映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(バーチャル・ツアー)(10)「秘境…幻の石丸温泉」(仮称)

2006-06-10 00:02:09 | 旅 おでかけ
 昇仙峡の風景を満喫した私たちは、そろそろと今夜のお泊りの宿へ行くことになりました。ところが予約を入れたはずの温泉宿が一向に見付かりません。
 所定の住所番地を探しても全然見当たらないのです。該当の場所は温泉旅館どころか登記上は葡萄畑になっているのです。
 そんな馬鹿な…と調べた結果温泉が葡萄畑から、突然噴出したのは昭和33年だった…だから昭和初期には「石丸温泉」(仮称)は存在しなかったらしいのです。
 
 あぁ、そうでしたよ…忘れてました…申し訳ない…私達はいつの間にか、平成から昭和の初期にタイム・スリップしていたのです。
  たそがれ観光代表兼添乗員「たそがれ赤ん兵衛」…これ私のことですが…は、流石に頭へ来て「何とかしてくれ…責任者出て来い!」と怒鳴ると、村長さんとか云う人がが出てきました。
 平身低頭しながら「何の準備も出来ていないから、今夜は葡萄畑の野小屋で寝て下され…」との返事でした。そして何事か相談していたと思うと、しばらくして揃いの衣裳の若くて綺麗な「ぶどう娘」や「ミスぶどう」が現れて、彼女達のサービスでワインや地酒で乾杯のあとで大パーティが始まりました。

 村長さんの「武田節」を皮切りに、地元出身プロ歌手による「ご当地ソング」…やがてそれぞれのお国自慢の大合唱…何分にもこのツアーはインター・ネットによる全国レベルでお客様を募集したので、北海道から沖縄まで三橋美智也も金沢明子も顔負けの、さながら全国民謡大会の様相になって参りました。
 何分ここ2-3日は連日ワイン漬けなんですから無理もありません。歌うわ、飲むわ、食うわ、踊るわ…の大宴会が続くうちに、くたびれ果てていつの間にか快い眠りに誘われて行きました。
 朝になって目を覚ますと昨夜の「ぶどう娘」の姿もなく、目に入るのはぶどう畑のあちこちでワインのビンを枕に、あるいは地元銘酒の樽をしっかりと抱きしめて、夢幻の境を彷徨いつつ寝転がっているツアーの面々の姿だけでした。
 こうして幻の「石丸温泉」(仮称)の一夜は明けて行ったのです。

 この記事はブログ主の誇大妄想による全くのフイクションで、事実ではありませんし同名の温泉も実在致しません。
 私が泊まった温泉に「石和温泉」がありますが、ここは「いでゆ」と云う日本的な呼び名にふさわしい落ち着いた温泉です。早朝にホテルの窓から見えた富士山の頂上付近が、朝日に映えて残雪が眩いばかりに光ってとても印象的でした。
 この温泉で泊まった翌日は不思議なことに二度とも一日中快晴で、お蔭で富士五湖や白糸の滝あるいは富士川沿いに眺めた富士山は、今までに見た中では最高だったのでオススメです。
 も一度…いや三度目行こうかな…???