遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

中原中也ノート19

2019-09-04 | 近・現代詩人論
タバコとマントが恋をした
   その筈だ
   タバコとマントは同類で
   タバコが男でマントが女だ
   或時二人が投身心中したが
マントは重いが風を含み
タバコは細いが軽かったので
崖の上から海面に
到着するまでの時間が同じだつた
神様がそれをみて
全く相対界のノーマル事件だといつて
天国でビラマイタ
二人がそれをみて
お互いの幸福であつたことを知つた時
恋は永久に破れてしまつた。        (「タバコとマントの恋」)
({ダダ手帖}所収。*現存せず。川上徹太郎の著書に引用して残った詩。)
後の手帖で注目したのは「恋の公開」{(恋の世界で人間は)」「(天才が一度恋をすると)」「幼き濃いの回顧など、恋愛詩が多いことである。

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