なんだか恐いタイトルをつけてしまいましたが、
医師の労働環境は年々悪くなってきているので、
医師のやる気もあちこちで限界に達しているようです。
そもそも医師という職業は、誰か1人が主治医となって患者を診るので
どうしたって労働時間が不規則になりがちです。
土日や夜間でも自分の患者の具合が悪ければ病院に行くし、
状態が不安定な患者がいれば連休中も病院に顔を出したりします。
何も好んでそうしているわけじゃなくて、
自分の受持ち患者に対する愛情と責任感みたいなのもあるし、
人命がかかっていることだから、自分に鞭打って診に行くわけです。
また、人口に対する医師数は全然足りてないので、
「仕事が早く終わることもあれば遅くなることもある」なんてことはありえません。
「良くて就業時間いっぱいまで働き、悪ければ夜遅くなる」のが常です。
都会の病院だって外来で何時間も待たされるし、
田舎に至っては医師がほとんどいなかったりするわけですから、
足りない数の医師が患者のためにせっせと働いてる現状がお分かりでしょう。
さて、こうした長時間労働者に何をあげれば満足するでしょう?
お金をたくさんあげれば、過剰労働も少しは報われるかも知れませんね。
・・・ところがまた、お金にもそんなに恵まれておりません。
医療行為に対する報酬は、厚生労働省によって何が何円と厳密に決められています。
寿司屋は店によって値段が違うのに、医療行為だけは、トップレベルの医師がしたことでも
研修医がしたことでも、同じ種類の行為であれば同じ報酬しか受け取れません。
どんなに研鑽を積んでも報酬は一緒。
しかも厚生労働省の意向一つで、ぎりぎり赤字にならないところまで報酬は引き下げられます。
また、病院での支払いは0~3割が患者負担、残りの7~10割は国が払っているので、
高齢化社会になると老人が増える→病人が増える→医療費が増大→国の負担も増大します。
国は医療費を削る方針だそうなので、今後ますます医師は薄利多売方式を強いられるでしょう。
超多忙な業務をこなしてロクな給料もらえないのでは、やる気もそこそこになりますよね。
さらに追い討ちをかけるかのように、国は病院にできるだけ金を払わない方針を取っています。
今でさえ、検査や投薬がある制限数を超えると、自動的にその分は病院負担になります。
不必要な検査や投薬を防ぐための制度ではありますが、その制限数たるやかなり厳しい。
たとえば血液検査でも、内科的にきっちり患者の状態を把握するには足りません。
今のところは病院負担になっても、患者さんのために採血回数をできるだけ少なくしていますが、
国のケチ具合が一層厳しくなってきたら、1回の採血でできてしまう検査を、
2回の採血に分けて検査せざるを得なくなるかもしれません。
医師としても普通の常識人としても、痛い思いは一度で済まさせたいと思うのですがね。。。
他にももっとおかしなことだって、厚生労働省によって進められつつあります。
もともと責任の重い仕事だし、知力も精神力も体力も使う仕事なのに、
医師の労働環境はどんどん悪くさせられています。休暇も報酬も。
それがどこの意向かといえば、厚生労働省。
最近も「医療ミスを繰り返す医師の再教育制度を」なんて厚生労働省は言ってますが、
再教育とは一定期間の社会奉仕義務+技術研修だそうです。・・・しかも自費で。
同じ病名でも、病気の現れ方や進み方、薬への反応は個人差が大きいし、
まっとうな医療をしていても、急に現れた親戚がイチャモンをつけてくることだってあります。
そんな不確定なものを扱う職業なのに、訴訟でもされたら自腹を切ってタダ働きですか。。。
な~んか全然、将来への希望がないですよねえ。
今まで熱意をもって頑張ってきて、患者のために病院に泊り込んでたような医師たちでさえ、
最近の労働環境悪化によって、愚痴は言うしやる気も低下してきてる感じです。
うちの病院でも医師によっては、夜中過ぎると救急車の受け入れを止めています。
(救急隊とネットでつながっていて、どこの病院でどんな救急患者を受け入れられるか、
リアルタイムに表示されるシステムがあります。それで受入表示を×にするだけ。
さすがに来院した患者をを断ったりはしません。)
夜中過ぎて救急患者を診ても、翌朝から翌日の夜まで平常どおり仕事がありますしね。
25才の僕でさえ、夜中の3時くらいに急患で起こされると翌日しんどいです。
40代、50代の医師になるとなおさらしんどいでしょう。
本当に胸が痛い、お腹が痛いという人は普通に診ますが、
夜中過ぎて来院する酔っ払いや、たかが半日の便秘で来る患者は、はっきり言えば迷惑です。
京都府のとある公立病院からは内科医たちが全員いなくなり、
宮崎県の病院では麻酔科医が集団辞職したりしています。
医学生にも、ハードな科は人気がなくなってきており、
人命に関わる責任の少ない科や、休暇が普通にとれそうな科に人が行くようになっています。
・・・なにも医師に酒池肉林の生活をさせろと言ってるわけじゃなく、
学歴と職責と労働時間に見合った報酬をくれて、人並みの休暇が欲しいだけなんですがねぇ。
せめてそれくらいちゃんともらえれば、責任持って楽しく働くんだけど。
逆に言えば、まともな報酬と休暇を出さない病院は潰れたらいいと思います。
住民が困ろうが死亡率が上がろうが、医師だって疲れもすれば腹も減るただの人間である以上、
医師の努力だけではどうしようもないことです。
医師がいなくなるような労働環境を作った行政と病院の問題であろうと思います。
医師の労働環境は年々悪くなってきているので、
医師のやる気もあちこちで限界に達しているようです。
そもそも医師という職業は、誰か1人が主治医となって患者を診るので
どうしたって労働時間が不規則になりがちです。
土日や夜間でも自分の患者の具合が悪ければ病院に行くし、
状態が不安定な患者がいれば連休中も病院に顔を出したりします。
何も好んでそうしているわけじゃなくて、
自分の受持ち患者に対する愛情と責任感みたいなのもあるし、
人命がかかっていることだから、自分に鞭打って診に行くわけです。
また、人口に対する医師数は全然足りてないので、
「仕事が早く終わることもあれば遅くなることもある」なんてことはありえません。
「良くて就業時間いっぱいまで働き、悪ければ夜遅くなる」のが常です。
都会の病院だって外来で何時間も待たされるし、
田舎に至っては医師がほとんどいなかったりするわけですから、
足りない数の医師が患者のためにせっせと働いてる現状がお分かりでしょう。
さて、こうした長時間労働者に何をあげれば満足するでしょう?
