Fis-dur日記帳

博士課程院生Fis-durの日常

人命と言ったって・・・

2004年12月29日 | Weblog
なんだか恐いタイトルをつけてしまいましたが、
医師の労働環境は年々悪くなってきているので、
医師のやる気もあちこちで限界に達しているようです。

そもそも医師という職業は、誰か1人が主治医となって患者を診るので
どうしたって労働時間が不規則になりがちです。
土日や夜間でも自分の患者の具合が悪ければ病院に行くし、
状態が不安定な患者がいれば連休中も病院に顔を出したりします。
何も好んでそうしているわけじゃなくて、
自分の受持ち患者に対する愛情と責任感みたいなのもあるし、
人命がかかっていることだから、自分に鞭打って診に行くわけです。

また、人口に対する医師数は全然足りてないので、
「仕事が早く終わることもあれば遅くなることもある」なんてことはありえません。
「良くて就業時間いっぱいまで働き、悪ければ夜遅くなる」のが常です。
都会の病院だって外来で何時間も待たされるし、
田舎に至っては医師がほとんどいなかったりするわけですから、
足りない数の医師が患者のためにせっせと働いてる現状がお分かりでしょう。

さて、こうした長時間労働者に何をあげれば満足するでしょう?
お金をたくさんあげれば、過剰労働も少しは報われるかも知れませんね。
・・・ところがまた、お金にもそんなに恵まれておりません。
医療行為に対する報酬は、厚生労働省によって何が何円と厳密に決められています。
寿司屋は店によって値段が違うのに、医療行為だけは、トップレベルの医師がしたことでも
研修医がしたことでも、同じ種類の行為であれば同じ報酬しか受け取れません。
どんなに研鑽を積んでも報酬は一緒。
しかも厚生労働省の意向一つで、ぎりぎり赤字にならないところまで報酬は引き下げられます。

また、病院での支払いは0~3割が患者負担、残りの7~10割は国が払っているので、
高齢化社会になると老人が増える→病人が増える→医療費が増大→国の負担も増大します。
国は医療費を削る方針だそうなので、今後ますます医師は薄利多売方式を強いられるでしょう。
超多忙な業務をこなしてロクな給料もらえないのでは、やる気もそこそこになりますよね。
さらに追い討ちをかけるかのように、国は病院にできるだけ金を払わない方針を取っています。
今でさえ、検査や投薬がある制限数を超えると、自動的にその分は病院負担になります。
不必要な検査や投薬を防ぐための制度ではありますが、その制限数たるやかなり厳しい。
たとえば血液検査でも、内科的にきっちり患者の状態を把握するには足りません。
今のところは病院負担になっても、患者さんのために採血回数をできるだけ少なくしていますが、
国のケチ具合が一層厳しくなってきたら、1回の採血でできてしまう検査を、
2回の採血に分けて検査せざるを得なくなるかもしれません。
医師としても普通の常識人としても、痛い思いは一度で済まさせたいと思うのですがね。。。
他にももっとおかしなことだって、厚生労働省によって進められつつあります。

もともと責任の重い仕事だし、知力も精神力も体力も使う仕事なのに、
医師の労働環境はどんどん悪くさせられています。休暇も報酬も。
それがどこの意向かといえば、厚生労働省。
最近も「医療ミスを繰り返す医師の再教育制度を」なんて厚生労働省は言ってますが、
再教育とは一定期間の社会奉仕義務+技術研修だそうです。・・・しかも自費で。
同じ病名でも、病気の現れ方や進み方、薬への反応は個人差が大きいし、
まっとうな医療をしていても、急に現れた親戚がイチャモンをつけてくることだってあります。
そんな不確定なものを扱う職業なのに、訴訟でもされたら自腹を切ってタダ働きですか。。。


な~んか全然、将来への希望がないですよねえ。
今まで熱意をもって頑張ってきて、患者のために病院に泊り込んでたような医師たちでさえ、
最近の労働環境悪化によって、愚痴は言うしやる気も低下してきてる感じです。
うちの病院でも医師によっては、夜中過ぎると救急車の受け入れを止めています。
(救急隊とネットでつながっていて、どこの病院でどんな救急患者を受け入れられるか、
 リアルタイムに表示されるシステムがあります。それで受入表示を×にするだけ。
 さすがに来院した患者をを断ったりはしません。)
夜中過ぎて救急患者を診ても、翌朝から翌日の夜まで平常どおり仕事がありますしね。
25才の僕でさえ、夜中の3時くらいに急患で起こされると翌日しんどいです。
40代、50代の医師になるとなおさらしんどいでしょう。
本当に胸が痛い、お腹が痛いという人は普通に診ますが、
夜中過ぎて来院する酔っ払いや、たかが半日の便秘で来る患者は、はっきり言えば迷惑です。

