企業システム・レビュー・ネット

企業経営を左右する企業情報システム(経営+ITソリューション)のデータバンク作りを目指す

◇企業システム◇東芝セミコンダクター社がOKI製のSNSなどEnterprise2.0を導入

2009-06-24 09:19:32 | ユーザー

 【ユーザー】OKIは、東芝 セミコンダクター社に対し、OKIの知識・情報共有基盤/企業向けSNS「Crossba(クロス場)」を納入した。東芝セミコン社では、本社部門と技術部門の全従業員を対象に「コミュニケーションの場」「技術情報共有の場」「お互いを知る場」として、「Crossba」の活用を開始した。今後、東芝セミコン社では、「知識・創造活動」の一層の活性化を目指し、社内SNSへの参加者を段階的に増やしていき、最終的には工場部門や関連エンジニアリング会社にも展開していく予定。 (OKI:09年6月9日発表)

 【コメント】「Crossba」は、企業が社内で「新しいコミュニケーションの場」「知識共有の場」として利用することをコンセプトに開発された企業向けSNS。ナレッジマネジメントを支援するEnterprise2.0ツールとして「SNS + Social Bookmark + Wiki+ Search 」を骨組みとし、SNSセクションには「社員データベース連携」「全員Q&A」「FAQ」や「ファイル添付」、検索セクションには「一網打尽検索」や「ひと検索」、Social Bookmarkセクションには「日記連携」など、特長的な機能を備えている。

 今後の企業活動で重視されるのが社員間のコラボレーションだ。これまでの企業活動は、トップダウン型か、あるいはボトムアップ型のどちらかであった。これは少品種で大量生産が課題であった時代には、大いに威力を発揮してきた。しかし、これからの時代は、多品種で少量生産化する業界が多くなり、このためには、従来のトップダウンあるいはボトムアップの生産方式では対応しきれないケースが多くなり始めている。

 このような時代に対応した社内業務の進め方については、多くの企業が模索しているが、その一つの回答がSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の企業内での活用である。SNSは、社会的ネットワークをインターネット上で構築するものであるが、日本ではmixiなどが挙げられる。米国では、当初マイスペースがトップシェアを誇っていたが、現在では03年に創業したフェースブックが全世界に2億人以上の会員数を持ちマイスペースを抜き去っている。社内SNSを導入する企業はNTTなど、徐々に拡大を見せており、今回東芝セミコンダクター社でも導入に踏み切ったもの。

 東芝セミコンダクター社は、このSNSをはじめとしたEnterprise2.0を駆使して社内システムを構築している点が注目されよう。具体的にはSNSのほか、SocialBookmark、Wiki、 Enterprise Search、blog、Twitterなどである。これらはインターネット上ではお馴染みのものも多いが、これらを企業内の社員同士のコミュニケーションのツールとして活用して成果を挙げようとするとなると、なかなか容易なことではない。今回東芝セミコンダクター社はOKIのノウハウを導入することになるが、成否のポイントはEnterprise2.0のツールを社内導入することではなく、いかに使いこなせるかにかかっている。(ESN)