文を文の中に組み込むやり方です。‘that’節と呼ばれるものを例に取ってみます。以下の日本語、見ましょう。
(1)太郎は信じている。
(2)花子は正直者だ。
(3)太郎は [ 花子は正直者だと ] 信じている。
(1)の中に(2)を組み込むと(3)が完成します。(2)の末尾に「~と」が付くのがポイントですね。では英語ではどうでしょうか。
(4)John believes. (ジョンは信じている。)
(5)Mary is honest. (メアリーは正直者だ。)
(6)John believes [ (that) Mary is honest ]. ([ ジョンはメアリーが正直者だと ] 信じている。)
(4)の中に(5)を組み込むと(6)が完成します。(5)の先頭に‘that’が付くのがポイントですが、これはオプションでもいいのですね。ところで、普通は、「信じる」というような表現は、目的語が必要ですね。
(7)太郎はその噂を信じている。
(8)John believes the rumor. (ジョンはその噂を信じている。)
(7)の「その噂を」の部分と、(3)の「花子は正直者だと」の部分は分布(現れる位置)が一致していますね。同様に、英語の場合、(8)の‘the rumor’と、(6)の‘(that) Mary is honest’の部分は分布が一致しています。つまり、日本語も英語も目的語の位置に文が組み込まれているということがわかります。
もうおわかりかと思いますが、文は目的語として働くことができるんです。目的語になれるということは、一歩踏み込んで考えれば、名詞であるということですので、組み込まれた文は名詞(的)であるとも言えますね。文法の解説書などを読むと「名詞節」というコトバが出てきますが、これのことを言っているんです。名詞として文が使えるということは、主語の位置にも使えそうですね。
(9)The story is our secret. (その話はボクらの秘密だぞ。)
(10)[ That James is a spy ] is our secret.
([ ジェームズがスパイだってことは ] ボクらの秘密だぞ。)
(9)の‘the story’と同じ位置に‘that James is a spy’が分布していますので、やはり名詞として使えるんですね。ただ、主語の位置に文がくる場合、‘that’は省略できない傾向があるので注意して下さい。
これは先頭に主語として組み込まれた文があると思って読んで(聞いて)くれよな、というシグナルとして‘that’を残しておきたいからで、普通、文の出だしでは、組み込まれた側よりも、組み込む側の方が先にくると思って聞き手は聞いているので、一種の、心の準備をしておくように、という指示みたいなものです。ですので、文が目的語として組み込まれているときには省略されていても特に違和感を感じないのですね。
今回は、何だかとても簡単なことをやっているようですが、文を組み込むというシステムを習得すると表現方法にグンと広がりが出てきます。このやり方を単純反復させて長めの文をつくり、意味内容の濃い表現にすることができます。今度は(6)を更に組み込んだ文をつくってみます。
(11)I imagine [ (that)John believes [ (that) Mary is honest ] ].
(ボクはね、[ ジョンは [ メアリーが正直者だと ] 信じている ] と想像してるん
だけどね。)
(11)では、「孫」である‘(that) Mary is honest’を中に組み込んだ‘John believes ~’が「子」であるとすると、今度は、その「子」が、組み込まれる側の立場になり、‘I imagine ~’が、それを組み込む側の立場、つまり「親」になっているということですね。
このように文法には、単純なルールを反復させて複雑な表現を可能にしている側面があるので、一見、難しそうに見える文も、実はそんなに大掛かりな仕組みを用いているわけではない場合があります。単純な仕組みの反復こそが英語脳の大きな仕組みの一部であるという例でした。
■注1 :今回扱った、‘that’節は、学校で習う英文法では、「従属節」とか、「従位節」と呼ばれています。それに対して、‘that’節を組み込む側の文を、「主節」と呼んでいます。これは、‘that’節が、組み込む側の文に依存することで成り立っている、という、依存の関係を、比喩的に、「主従」の関係で表現したものです。
■注2 :(10)のような‘that’節を、主語として組み込んだ文は、一応、文法的ではありますが、あまり座りがよくない、と判断される場合があります。この点に関しては、EG84を参照して下さい。
●関連: EG84
★みんなの英会話奮闘記★ ★元祖ブログランキング★ ★人気blogランキング★
(1)太郎は信じている。
(2)花子は正直者だ。
(3)太郎は [ 花子は正直者だと ] 信じている。
(1)の中に(2)を組み込むと(3)が完成します。(2)の末尾に「~と」が付くのがポイントですね。では英語ではどうでしょうか。