京都府のとある公立病院からは内科医たちが全員いなくなり、
宮崎県の病院では麻酔科医が集団辞職したりしています。
医学生にも、ハードな科は人気がなくなってきており、
人命に関わる責任の少ない科や、休暇が普通にとれそうな科に人が行くようになっています。
・・・なにも医師に酒池肉林の生活をさせろと言ってるわけじゃなく、
学歴と職責と労働時間に見合った報酬をくれて、人並みの休暇が欲しいだけなんですがねぇ。
せめてそれくらいちゃんともらえれば、責任持って楽しく働くんだけど。
逆に言えば、まともな報酬と休暇を出さない病院は潰れたらいいと思います。
住民が困ろうが死亡率が上がろうが、医師だって疲れもすれば腹も減るただの人間である以上、
医師の努力だけではどうしようもないことです。
医師がいなくなるような労働環境を作った行政と病院の問題であろうと思います。

当直明け

2004年12月27日 | Weblog
日曜日は24時間、当直でした。
風邪にかかった親子3人が1人ずつ、数時間あけて順番に来院したり、
「薬を飲んで授乳できないと、子供が夜泣きするし、お乳が張るんです」と訴えられたり、
何という病気かは分からないけど先天異常っぽい子が現れたり。

しかし午前1時半~3時まで起こされたので、翌朝むちゃくちゃ眠い。。。
指導医と一緒に麻酔をかけながら、午前中はなんだかふらふらするし、気分もよくなかったです。
(あ~あ、フラフラする~。肩も凝って気持ちわりぃ。声出したくない・・オエエ)と直前まで思いながらも、
手術室に入ってきた患者には明るく爽やかに話しかけましたが。。。

しかし日曜日の朝8時半から夜中0時まで働き、真夜中に起こされ、
翌日は朝から夜19時過ぎまで手術で、37時間連続労働ですな。
手術で遅くなったせいで、今日あった内科系病棟の忘年会には行けませんでした。
まあ医者の参加費が8000円で、遅れて行くと開始後1時間経過になってしまうので、
薄給の研修医なのに金はかかるし、食べるものはそれほど残ってなかろうし、
投資効率が悪いので行くのを自らやめたのですが。
行ったところで若くて可愛い看護婦さんに囲まれるわけでなし、
翌日から特に仕事がやりやすくなるわけでもないので。。。
しかし病棟忘年会の一次会で8000円なんて聞いたことないです。
医者と看護婦で参加費が違うんじゃなかろうか。
給料の面においては、研修医は全く医者ではないということを認識してほしいものです。

ちなみに先月の労働時間を計算してみたら、労働基準法に定める2倍以上の時間でした。
給料を労働時間で割ってみると、時給約800円でした。
国民の皆様が命を預けてるのは、ファーストフードのバイト並みの給料の医者ってことですね。
バイト並みの知力と責任感で診てあげてよろしいのでしょうか?
労働基準法をパラパラと読んでみたら、
「第69条 使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、
 技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。」
ってあるんですがねぇ・・・。研修医でも週80時間労働はまずいでしょ。
ちなみに週60時間労働が過労死ラインだそうです。
今まで一番忙しかった時は週100時間に達したことがあるけれど、
イライラしやすくなるし物にはよくぶつかるし、なかなか危ない状態になります。
そうそう・・・以前に関西医大で研修医が過労死したけれど、今の労働時間は彼と一緒です。
死んで賠償金もらっても仕方ないので、ほんとに疲れたら、自分を大切にすることにします。

クリスマス

2004年12月23日 | Weblog
いつの間にやらクリスマスが近づいてきました。
地下街なんかでもクリスマスソングが流れてます。
改めて「Last Christmas」の歌詞を読んでみると、
ちょうど今の自分にピッタリはまる部分も多いなぁ、と。

> Last Christmas I gave you my heart
> But the very next day you gave it away
> This year to save me from tears
> I'll give it to someone special - special

↑ここらへんなんかズバリその通り。
昨年の12月でしたなあ・・・。
The very next dayでなくafter three daysでしたが。

> Once bitten and twice shy
> I keep my distance but you still catch my eye
> Tell me baby do you recognize me?
> Well it's been a year it doesn't surprise me

↑distanceは向こうから作られたところが少し違うかな。
簡単に言うと「避けられた」っつーやつです。
そう言えば、ちょうどあの頃はストーカーという言葉が流行ってたころで、
僕も非常に気を遣ってどうしたもんかと考えてたのを覚えてます。
今になって考えると、実に馬鹿々々しいことです。
もう離れてしまったので、まず目にする機会もありません。

> I wrapped it up and sent it with a note
> Saying I love you I meant it
> Now I know what a fool I've been
> But if you kissed me now I know you'd fool me again

