いやはや驚いた。
あれから30年、こういう機会が訪れようとは。
この写真は、現在の現役学生たちが、10名ほどのOBを迎えてくれている光景。
この天狗高原の、この場所で、まさに今から30年前に、私はBC(ベースキャンプ)係りを命ぜられ、仲間と一緒に、各パーティを迎えるための設営準備に追われていた。
当時は、部員も50名は越えていたように思うが、石鎚や剣など四国の山々を、女子班も入れて6パーティが、このBCで集合する計画になっていた。
実を言うと、体育会系のこういう運動部は、イマドキの学生たちからは敬遠されて、とっくに青息吐息の状況になってるものとばっかり思っていた。山登りなどという、どちらかというとダサイと思われがちな倶楽部に、現代の学生たちがそれ程興味を持っているとは思わなかったからだ。
でもこうして夏合宿スタイルが存続し、陣容はかなり少なくなったようだが、それでも昔のままのユニフォームで部旗を持って迎えられると、見事に当時の情景が甦った。
他のOBの方にお聞きすると、やはりと言うべきか、WV部活動の紆余曲折も存続が危ぶまれた時など色々とあって、最近やっと復活しつつあるんだそうだ。特に昔と違って、女性がこうした倶楽部活動は敬遠するのではないか、とこちらは勝手に先入観を持っていたが、意外に女子学生も何人か交じっていて心強い限り。
夜の空いた時間に、岡目八目が持参していた当時の写真アルバムを、現役の四年生部員に見せると、キスリング(横幅の広い布製のザック)や白黒写真に驚いていた。今の部員はアタックザックになっていて、体に合った縦長のタイプ。
で、聞いてみた。「カニ族って分かるか?」・・、ハハ、案の定もう既に死語となっていた。キスリングの形からそう呼ばれていたことなどレクチャー。
他にも、布製であれほど重かったテント(雨天などは重さが倍増)は、軽くて丈夫、カラフルなナイロン製だし、今頃は牧で飯盒炊さんをすることもめったに無いそうだ。もっぱらホエブス(携帯ガスコンロ)での食事準備。時の流れは容赦なく、カルチャーショックに類することも多々あったが、それでも久々に学生時代に戻り、得がたい一時を過ごすことが出来た。
30年振りの一つ上のS先輩にも、予想通りの変わらぬフィーリングを感じ、決して短くはない時の流れが一瞬に埋まってしまった。
第一、この人が山の頂上でキスリングに座り、うまそうにくゆらす煙草の煙に魅せられて、初めての煙草を吸った私である。それ以来、学生時代のハイライトは、山行の際の私の必需品となった。その煙草も今はもう全く吸わなくなって久しいが、当の先輩は、今もヘビースモーカーであるらしい。ともかく、面倒をよく見てもらった先輩だった。
あれから30年、こういう機会が訪れようとは。
この写真は、現在の現役学生たちが、10名ほどのOBを迎えてくれている光景。
この天狗高原の、この場所で、まさに今から30年前に、私はBC(ベースキャンプ)係りを命ぜられ、仲間と一緒に、各パーティを迎えるための設営準備に追われていた。
当時は、部員も50名は越えていたように思うが、石鎚や剣など四国の山々を、女子班も入れて6パーティが、このBCで集合する計画になっていた。
実を言うと、体育会系のこういう運動部は、イマドキの学生たちからは敬遠されて、とっくに青息吐息の状況になってるものとばっかり思っていた。山登りなどという、どちらかというとダサイと思われがちな倶楽部に、現代の学生たちがそれ程興味を持っているとは思わなかったからだ。
でもこうして夏合宿スタイルが存続し、陣容はかなり少なくなったようだが、それでも昔のままのユニフォームで部旗を持って迎えられると、見事に当時の情景が甦った。
他のOBの方にお聞きすると、やはりと言うべきか、WV部活動の紆余曲折も存続が危ぶまれた時など色々とあって、最近やっと復活しつつあるんだそうだ。特に昔と違って、女性がこうした倶楽部活動は敬遠するのではないか、とこちらは勝手に先入観を持っていたが、意外に女子学生も何人か交じっていて心強い限り。
夜の空いた時間に、岡目八目が持参していた当時の写真アルバムを、現役の四年生部員に見せると、キスリング(横幅の広い布製のザック)や白黒写真に驚いていた。今の部員はアタックザックになっていて、体に合った縦長のタイプ。
で、聞いてみた。「カニ族って分かるか?」・・、ハハ、案の定もう既に死語となっていた。キスリングの形からそう呼ばれていたことなどレクチャー。
他にも、布製であれほど重かったテント(雨天などは重さが倍増)は、軽くて丈夫、カラフルなナイロン製だし、今頃は牧で飯盒炊さんをすることもめったに無いそうだ。もっぱらホエブス(携帯ガスコンロ)での食事準備。時の流れは容赦なく、カルチャーショックに類することも多々あったが、それでも久々に学生時代に戻り、得がたい一時を過ごすことが出来た。
30年振りの一つ上のS先輩にも、予想通りの変わらぬフィーリングを感じ、決して短くはない時の流れが一瞬に埋まってしまった。
第一、この人が山の頂上でキスリングに座り、うまそうにくゆらす煙草の煙に魅せられて、初めての煙草を吸った私である。それ以来、学生時代のハイライトは、山行の際の私の必需品となった。その煙草も今はもう全く吸わなくなって久しいが、当の先輩は、今もヘビースモーカーであるらしい。ともかく、面倒をよく見てもらった先輩だった。