遺伝子を都合の良い形で増やし、
次にそれをプラスミドに組み込めるよう切断し、
遺伝子断片をつなぎ合わせる酵素で処理し、
リング状になった遺伝子を大腸菌に入れて増やし、
出来の良いやつを選んできて、
最後にそれを大量に増やします。

一つ一つが初めてなので、
上手くいくか毎日ドキドキです。
最初に少々手こずりましたが、その後は順調です。
明日、出来の良いやつがあれば完成です。