(4)John believes. (ジョンは信じている。)
(5)Mary is honest. (メアリーは正直者だ。)
(6)John believes [ (that) Mary is honest ]. ([ ジョンはメアリーが正直者だと ] 信じている。)
(4)の中に(5)を組み込むと(6)が完成します。(5)の先頭に‘that’が付くのがポイントですが、これはオプションでもいいのですね。ところで、普通は、「信じる」というような表現は、目的語が必要ですね。
(7)太郎はその噂を信じている。
(8)John believes the rumor. (ジョンはその噂を信じている。)
(7)の「その噂を」の部分と、(3)の「花子は正直者だと」の部分は分布(現れる位置)が一致していますね。同様に、英語の場合、(8)の‘the rumor’と、(6)の‘(that) Mary is honest’の部分は分布が一致しています。つまり、日本語も英語も目的語の位置に文が組み込まれているということがわかります。
もうおわかりかと思いますが、文は目的語として働くことができるんです。目的語になれるということは、一歩踏み込んで考えれば、名詞であるということですので、組み込まれた文は名詞(的)であるとも言えますね。文法の解説書などを読むと「名詞節」というコトバが出てきますが、これのことを言っているんです。名詞として文が使えるということは、主語の位置にも使えそうですね。
(9)The story is our secret. (その話はボクらの秘密だぞ。)
(10)[ That James is a spy ] is our secret.
([ ジェームズがスパイだってことは ] ボクらの秘密だぞ。)
(9)の‘the story’と同じ位置に‘that James is a spy’が分布していますので、やはり名詞として使えるんですね。ただ、主語の位置に文がくる場合、‘that’は省略できない傾向があるので注意して下さい。
これは先頭に主語として組み込まれた文があると思って読んで(聞いて)くれよな、というシグナルとして‘that’を残しておきたいからで、普通、文の出だしでは、組み込まれた側よりも、組み込む側の方が先にくると思って聞き手は聞いているので、一種の、心の準備をしておくように、という指示みたいなものです。ですので、文が目的語として組み込まれているときには省略されていても特に違和感を感じないのですね。
今回は、何だかとても簡単なことをやっているようですが、文を組み込むというシステムを習得すると表現方法にグンと広がりが出てきます。このやり方を単純反復させて長めの文をつくり、意味内容の濃い表現にすることができます。今度は(6)を更に組み込んだ文をつくってみます。
(11)I imagine [ (that)John believes [ (that) Mary is honest ] ].
(ボクはね、[ ジョンは [ メアリーが正直者だと ] 信じている ] と想像してるん
だけどね。)
(11)では、「孫」である‘(that) Mary is honest’を中に組み込んだ‘John believes ~’が「子」であるとすると、今度は、その「子」が、組み込まれる側の立場になり、‘I imagine ~’が、それを組み込む側の立場、つまり「親」になっているということですね。
このように文法には、単純なルールを反復させて複雑な表現を可能にしている側面があるので、一見、難しそうに見える文も、実はそんなに大掛かりな仕組みを用いているわけではない場合があります。単純な仕組みの反復こそが英語脳の大きな仕組みの一部であるという例でした。
■注1 :今回扱った、‘that’節は、学校で習う英文法では、「従属節」とか、「従位節」と呼ばれています。それに対して、‘that’節を組み込む側の文を、「主節」と呼んでいます。これは、‘that’節が、組み込む側の文に依存することで成り立っている、という、依存の関係を、比喩的に、「主従」の関係で表現したものです。
■注2 :(10)のような‘that’節を、主語として組み込んだ文は、一応、文法的ではありますが、あまり座りがよくない、と判断される場合があります。この点に関しては、EG84を参照して下さい。
●関連: EG84
★みんなの英会話奮闘記★ ★元祖ブログランキング★ ★人気blogランキング★
What I imagine is that John believes that Mary is honest.
こんなになる(w
受験生は大変だなぁ。で、分析しつつ読め、と教わるわけだ。ちなみに、これを単純化すると・・・
短文の連続になる。
John believes Mary's honesty.
This is what I imagine.
一般的に前の例は文語で、後の例は口語。
どっちがより大切というのではない。両方知っておく必要がある。