↑ここらへんは違うなあ。
if you kissed me now I know you'd fool me againなんかは特に。
何年も友達で来たくせに、手の平を返して完全無視とは驚きました。
自分の都合良い間は友達で、都合が悪くなるとゴミみたい。親の顔が見たいです。
人として信用しなくなったので、againはありえません。

> A crowded room friends with tired eyes
> I'm hiding from you and your soul of ice
> My god! I thought you were someone to rely on
> Me? I guess I was a shoulder to cry on

I thought you were someone to rely onと、
I was a shoulder to cry onがまさにその通り。
一方的に相談したり不安を訴えるための相手だったのかよって感じ。
そのくせ自分は一言断って、それきり一切無視。
女の弱さを盾に取った背信行為です。

> A face on a lover with a fire in his heart
> A girl under cover but you tore me apart
> Oooh
> Now I've found a real love you'll never fool me again

> Who'll give me something in return
> Oh my heart it was young
> Oooh
> Now I've found a real love you'll never fool me again

tore me apartもその通り。
どちらかが一方的に何かするような関係もおかしいですよね。
愛情を注ぐ甲斐のある相手、ちゃんと応えてくれる相手を探しましょっと。やれやれ。

もう一つ、最近コブクロの「永遠にともに」を聴いて、いいなあと思いました。
こんなことを言えるような相手に巡りあいたいものです。

> 心が今とても 穏やかなのは この日を迎えられた意味を
> 何よりも尊く感じているから
> 特別な事など何もない ただ いつもより少し
> シャンとした服を着てるだけ 君はとても綺麗だよ
>
> 何かといつも忙しく まだまだ想い出は多くないけど
> やっとここから踏み出せる未来
> 始まりの鐘が 今 この街に響き渡る
>
> 共に歩き 共に探し 共に笑い 共に誓い
> 共に感じ 共に選び 共に泣き 共に背負い
> 共に抱き 共に迷い 共に築き 共に願い
> そんな日々を描きながら‥
>
> 気付かぬ間に二人 似たもの同士 仕草も笑い顔も
> そこに生まれくる命には 何よりも尊い 二つの光を
>
> ぶつかり合う時も来るさ 綺麗な事ばかりじゃないだろうから
> 全てを君と越えてゆくと決めた
> 始まりの鐘の音を いつまでも忘れない
>
> 偶然という名の運命 そんな出逢いだからこそ
> 何気ない瞬間を 今日からは かけがえのない瞬間に
>
> 共に歩き 共に探し 共に笑い 共に誓い
> 共に感じ 共に選び 共に泣き 共に背負い
> 共に抱き 共に迷い 共に築き 共に願い
> ささやかな幸せが 木漏れ日のように
> やわらかに降り注ぐ そんな日々を描きながら‥
> いつの日も どんなときも

日曜日

2004年12月19日 | Weblog
土日は実家に帰りました。
ピアノ弾いて、風呂にゆっくりつかって、寝まくりました。

今日の朝食は鮭の塩焼き、キャベツと卵の味噌汁、ごはん、ブロッコリー。
いつもに比べて、すんげー充実した朝食ですね。
奥さんもらうんだったら、料理上手で聡明な人がいいなあ・・などと妄想。

昼は近くの某チェーン店で、てっちりを食べました。
とらふぐと言う割にずいぶん安いと思ったら、アラの部分が多かった。
骨までしゃぶる食べ方になりましたが、時々は野蛮なのも悪くないでしょう。

下宿に帰って、晩御飯は作る気なかったので出前を取りました。
一人暮らしを始めて7ヵ月にして、初めての出前かも。
ボンゴレ・ビアンコと、野菜たっぷりの海老サンドを食べて満足。

晩は医療系の面接法の本と、不整脈の本を眺めて終了。
明日から麻酔科だし、病棟に受持ち患者がいないわけだから、ゆっくりできないかな~。

二重災害

2004年12月17日 | Weblog
本日は技師による人災に見舞われた日でした。
いやほんと、洒落になれないレベルで。

とりあえず1件目は針刺し事故・・・というか針刺され事故。
放射線技師のオッサンが、点滴用留置針の内筒(←つまるところ細い針です)を
僕の腕に落としやがりました。最初は患者の血がついただけかと思いきや、
流水で腕を洗ってしぼってみると、中から自分の血が出てきました。
患者が肝炎ウイルス、エイズウイルス、梅毒その他をもっていれば、
感染の危険性があるわけです。
今まで病棟で採血なんかする時でも、自分では針刺ししないように気をつけてきたし、
C型肝炎や梅毒の患者の手術の時にも気をつけて怪我しないできたし、
今日にしても、技師に内筒を渡す時には相手が怪我しないよう気をつけてました。
(本当は病棟でやってるように、そもそも他人に針を手渡すべきではないのですが。)
それなのに、他人の腕に針を取り落としやがって、むちゃくちゃ腹が立ちました。

