サンパウロの庶民的生活

わたしの半径1メートル以内で考えたことや感じたことをつづってみようと思います。

写真家アラーキーのヌード写真が気になったこと

2009-01-24 19:28:58 | Weblog
 写真家アラーキーの話題をブラジルの邦字新聞の記事で目にした。熊本の美術館で母子のヌード展を開催したとの話だった。

 アラーキーのヌード写真はブラジルでも翻訳されて販売されている。マニアには好まれそうな目を覆いたくなる(だからこそ見たくもなるのだろうけれど)ヌード写真集だった。

 なんかとんでもない写真を撮る人だと思っていたけれど、今回の母子ヌード写真はすごく好感が持てた。そして、アラーキー自身が今までの仕事のなかでも絶好調というようなことを語り、自身も入れない領域だというようなことを語っていたと知って、実はとんでもない人ではなくて、普通の人なんだと安心したし、すばらしい社会貢献となるお仕事をされたように感じた。聖母を撮ることを目指さなかったということにも親近感。

 母子(母と赤ちゃん)のヌード写真にまさる人間の生の写真はないと思う。これこそ性を超えた最高の生の表現だと思う。美しい女性だけのヌード写真も生ではあるけれど、やっぱり性は母から生まれる生だと思う(もちろんその以前に父も存在するのだけれど)。女性の性ばかりをもてはやすよりは、もっともっと自然で豊かで美しい表現は母子ヌード写真だと思った。

 世界の美術作品はさておき、20世紀前後からのブラジル絵画の作品の中には、母子を表現した絵をよく見かけることができる。フランスでも授乳するような母子をテーマにした作品がはやったそうだ。ヌードばかりではないけれど、かなり生命を感じるような。

 サンパウロの美術館にも、女性の胸から水が飛び出し続ける置物がある。決していやらしくもないし、ありのままの表現だし、いろいろな意味でずって見ていて飽きることがない作品。子どもたちも大好きな作品です!