開業医の妻のたわごと

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夏みかんゼリーと哲学と彼と

2008年05月18日 01時33分55秒 | Weblog
昨日、知人より写真の老松(おいまつ)の「夏柑糖(なつかんとう)」を

3個いただいた。


友人のオッサンから薦められた本「京都の平熱」(鷲田清一氏著)に、

そのゼリーを褒め称えたくだりがあった。

京都の本店では予約しないと買えない、デパートでは午前中に売り切れる絶品と

の事であった。


贈答用は1個1500円もする。たかが、ゼリーが、である。

だが届いた時は超嬉しかった、だって自分で買えない価格だもん。


「京都の平熱」という本は私が、最近、久しぶりに一気読みした本である。

(と言っても3日程かかったが・(;^_^A )


著者は京都生まれ育ちの京大で哲学を学んだ哲学者である。

よって一般の京都の街の観光案内書とは、ひと味もふた味も違う。

京都の裏を哲学的に分析し書いている。実に面白い。読んでいるとワクワクする。

京都に興味のある大人が読む本である。


哲学と言えば、昔、そうはるか昔・・・・・、

高校2年生の女の子は、同じクラスの男の子に恋をした。

哲学を熱く語る彼だった。


ひとりで下宿生活をしている女の子の家の前に夜遅く、彼は友達Aと

バイクでやってきた。

「来たよ。」の合図に2階の彼女の部屋の窓ガラスに向かって小石を投げた。


高3の夏の夜、彼らはいつものようにバイクを乗り回していた。

ある日の朝、女の子に悲しい知らせが届いた、

彼の友達Aがバイクをぶつけて死んだ・・・と。


同乗していた彼は無事だったが、彼はAの死から人が変わったようになって

しまった。

女の子は幼すぎて、どうやって彼の精神的支えになったら良いか判らなかった。

そんな女の子の元を彼は去った。


バイクで亡くなったAは、某国立大の医学部の脳外科の教授のひとり息子だった。

女の子の彼だった男の子は進学校だったのに、大学に行かなかった。


22年の月日が流れ、40才の同窓会で元女の子は彼が38才で癌で亡くなった

事を知った。

同級生は言った。Aが迎えに来たのだ・・・と。   早すぎる・・・。


哲学・・・と言う言葉に、なぜか私の心が動き出す・・・

あの夏の甘酸っぱい思い出とともに。

そう、昔の女の子は私・・・。


エッ?老松(おいまつ)の「夏柑糖(なつかんとう)」の味?

ふつう・・・。私にでも作れる味。

何で1500円出して買うのか・・・理解不能。


ゼリーを買うぐらいなら(ゼリーさん、ゴメンナサイ)

哲学者の都市案内「京都の平熱」講談社¥1700を買って欲しい。


★「京都の平熱」★は、私の好きな人に贈りたい、

是非読んで欲しい本のひとつである。

コメント (2)
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