映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
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(シネマ雑記帳) (64) 「恋の手ほどき」

2006-01-26 00:03:51 | 映画
 メトロ‥‥MGM映画最後のミュージカルと位置づけられたこの作品は、しばらく年代の新しい作品を見ていた私には先に観た、「イースター・パレード」と共に久しぶりに生き返ったような気分になりました。 
 1900年代初期のパり‥少し「晩生(おくて)」のジジは歌手志望の母親が歌の修業に忙しく娘を育てることを放棄したので、二人の叔母が彼女の教育や躾に当たっています。
 パリでも女性に手が早いので有名な、プレィ・ボーイのガストンが彼女に関心を示します。叔母たちは彼の気に入るようにジジを仕込みます。
 だんだんと大人の世界に踏み入れる彼女‥でもジジには何かが欠けている‥それは女性らしい「思いやり‥優しさ‥つつましさ‥」とガストンは云います。
 こうしてジジは少しづつ成長して行くのですが‥

 でも私の好みから云うとレディらしくなったジジよりも、少女時代を演じていた頃の彼女の方が良かったように思いました。やっぱり映画「リリー」で‥この映画は観れませんでしたが‥主題歌の「ハイ・リリー・ハイロー」を歌っていた頃の、清新なイメージが残っているからでしょうか。
 レスリー・キャロンのお相手のルイ・ジュールダン私は初お目見えですが、なかなかええ二枚目役者でした。
 でもねえー、これアメリカ映画なんだから仕方ないけれども、パリジェンヌなんだからフランス語でしゃべって欲しかったですねえ。花のパリなら「メルシー」とでも云って欲しかったですね。
 それでもライオンが咆哮するお馴染みのトレード・マークが象徴するような、ミュージカル映画の王者として多くの名作を送り出してきた、メトロ‥MGM映画の最終作品に相応しい、華やかで夢がいっぱいの愉しい映画でした。