お金をたくさんあげれば、過剰労働も少しは報われるかも知れませんね。
・・・ところがまた、お金にもそんなに恵まれておりません。
医療行為に対する報酬は、厚生労働省によって何が何円と厳密に決められています。
寿司屋は店によって値段が違うのに、医療行為だけは、トップレベルの医師がしたことでも
研修医がしたことでも、同じ種類の行為であれば同じ報酬しか受け取れません。
どんなに研鑽を積んでも報酬は一緒。
しかも厚生労働省の意向一つで、ぎりぎり赤字にならないところまで報酬は引き下げられます。
また、病院での支払いは0~3割が患者負担、残りの7~10割は国が払っているので、
高齢化社会になると老人が増える→病人が増える→医療費が増大→国の負担も増大します。
国は医療費を削る方針だそうなので、今後ますます医師は薄利多売方式を強いられるでしょう。
超多忙な業務をこなしてロクな給料もらえないのでは、やる気もそこそこになりますよね。
さらに追い討ちをかけるかのように、国は病院にできるだけ金を払わない方針を取っています。
今でさえ、検査や投薬がある制限数を超えると、自動的にその分は病院負担になります。
不必要な検査や投薬を防ぐための制度ではありますが、その制限数たるやかなり厳しい。
たとえば血液検査でも、内科的にきっちり患者の状態を把握するには足りません。
今のところは病院負担になっても、患者さんのために採血回数をできるだけ少なくしていますが、
国のケチ具合が一層厳しくなってきたら、1回の採血でできてしまう検査を、
2回の採血に分けて検査せざるを得なくなるかもしれません。
医師としても普通の常識人としても、痛い思いは一度で済まさせたいと思うのですがね。。。
他にももっとおかしなことだって、厚生労働省によって進められつつあります。
もともと責任の重い仕事だし、知力も精神力も体力も使う仕事なのに、
医師の労働環境はどんどん悪くさせられています。休暇も報酬も。
それがどこの意向かといえば、厚生労働省。
最近も「医療ミスを繰り返す医師の再教育制度を」なんて厚生労働省は言ってますが、
再教育とは一定期間の社会奉仕義務+技術研修だそうです。・・・しかも自費で。
同じ病名でも、病気の現れ方や進み方、薬への反応は個人差が大きいし、
まっとうな医療をしていても、急に現れた親戚がイチャモンをつけてくることだってあります。
そんな不確定なものを扱う職業なのに、訴訟でもされたら自腹を切ってタダ働きですか。。。
な~んか全然、将来への希望がないですよねえ。
今まで熱意をもって頑張ってきて、患者のために病院に泊り込んでたような医師たちでさえ、
最近の労働環境悪化によって、愚痴は言うしやる気も低下してきてる感じです。
うちの病院でも医師によっては、夜中過ぎると救急車の受け入れを止めています。
(救急隊とネットでつながっていて、どこの病院でどんな救急患者を受け入れられるか、
リアルタイムに表示されるシステムがあります。それで受入表示を×にするだけ。
さすがに来院した患者をを断ったりはしません。)
夜中過ぎて救急患者を診ても、翌朝から翌日の夜まで平常どおり仕事がありますしね。
25才の僕でさえ、夜中の3時くらいに急患で起こされると翌日しんどいです。
40代、50代の医師になるとなおさらしんどいでしょう。
本当に胸が痛い、お腹が痛いという人は普通に診ますが、
夜中過ぎて来院する酔っ払いや、たかが半日の便秘で来る患者は、はっきり言えば迷惑です。
京都府のとある公立病院からは内科医たちが全員いなくなり、
宮崎県の病院では麻酔科医が集団辞職したりしています。
医学生にも、ハードな科は人気がなくなってきており、
人命に関わる責任の少ない科や、休暇が普通にとれそうな科に人が行くようになっています。
・・・なにも医師に酒池肉林の生活をさせろと言ってるわけじゃなく、
学歴と職責と労働時間に見合った報酬をくれて、人並みの休暇が欲しいだけなんですがねぇ。
せめてそれくらいちゃんともらえれば、責任持って楽しく働くんだけど。
逆に言えば、まともな報酬と休暇を出さない病院は潰れたらいいと思います。
住民が困ろうが死亡率が上がろうが、医師だって疲れもすれば腹も減るただの人間である以上、
医師の努力だけではどうしようもないことです。
医師がいなくなるような労働環境を作った行政と病院の問題であろうと思います。