今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

ジェネラリストとスペシャリスト

2007-09-07 00:25:27 | 家庭医療
総合診療部にいると、「先生は何の専門ですか?」とよく聞かれます。

詳しく説明するとあまりにも長くなるので、

「内科系の問題は殆どみます。広く診ることが専門です。」と答えています。

いまいる大学での総合診療部の診療範囲からいえばある程度あたってはいるのですが、正確ではありません。

 正しくは「あなたの専門です」と答えたいのです。

 「あなたがかかえている健康問題の全てに責任を持つ姿勢でいることを専門としている」ということです。

当然、必要に応じて専門医に紹介する事にもなるのですが、紹介した後も患者さんのことを一番把握している医師としてサポートを続けます。

「うちの病気ではないですね」という言葉は一番いいたくない言葉です。

「臓器毎に専門が存在する」という分かりやすい既成概念にしばられると、目に見える臓器で境界線をひけませんので、「結局なに?」と言われてしまうのですが・・・

「専門を決めるのに、まず臓器を限定しなければいけない」という概念をまず打ち捨てて下さい。

 臓器を絞って自分を極める人をスペシャリストと表現するなら、広く診ること、目の前の患者さんの全ての問題に対応しようとする事を自分のアイデンティティとする私たちはジェネラリストです。

ジェネラリストには家庭医、総合診療、総合内科などが含まれるのですが、「違いがよくわからん」というご意見を頂きます。

これについては次回掘り下げてみたいと思います。