映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(バーチャル・ツアー)(13 )「幻の青木ケ原樹海探索行」

2006-06-13 00:12:25 | 旅 おでかけ
 当初はミステリー列車と同時進行の予定でしたが,〇〇の名所と云うイメージのせいか「ちょっと恐い…」と云う人が多くて添乗員は大いに悩みました。
 しかしヘリがすでにチャーター済みであることから、結局は「赤信号 みんなが渡れば恐くない」と云う訳で、地上へは降りずにヘリで上空から樹林を見学するだけ…と云うことになりました。
 やがてヘリが到着したのですが、それは私がチャーターしたものでなく、意外にも「戦国自衛隊」の武装ヘリコプターでした。チョンマゲと陣羽織のサムライ風の男が下りて来て、私に「これから武田信玄の命により、青木ケ原樹海に潜む上杉軍ゲリラの掃討作戦を実行する。我々には歴史を塗り替える使命があるのだ!志願者は一歩前へっ!」と命令口調で云い放ちました。
 
 おっ!懐かしや…この軍隊口調…昭和2ケタの私ですが、これでも戦時中には「教育勅語」「軍人勅諭」「戦陣訓」の丸暗記(勿論、「教育勅語」半分覚える前に戦争負けましたがな…)や、「モールス信号」「手旗信号」から「軍事教練」みたいな事も、やらされた経験ありますねん…と思わず志願しそうになりました。

「自らの手で我が国の歴史の流れを変える!」…なんてまぁ壮大な夢なんだ!織田信長も「戦国自衛隊1549」で同じようなことを云い、先日の大河ドラマでは自らを「神格化」しようとした!
 「歴史に「if」は云々…と云いながらも、この雄大な実験に私の心は千々に乱れるのでした…

 でも、待てよ… 結局は信長の野望は成功しなかったではないか…
 それに…戦争に負けた後でニュース映画などで、米兵の監視下で旧軍隊の首脳部が手錠姿でぞろぞろと行列…あの元帝国軍人とは思えぬ情けない格好を見て、心底から阿呆らしくなったのと違うのか!
 すべての考え方や価値観 歴史観が180度転換した「戦後教育」の中で、「日本国憲法」を叩き込まれ今は「平和主義者」に転向したのではなかったか。

 しかし私が中年の頃に観た「戦国自衛隊1979年版」では彼らは、確か上杉方の味方した筈だが…さては寝返ったな!卑怯者め!…いや、それとも私の記憶違いかな?…などと疑問に思ったのですが、この緊急事態の中ではもうどちらでも良くなり先ずお客様の安全が第一です。
 このキナ臭い戦場からは「逃げるが勝ち…」とばかり、このオプション・コースは残念ながらドタキャンと云うことにして遂に幻のツアーにに終わりました。
 
 それにしても青木ケ原での武田軍対上杉軍のゲリラ戦…何故か新聞もテレビもこの大特ダネに全然触れていません。新聞紙上もこんな局地戦は問題外か?…
 それもそのはず…全世界を巻き込んで、ワールド・カップ大戦争が勃発したばかり…今や全世界の目はドイツのカイザースなんとかの一点に集中…
 ジーコ・ジャパンはラストのあたりで、最後の数分間にまさかの逆転負け…
 誇大妄想の夢と厳しい現実が、ごっちゃになって…(涙…)

 いろいろのワケ有りで予定以上に甲州路に長時日滞在しましたが、明日こそは気分を変えて爽やかな高原の大気に包まれて、若さとロマンに満ち溢れた懐かしの信濃路へ…
 早くも心が躍りますね。(ワクワク…)
 ♪牧場の乙女が花束投げる…♪♪
   それとも…ひょっとして…
 ♪飲めや歌えや世の中は
   酒だ酒だよ ひょうたんブギー♪♪
  どちらの風景になりますやら…お楽しみに… 

 今日の原稿は「ワールド・カップ」を観ながら(イヤ聞きながら…)作ったので、余計に変になりました。