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◇企業システム◇新日鉄ソル、日本オラクル、デルの3社が仮想化技術を使ったソリューションを提供

2008-05-26 09:06:46 | システム運用管理

 新日本ソリューションズ、日本オラクル、デルの3社は、サーバー仮想化製品「Oracle VM」を軸に、サーバー、ストレージに加え、データーベース、ミドルウエアも含むITインフラ全体を仮想化の対象とした「ITインフラ最適化ソリューション」を提供する。障害時の切り分け、ベンダーエスカレーションについては、新日鉄ソリューションズが一次窓口となるため、ユーザーは安心して導入ができ、運用面の負荷、リスクは大幅に軽減される。(08年5月21日発表)

 【コメント】オープン化はユーザーに製品選択肢の拡大とコスト削減という恩恵をもたらしたが、一方ではサーバー、ストレージの無計画な大量導入というデメリットをもたらし、これがユーザーを悩ます大きな課題となり、現在その解決策が求められている。そこで急浮上したのが仮想化技術で、既にVMwareやXenなどの仮想化ソフトが各ベンダーから提供されている。しかしながら、これらの仮想化ソフトを導入して、独自に自社システムを構築できるユーザーはそう多くないであろう。そうなるとユーザーは外部のSI企業に構築を依頼することになる。

 しかしながら、これらのSI企業も自社ですべての仮想化技術を体得しているわけでなく、それぞれ得意とするベンダーに割り振る。この結果どういうことが起こるかというと、ユーザーから見ると複数のベンダーと対応しなければならず、しかも、障害時において障害の原因の切り分けに時間がとられ、一瞬のダウンも許されないシステムでは致命傷にもなりかねない。

 今回の3社による仮想化技術を用いた「ITインフラ最適化ソリューション」はこのような悩みを持つユーザーには、朗報となるものだ。同ソリューションの注目点はいくつかあるが、一つは仮想化ソフトとして「Oracle VM」をベースとしている点である。これまで仮想化ソフトは主に、サーバーやストレージを対象とし、データベースやミドルウエアとなるとベンダーの動作保証は受けられないのが現実であった。今回「Oracle VM」が採用されているため、これらの解決が図られることが期待できる。もう一つは新日鉄ソリューションズに窓口が一本化されていることだ。ユーザーが一番困るのが障害時にベンダーの数が多く、対応が大変なことと、障害の切り分けをユーザー自身が行わなければならない点。障害個所が分かれば対応は簡単だが、障害個所が分かるまでに多くの時間を要するケースが多いからだ。

 これまで、ハードを中心としたアウトソーシングが注目を浴びてきたが、これからはソフトを中心としたアウトソーシング、すなわち今回の発表のような“ワンストップサポート”にユーザーの関心が集まるのではないか。(ESN)