やっと三谷幸喜作品の舞台「コンフィダント・絆」が観れる♪
彼の作品を観るのは「12人の優しい日本人」以来になる。ほんとうにチケットが取れない三谷さんの舞台だけど、やっとやっとパルコ劇場PLAYチケット予約会員のPLAY先行販売で当選した
4/10(火)から「サラリーマンNEO - シーズン2 -」 も始まり、ノリにのっている最愛の生瀬勝久君が出る。絶対に見逃す訳にはいかない!生で観られるなんて
嬉し過ぎで、どうにかなりそー
さて、今回も豪華な出演者陣
プレビュー公演を含め、59回の公演数
東京公演は34回で全てSOLD OUT
東京でチケットを取ることは なかなか困難。ところが、大阪公演は25回で、まだまだチケットが有るみたい!東京と関西では、何でこんなにも差が 有るんだろうか。
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東京公演:2007/4/7(土)~5/6(日)
大阪公演:2007/5/10(木)~31日(木)
作・演出:三谷幸喜
出演:中井貴一、寺脇康文、相島一之、堀内敬子、生瀬勝久
上演時間:2時間25分(第一部 85分【休憩 15分】第二部 60分)
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フランス19世紀末を生きた画家たち4人(スーラ・ゴッホ・ゴーギャン・シュフネッケル)と マドンナ・ルイーズの話。当時パリは万博(1889年)が開かれる為、エッフェル塔を建設していた頃だった(エジソンの白熱電球で初の夜間照明)。この年は、フランス革命100周年。
シュフネッケルがリーダーシップを取り、アトリエを4人で借りた。当時 芸術家が集まるカフェで働いていたルイーズをモデルとして雇う。彼女をを巡って、色恋と芸術家としての苦悩が絡み合っていく。
第一部で、ゴッホ、ゴーギャン
第二部で、スーラ、シュフネッケル
と、筋立てがある。括りでルイーズ役の堀内敬子さんが歌う・・・♪スーラ ゴッホ ゴーギャン パ(?) シュフネッケル♪ なんとも ジ~ンとくる切ない歌声。
最初は、年老いたルイーズが酒場で歌っているかの設定で回想していくような展開!画家たちは ひとりひとり舞台に出てくる。ゴッホ演じる生瀬くんは最後の登場だった。
生瀬ゴッホ
自分の芸術には確固たる自信がありながらも、この時点では、世間の評価がなく 絵が売れない。生活も弟に支えてもらっている。その 自信のなさを 跳ね返すように、自分を正当化して、どうにもならないときは、ひたすらゴーギャンに甘える。抑揚が激しく、開演のしょっぱなから激しい(笑)自信を持とうと夢を語る彼は、落ち込むのも喜ぶのも激しい表現者。構わずにはいられない、なんとも 愛おしい人なのだ!! 母性本能をくすぐられるという感じなのか? この人を、思わずギュッと抱きしめたくなる・・・(笑)
中井スーラ
表面的には理知的だけど、実は違う面もあり。この二面性が観ていて面白い。本質を隠そうとするのだが、ルイーズに暴かれていく。自身では、このメンバといるのは、当時では一番名が売れていたスーラ、優越感に浸りたいからと・・・。しかし内心は焦りがあり、ゴッホの才能を羨んでいた。認めていながらも、きっと自分より才能のある人にチャンスを与えたくなくて、だけど、そうして自分で仕掛けたことに 絶望してしまう。ゴッホがナイフでキャンバスを切ってしまった絵を抱えて、泣き崩れるシーンは涙なしでは観られませんでした。
寺脇ゴーギャン
豪快で男らしいゴーギャンが寺脇さんに合っていた。なんでもそつなくできる男ゴーギャン!けれど、ずるさも持ち合わせていて、アトリエを4人で使い始めた当初「モデルに手を出さない」とシュフネッケルが規則を決め、同意したのに、こっそりルイーズを口説いていたりするのだ。
4人の中で、一番モテル男。料理もできる!何でもできてしまうようで、でも 何となく自分の才能が抜きん出ていないのも分かっているから、皆には言わないが、陰で猛烈に努力をする人。激しく落ち込んだりするゴッホを放っておけなくて、面倒をよく見るのだが、心のどこかではゴッホの才能を開花させたいとも 思っていたのかもしれない。
相島シュフネッケル
美術教師をしていたシュフネッケルは、自分に才能があると思い込んでいた。誰よりも他の3人の画家たちと過ごす時間を大切にして、自分も含め、お互い高めあっていこうと みんなに気配りしたり 努力をしている。ちょっと 空気が読めない おばかさんなんだけど、この中では一番の常識人。
この作品での彼は、唯一 生活感が出ている人。アトリエでの生活で皆を思う気持ちと、家庭でも妻や子供のことも 大切に考えている。だから絵を書くのが中途半端になってしまうのか?つまり芸術家タイプではなかったんでしょうね。
コンフィダント(Confidents)とは、親友のこと。
当時ゴッホのConfidentsはシュフネッケルのことだったらしい。
堀内ルイーズ
フランスの田舎町アビニョンで育った彼女。芸術家でもないのに、一番それぞれの画家のことを理解していた。ルイーズは彼女しかありえないと思うほど、マッチしていた。合間に入る歌 伸びと張りのある声、物語を引き締める重要な役柄でした♪
4人の40代俳優達は、本当に素晴らしかった
(コーラスも素敵でした)
一部では思いっきり笑わせてくれ(ルイーズを引き止める策で、打ち合わせ不足による その場しのぎのドタバタ劇は必見
)、二部では、思いっきり泣かせてくれて、(始まりに 三谷さん御自身がアコーディオンを披露する場面も
)「オケピ!」でピアニストをやっていた荻野清子さんの生ピアノが劇中効果的に入ってきて、フランスのエスプリを感じさせてくれ、と~っても素敵でした
役者どおしは 個性が 激しくぶつかり合い 演技も演技でなくなるようなもので、それぞれが素敵な一人だった。観客を満足させてくれる舞台だったのでは・・・。
う~ん 人間って やっぱり弱いもので 一人では生きられなくて、社会のなかで 存在価値を認めてもらおうと思ったり 評価してもらいたかったりするのだろう。そして 助言や 背中を後押ししてもらい 前に進む。でも 最終的には 自分のことは 自分で決めていくしかないのだ。
今後の三谷作品、ますます楽しみになってきた