とりあえずできるだけ血を絞り出して、流水で十分洗ってから、
患者の感染症情報を見ると、幸いに肝炎ウイルスも梅毒もなし。
もし肝炎ウイルスとか持ってる患者だったら、間違いなく技師を罵倒してたでしょう。
・・・ま、舌打ちはしたし、腕を洗って拭いた紙タオルはゴミ箱に叩き込みましたが。
腹立ちの解消のためが半分、本当に危険なことをされて怒ってると分からせるためが半分です。
C型肝炎になったら、確実な治療法なんかないんだし、30年くらいしたら
肝硬変→肝不全&肝癌で死亡コースです。いいかげんなことをされたら困るわけ。
エイズウイルスなんて、感染したら人生お先真っ暗ですよ。ほんと。

事故なので労災申請の書類を書いて、針刺し事故対策係の先生に診察してもらって、
現段階での状態を残しておくために、血液検査もしておきました。
で、採血されるときに第2の被害が。

普通、血液はある程度ゆっくりした速度で抜いていきます。
急速に血液を引くと、静脈壁が注射針の吸い口にくっついて血が吸えなくなるから。
しかしながら今日の臨床検査技師のオッサンは、静脈に刺さったことが分かった瞬間、
1秒で8mlの線までシリンジの内筒を引きました。
もちろん血液のほうはそんなに早く出てきません。
むしろ途中で血が出なくならずに、数秒でちゃんと8ml採れたことに驚きました。
医療関係者なら1秒間で8mlも引いて陰圧をかけるのが、かなり変だとお分かりでしょう。
その時までは、毎日採血している検査技師なんだし、
そういうやり方もあるのかとも思いましたが、注射器を抜いて技師が一言。
「あれ、血の止まりが悪い。。。変わったやり方したんで、
 ちょっと3分ほどしっかり押さえといて下さい。」
( ゜Д゜)ハァ?
おまえ何言ってんの??って感じ。
こいつ、頭は大丈夫かよ・・??と思って、呆然としてその場を去りました。
医療関係者に処置をする時って、普通は気をつかって丁寧にします。
僕は白衣も着て名札もつけてるし、採血する前に話してて医師だと分かってる状態でした。
それなのに暴力的ともいえる無茶苦茶な採血法をするなんて、正気か??って感じです。
止血しにくいってことは静脈壁が通常より大きく裂けてるはずだと考えて、
動脈からの出血を止める時なみに丁寧な圧迫止血を、自分で施しました。
若いから血が出やすいだろうと思って思いっきり引いたのか、なんか試しにやってみたのか、
なんにせよ腹の立つ一言でした。ふざけんなっつーの。

年くった男のパラメディカルには、相当おかしい奴も含まれていると、
そういう認識が芽生えた日でした。

お料理

2004年12月12日 | Weblog
今日は、大根とシーチキンの煮物と、イトヨリの空揚げを作ってみました。
調理に問題はなかったのですが、イトヨリそのものがびみょー。
白身の部分はいいんだけど、皮のあたりでちょっと臭いが気になる。
無理にお腹に詰め込むのもいやだったので、途中で食べるのをやめました。
ゆえに夕食は大根の煮物+お茶漬け+味噌汁になってしまいました。(´・ω・`)ショボーン

さいわい、パティスリーキハチでバナナのミルフィーユを買っていたので、
御飯のあとにそれを食べました。
パティスリーキハチは今まで使ってなかったけど、なかなか美味しいです。
ここのケーキはセンスを感じさせます。

疲れた

2004年12月11日 | Weblog
しばらく更新が途絶えていました。
内科カンファレンスで症例発表せよと12月1日に言われ、
なぜかその後、カテーテル治療が長引いたり、患者への説明が何人も続いたり、
当直日にやたらと患者が運ばれてきたりで、カンファレンスの準備を夜中にする状態でした。
4日連続で就寝時刻午前2~3時とかでした。

無事カンファレンスも終えたのですが、その後は勉強したり興味のある本を読んだりで
やっぱり寝るのが午前になってました。忘年会もあったか。

連日の睡眠不足ってよくないですね。
うっかりミスも出そうになるし、機嫌も悪くなるし。
昨日は医局パーティーの後、速攻で帰って寝ました。
やっぱり人間、寝るより大事なことなんて滅多にありません。

今日は晩御飯にお刺身を食べました。
ヒラメの身を台で買ってきて、自分で切りました。
ちなみに今日のおやつは抹茶パフェとブラウニーでした。