さよなら !? ロクイチ

久しぶりに鉄道雑誌を買った。
「Rail Magazine」の最新号に組まれている、ロクイチの特集ページを読みたかったからだ。

「ロクイチ」というのは、EF58形電気機関車の61号機という特定の機関車の愛称だ。
この61号機。天皇陛下がお乗りになられる御召し列車専用機として製造された機関車で、我々ファンの中に知らない者はいないという程のカリスマ性を持つ機関車である。

国鉄時代、このEF58という機関車は定期列車をはじめ、荷物列車や団体列車等を引く直流区間の代表的機関車であった。
しかし、荷物列車の廃止や客車列車の減少により170両以上いた仲間は徐々に減り、JR化後には僅か４両に。
そして近年JR東海の２両が運用を外れ、2007年時点ではJR東日本の61号機とJR西日本の150号機のみとなった。
そして残る２両の内の61号機が廃車予定であると、今回「Rail Magazine」誌上で公表されたのである。

ここのところ少し調子が悪かったらしく、以前より一部ファンの間で噂されてはいたのだが…
本当に廃車なのか。さよなら運転も無いまま、こんなにもあっけなく…
未だに信じられない。

結局、私が最後にロクイチを撮ったのは、平成9年10月24日に両毛線で運転されたこの列車になってしまった。


天皇皇后両陛下が国賓であるベルギー国王一家と共に乗車された御召し列車だ。
ピカピカに磨かれた美しい車体に国旗を掲げ、風を切り颯爽と走る姿。
この時それを見たのは、昭和59年の東北本線以来、実に13年ぶりだった。
当時、ちょっと無理しての撮影行だったのだが、撮りに行っておいて良かったとつくづく思う。

本当にロクイチはもう動かないのか。
嘘であってほしい。何かの間違いであってほしい。
そんな願いを込めて、今日の記事とする事にした。