るんるんぴあの♪

ピアノレスナーERIKO。のつれづれ日記
大阪市都島区友渕町のピアノ教室です

母と歌う

2012-07-10 | 介護
今日はホームに行ってきました。
半年前から手が動きにくくなり、
ピアノが弾けなくなったのと同時に
歌もあまり出てこなくなったそうで。

いつも歌っていた中国語のうたも
「ねぇ歌ってみてください」といわれても
ニコニコして{さぁ??」と言うだけ。

今日は母のよく歌っていた曲が載っている楽譜を2冊持って行った。
私が歌うと一緒に歌いだすが
自分から思い出して歌うことはできなくなっている。

でも今日も
ああ同期の桜
乾杯の歌
巨人の星
童謡やカンツオーネ、子守唄など
いろんな歌を歌った。

数年前はピアノを弾きながら歌っていたのに。
10番まである歌のピアノ伴奏を録音した位だったのに。
私も母のよく使っていたカセットテープなどは
引越しで処分してしまったので
こんなことなら少。しおいておけばよかったと思う。
いや、少しならあるかも、探してみるか
週に一度は難しいけど、2週に一度は歌いに行ってあげたらいいかしら。


職員さんは母の経歴や好きな音楽など何も知らないし、
そういえばこちらもそこまでの情報提供はしていなかった。
終のすみかとなる場所なのに
誰も母の人生を知らないのは寂しい。

職員さんが「話のきっかけになるので教えてください」と聞いてくれたので
母が満州から引き上げてきたこと。
女学校で取った免許を引き上げのときに捨ててこなくてはいけなかったので
大阪に出てきてからもう一度短大に入り
勉強して免許を取り直したこと。
そのお陰で仕事には恵まれ
75歳まで働いていたこと

それでも母の人生のほんの少し断片の事柄。
でも知らないよりは知ってもらっていたほうがうれしい。

十数曲一緒に歌って
最後にお不動様のご真言 慈救のじゅのご霊じゅをお唱えした。
ゆっくりと、子守唄のように
かみしめるように
母はしっかりと覚えていて、「もったいないね」と何度も言った。

次第に衰えていくのはとめられないが
どうか母の体も心も安楽な日が一日でも長く続きますように
と祈らずにはおれない。