聖書にも、王が登場する。
実に不思議な王である。王らしくない王である。
彼は飼葉おけで生まれ(ルカ伝2-7)、孤独の内に生まれた(ルカ伝2-16)。
郷里の人々からは敬われず(マルコ伝6-2)、身内の者には「気が狂った」と罵られ(マルコ伝3-21)、
学者には「悪霊につかれている」と嫌悪され(マルコ伝3-22)、国民を惑わす者として訴えられ(マタイ伝23-2)、
議会は「神を汚す者」として叫び(マタイ伝26-25)、弟子にはすべて逃げられ(マタイ伝26-56)、
そのようにして一生を過ごし、最後には神に捨てられたのかと問いながら死んだ(マルコ伝15-34)。
これが、ユダヤ人の王である。 . . . 本文を読む